有名シェフが「カルビを和食とした日本人シェフを叱った」動画が虚偽だった話

ゴードン・ラムゼイさんという世界的に有名なシェフが近々、韓国にバーガーショップをオープンするのだそうです。既にプレ・オープンが始まっていて、予約すれば購入できるらしいのです。大体のバーガーは2〜3万ウォン(約1500〜2500円)一番高いバーガーは1コ14万ウォン(約1万3500円)ですって。

このラムゼイさんがネタとしてタイムリーだったんでしょう、あるユーチューブ動画で彼がカルビを和食とした「日本人シェフ」を「叱った」と紹介されていたそうです。動画は3週間で再生回数300万回を超えているとか。
しかしこの動画、まったくの「でたらめ」だったことが判明しました。
ラムゼイさんが叱った(というか怒鳴りつけた)のは、東洋系のシェフがステーキを焦がして台無しにしたからで、その東洋系シェフが日本人との言及もされていません。(名前から判断するに日本人ではありません)

 

 

マネートゥデイの記事からです。

カルビを盗んだ日本人、ゴードン・ラムゼイが真の教育?「クッポンユーチューブ」知ってみると...


先月、ユーチューブのあるチャンネルに掲載されたこのようなタイトルの映像はアップロードから3週間後の5日現在、308万回の再生数を記録している。映像では世界的に有名なシェフのゴードン・ラムゼイが「カルビ」を日本食と騙そうとした料理大会参加者を叱ったと説明した。

数回の韓国訪問で韓国料理に対する理解度の高いゴードン・ラムゼイが日本人シェフのまやかしを摘発したというのだ。チャンネル運営者は全世界のメディアが日本人の「カルビ窃盗」を批判したという内容も付け加えた。

高いアクセス数を記録したこの映像は、コメントでも「カルビを日本食に化けさせようとするなんてとんでもない」「日本人参加者は料理ではなく盗みに来た」「韓国料理を愛してくれて、きちんとした事実をご指摘いただきありがとうございます」など、日本人を非難する反応が多かった。

しかし確認の結果、これは実在しない内容だ。映像はゴードン・ラムゼイの人気バラエティ番組「ヘルズキッチン」シーズン6の5話を元にしているがカルビは登場しない。ゴードン・ラムゼイが東洋系の参加者を叱ったのは単にステーキを焦がしてしまったからだ。参加者の名前は「アマンダ・テック・ムーア」(Amanda Tek Moore)で日本人という言及もない。

チャンネル運営者は事実と異なる内容で国内のユーチューブ視聴者の反日感情を刺激し、莫大なアクセス数を得たのだ。ユーチューブの再生数は広告収益と直結する。このため刺激的なサムネイルやタイトルを付けたりもするが、このように存在しない事実をでっち上げるのは行き過ぎだという批判が出ている。

(中略)

一部のクッポンユーチューブは「プーチン、韓国に核弾頭を渡すという状況」、「サムスン、破産直前アップルを買収するか」、「英国は韓民族が建てた国家」などのタイトルを付けてクリックを誘導している。客観的根拠のない映像であるにも関わらず、再生数は数十万回に達する。国民感情が良くない中国と日本は常態的な捏造の対象になったりもする。

(中略)

英国ロイタージャーナリズム研究所の「デジタルニュースレポート2021」によると、韓国はユーチューブを通じてニュースを利用する割合が44%に達する。全体調査対象国の平均20%より大幅に高く、クッポンユーチューブを単なる興味の種と見るだけでも難しいのが現状だ。

(中略)

ソン・ギョンジェ尚志大学教養学部教授は「クッポンコンテンツの場合、ユーチューブだけの特別なものというより、時期的に周辺国との仲が良くないときに国粋主義を刺激する側面でずっと存在してきた」とし「歪曲された情報だとしても製作者が自分の考えや見解だと主張した場合、処罰が難しいのが現実」と述べた。

(後略)



マネートゥデイ「갈비 훔친 일본인, 고든램지가 참교육? '국뽕 유튜브' 알고보니…(カルビを盗んだ日本人、ゴードン・ラムゼイが真の教育?「クッポンユーチューブ」知ってみると...)」より一部抜粋

「世界が賞賛する日本」的なネタはたまに見かけるので、この手の動画はどこの国でもあると思います。が、流石に日本では300万再生もいくことはないでしょう。せいぜい数万じゃないでしょうか?
それだけ周辺国との状況が悪いというのを肌で感じ取っていて、何か安心できる材料を求めているのかもしれません。
「クッポン」の「ポン」は「ヒロポン覚せい剤、麻薬)」の意味ですが、上手く言ったものだなと思います。