米議員からの提言「対中・対北のために日本との関係改善を」という話

VOAの韓国20代大統領選挙特集記事の4本目です。記事の攻勢の都合で少し順番を入れ替えました。
今回は米議員たちが次期政府に向ける期待として、対中・対北に対抗するために「日韓関係の改善」が挙げられています。
まあ、具体的に何をどう、という話は無くて単に「日本との関係改善に力を尽くすことを望む」だけですけどね。

 

 

VOAの記事からです。

[韓国20代大統領選挙特集]4.韓国の次期政府に寄せる米議員たちの期待...「中国・北韓に対抗して日本と関係改善」


(前略)

上院外交委所属の共和党テッド·クルーズ議員は1日、VOAの記者と会い「大統領選出は韓国の有権者が下さなければならない決定」とし「自分は『米国との友情と同盟を価値あるものに考え、これを強化することを望む大統領』であることを願う」としました。
2016年の共和党大統領選挙に立候補したクルーズ議員は、特に韓国の新大統領が「北韓の敵対性と中国の敵対性に喜んで対抗する大統領になることを期待する」と強調しました。

2016年の共和党予備選挙候補だったマルコ·ルビオ議員も、韓国を中朝両国の挑戦を阻止する米国の重要なパートナーとし、韓国に十分な対策を提供するという考えを明確にしました。
現在、上院情報委と外交委所属のルビオ議員はVOAに「来週の韓国大統領選挙の結果と関係なく、米韓同盟は堅固で域内平和のために必須だ」とし、自身は「韓国がインド太平洋地域で特に金正恩政権と中国共産党の敵対性と攻撃を抑止し、北韓の人権蹂躙に対抗するのに必要な支援と道具を備えるようにする」と強調しました。

韓国政府に対し、北朝鮮の人権問題に対する強硬な態度を最も積極的に要求している人物は、共和党のクリス·スミス下院議員とヨン·キム下院議員で、彼らのメッセージは法案の形などで韓国の次期政府にもそのまま伝えられるものとみられます。

(中略)

ブーカー議員は1日、VOA記者と会って「米国と韓国は域内の安保だけでなく、人権問題をはじめ民主主義と自由の価値を守るために協力しなければならない」と強調しました。インド太平洋地域で大きな懸念をもたらす中国の頭の痛い軍事活動の増大を韓国も見たように、域内安保はもちろん重要であるが、米国と韓国は共同目標のために引き続き協力·共有するものを保存しなければならないという説明です。

(中略)

米議員らは次期韓国政府が米国のもう一つの核心同盟である日本との関係改善にさらに重点を置くことを期待するという立場も伝えました。

上院外交委と軍事委所属の民主党ティム·ケイン議員は1日、VOA記者と会い「私たちが常に模索している一分野は韓日関係改善案」とし「米国は両方で関係改善を助ける方法があるか常に模索している」と述べました。

2016年の大統領選挙当時、民主党副大統領候補だったケイン議員は、特に韓日関係改善が重要な理由としてアメリカ、日本、オーストラリア、インドの非公式安保協議体「クアッド」に言及し「韓国と日本が共に参加しなければクワッドは力量を十分に発揮できず弱い」と述べました。

続いて韓日関係問題は「韓国と日本の両国が協議しなければならない問題だが、我々がそれに役立つ方法があるかもしれない」と付け加えました。

(中略)
ケイン議員は次期韓国政府が中国問題で既存の「戦略的曖昧性」ではなく、さらに強い態度を見せることを自分は好むとし、次期政府に対する期待感を仄めかしました。

(中略)

上院外交委所属のベン·カーディン議員は韓国に対し、米国の「核心パートナー」であり域内はもちろん、グローバル問題における「戦略的パートナー」であるとし、韓国の新大統領が両国間の伝統的関係強化はもちろん、日本との関係改善に力を尽くすことを望むと述べました。
カーディン議員は「我々は域内の影響力が高い韓国、日本、そして米国の関係が常に強力に改善されることを望む」とし「米国は、中国とロシアの問題でも、韓国と日本の助けが必要だ」と強調しました。

韓国の次期政府が直面する米韓同盟の軍事懸案については、最近、議会内の様々な立法活動を通じて米議員の基本的な見解と強調点が現われています。

議会が昨年議決した2022会計年度国防授権法に在韓米軍規模を現水準の約2万8500人で維持するのが重要だという立場を明示したのが代表的ですが、新国防授権法案にも類似の内容が含まれる可能性が高いです。
在韓米軍駐留のための韓国との防衛費分担については、上院外交委の共和党幹事であるジェームズ·リッシュ議員が昨年初めに発議した、米国の同盟とパートナーシップの重要性を強調する決議案には「平等で相互利益になる分担金協定への支持を再確認する」という文句が含まれていました。

(中略)

今回の韓国の大統領選挙を機に、次期韓国政府と米国が相互利益のための共同の関心分野を模索し続け、同盟の役割を拡大して関係を深めることを望むというのが、米議員たちの共通の期待です

(後略)



VOA「[한국 20대 대선 특집] 4. 한국 차기 정부에 전하는 미 의원들 기대…“중국·북한에 맞서고 일본과 관계 개선”([韓国20代大統領選挙特集]4.韓国の次期政府に寄せる米議員たちの期待...「中国・北韓に対抗して日本と関係改善」)」より一部抜粋

イロイロな人の言葉を引用していますが言っていることは凄くシンプルです。

  • 中国、北朝鮮の人権問題を見て見ぬ振りするな
  • 域内協力・安保のために日本と関係改善しろ
  • 米韓は「核心パートナーであり戦略的パートナー」と米韓関係を強調

こんなところでしょうか。

全体通して米韓関係を非常に重視した立場からの発言です。「核心パートナー」、「戦略的パートナー」などの用語からもそうした部分を感じます。
要するに、韓国は on our side なのだから「戦略的曖昧性」などあり得ない、と言っているんでしょうね。


日韓関係について、イさんは「早期に首脳会談を行う準備がある」と共同通信との書面インタビュー(東京新聞の報道)で示したことがあります。
しかし「包括的解決に向けた対話に乗り出す用意がある」としつつも「解決策は日本政府が出すべき」「謝罪せよ」と、いつも通り「日本が悪い」を前提としており、ムンさんがそれで無視されているのを目の当たりにしておきながら、なんでこれで会えると思えるのでしょう?(このときの主張はあまりにも中身がなかったので完全にスルーしました)

ユンさんは、以前に京郷新聞が政策担当者にインタビューした内容(詳細はこちら)によると「協力できる所は(から)協力する」という、見方によっては「用日」とも取れるスタンスを示したことがあります。
「用日」については賛否あるかと思います。個人的には take を得るために日本に対して give をきちんと提供出来るのであれば「用日」は必ずしも悪いものだとは考えていません。

しかし、同じインタビュー内で徴用訴訟の現金化問題は「代位弁済」などで管理することを方策の一例としてあげたり、慰安婦合意は韓国政府主導で動く必要性を強調しつつ「再交渉」を視野に入れているなど、少なくともインタビュー内容からは日本に give を提供出来るようには思えません。