「日本は源泉技術を持っているから報復されない」「米中どちらかを選ぶより何を準備するかが大事」という話

経済安保の重要性を説きつつ、自由貿易と投資誘致を阻害せず「陣営」ではなく「ルール」に基づいた接近および源泉技術確保の必要性を主張する記事がありました。
一見、筋が通っているように見せかけて、かなりモヤっとする内容です。根底にはもちろん「米中どちらかを選ぶ必要はない」です。

 



東亜日報の記事からです。

中、日には報復できない..韓も「技術先導国」にならなければ


(前略 ※米中の経済安保競争の激化とともにサプライチェーン再編が進んでいることに触れ)

こうした中、米国は同盟国として韓国に連帯を求めている。中国は韓国と協力関係の維持を求めながらも、米国の対中牽制の動きに対応するために連日、韓国が米国の政策に同調できないよう圧迫をかけている。米国だけでなく中国市場への同時接近を目標とする韓国企業にとって現状は不確実性を増加させるリスクとして働く。何よりも米・中双方の圧迫の中で選択を強要される恐れがあるという点が最も大きな憂慮だ。

米国が反中経済ブロックを推進しながら韓国の参加を強く圧迫する場合、韓・中経済関係の縮小は必然的だ。韓国としては経済繁栄の土台である中国市場を失いかねない。これは2つの経路で現れる可能性があるが、第一に韓国が米国の対中制裁に従う場合、直接的に対中輸出及び中国内の事情が打撃を受ける。第二に韓国が米国の進んだ技術力、金融覇権、同盟関係などを理由に米国に全面的に便乗する場合、中国が経済報復をする可能性だ。

(中略 ※中国を最大市場と見てきた米IT企業が中国市場から距離を取りつつあること、2020年の米国によるファーウェイ制裁などのリスクに触れ)

今後、米国が規定した先端技術全分野に脱同調化戦略が拡大する場合、ファーウェイ事例のように、米国が持つサプライチェーンの地位によって韓国企業が米国の制裁を避けるために大きな顧客を失う状況も起こり得る。

(中略)

米国を中心に経済的利益を超えて安保を理由にした戦略物資および先端技術管理協力が拡大する可能性が高い中、中国さえ米国の動きに対抗するための立法に乗り出している。韓国企業が米国の対中制裁だけでなく中国の報復制裁にも気を使わなければならない状況が起きているのだ。

(中略)

米・中間の技術覇権競争は最近、経済安保の重要性を浮き彫りにし主要国のサプライチェーン再編作業にともなう国際通商環境を変化させている。

(中略)

サプライチェーンの混乱は自然災害のような不可抗力的要因によって引き起こされることもあり得るが、時にはサプライチェーン上の一部国家の意図的政策によって引き起こされることもあり得る。

(中略)

言い換えれば危機時には、経済的利益の極大化という企業が追求する目標が崩れる可能性が高く、安保という国家的利益が最優先される可能性が高いということを学んだ。

(中略)

米・中対立の根本的原因が技術覇権競争という構造的問題にあるという点で、米・中対立の長期化は避けられない。米国を含む西欧の圧迫を受けている中国は先端技術の国産化を加速化するものと思われる。中国を信頼できないライバルと認識する西欧はこれに脅威を感じ、先端技術分野で政治主導の産業政策を拡大する可能性が高い。すなわち当分の間、主要固化kがすべて政府主導で自国内の先端技術力強化に乗り出すものと予想され、先端技術分野の無限競争時代が長期間繰り広げられる公算が大きくなった。したがって、これに備えた技術革新力のグローバル競争力維持が私たちにとっても死活課題となった。
特に中国の技術掘起が急速に進み、韓国が技術的優位を享受できる時間が短期間に終わる可能性があるという点が最も憂慮される。

(中略)

まず、韓国の選択は米中どちらか一方の陣営を選ぶのではなく何を準備するかに主眼を置いて行われるべきだ。バイデン政府も米中関係で対立的な姿勢を取るものの、協力することは協力すると明らかにしている。そうした状況で韓国だけが米中完全対立構造を前提にした政策を樹立する必要はない

先端技術分野に対する対中制裁はますます厳しくなっているが、同時に米国内では中国と安全にビジネスを継続できる市場環境に対する要求もある。現在のように不確実性が大きい状況では、陣営を選択するより韓国だけのガイドラインまたはマジノ線を設定すると同時に独自の力量強化に焦点を合わせなければならない。

すなわち、米・中葛藤が引き起こす不確実性を除去するために、韓国だけの明確な通商・外交原則を樹立し、一貫性を持って対応していかなければならない。現段階では米国や中国の一方に偏重され特定国を排除する排他的アプローチはリスクが大きすぎる。

(中略)

第二に、先端技術が経済と安保の両方の核心要素として作用し、相手国が必要とする核心技術力保有の重要性は日増しに大きくなっている。日本は米・中間のファーウェイ5Gネットワーク装備を巡る葛藤が発生した時、どの国よりも早く米国側に参加した。それだけでなく香港の「一国ニ制度」や新疆ウイグル自治区の「人権」問題についてもアジアで唯一米国に同調した。にもかかわらず、中国はこれまで日本に対して特別な報復措置を取らなかった。これは米国産先端技術への接近が制限され、中国が日本やドイツのような源泉技術保有国をさらに重要視していることを示唆する。

(中略)

米・中戦略競争時代には安保の視点で経済を眺めなければならないため経済的に非合理な選択をしなければならない状況が繰り広げられる可能性があることを留意しなければならない。

自由貿易と投資誘致を過度に阻害しないようにしなければならないが、何よりも経済安保を確保できるかを考慮しなければならない。米国と中国の経済安保のための法制定動向に注目し、韓国も自主的な経済安保関連法制度を整備する必要がある。

米・中葛藤が先鋭化されても「陣営」ではなく「ルール」に基づいた接近という点で強化された法と制度が私たちの行動原則または判断根拠として有用に活用され政策的柔軟性を確保することが出来る。

(後略)



東亜日報>「中, 日에는 보복 못 해.. 韓도 '기술 선도국' 돼야(中、日には報復できない..韓も「技術先導国」にならなければ)」より一部抜粋

メチャクチャ長いんですけど、結局は「米中どちらかを選ぶ必要はない」を正当化するためにイロイロこねくり回しているだけに読めます。
日本に関しては「源泉技術を持っていれば報復されない」を主張するために持ち出されています。

勘違いしていますが、経済安保の観点で言うならば韓国は「米国」しか選択の余地は無いはずです。
数十年前に「共産」ではなく「自由民主主義」を選んだはずですし、経済安保とは「陣営」であり「ルール」の話です。
なぜなら「陣営」とは「同じルールが通用する相手」のことだからです。

記事の前提として、最後の段落の「米・中葛藤が先鋭化されても「陣営」ではなく「ルール」に基づいた接近という点」があるのだと思いますが、そもそもが破綻しています。