モルガンスタンレーのブランド品消費報告書によると、昨年の1人当たりブランド品消費額(325ドル)で韓国人が世界1位になったとのことです。
この資料を引用する形でブルームバーグはその要因を「不動産価格に急騰による純資産の増加」によるものと分析しました。しかし、韓国でブランド品を購入するのは何も富裕層だけではありません。
それについては、高騰する不動産価格により住宅購入を「諦めた」庶民層・若者層が代替消費として余裕資金をブランド品消費にあてている、としています。
アジア経済の記事からです。
モルガンスタンレー「韓国のブランド品消費世界1位の秘訣は不動産」
(前略)
米経済紙「ブルームバーグ」は2日(現地時間)、グローバル投資銀行「モルガンスタンレー」のブランド品消費報告書を引用し、韓国が世界1位の1人あたりブランド品消費国になったと報道した。
同報告書によると、昨年の韓国人1人あたりのブランド品消費額は325ドルと推算される。世界1位の経済大国である米国人(280ドル)はもちろん、中国人(55ドル)の1人当たり消費額よりはるかに大きい金額だ。全体ブランド品市場に換算すると、韓国の昨年のブランド品市場規模は168億ドルで、前年比24%増加した。
(中略)
COVID-19防疫措置、物価急騰など経済的悪材料が散在したこの数年間、なぜ銘品市場だけが急成長できたのか。ブルームバーグ、モルガンスタンレーなどは「住宅価格」にその原因を見つけた。
これまで暴騰した不動産価格のおかげで住宅所有者の純資産(net worth)が大幅に増加し、おかげで名品をはじめとする贅沢財消費も増えたということだ。
実際、韓国銀行(韓銀)の資料によると、2021年基準で韓国家計の純資産は11%増加した。また、韓国家計の資産構成比をみると不動産は全体資産の76%を占める。不動産価格の行方が韓国人の富を決定付けるほど重要な要因だという意味だ。
急騰した住宅価格は富裕層消費者の名品購買心理を煽るが、皮肉なことに庶民層にもまた名品を買わせるというのがブルームバーグの主張だ。途方もなく高い住宅価格のために、韓国の若者たちが住宅購入を諦め、余裕資産を高価品消費に使ったということだ。
ある30代の韓国人青年は「ブルームバーグ」に「韓国の若い世代は『YOLO*1(人生は一度きり)』をモットーに掲げている。家が高すぎで買うのに貯蓄をする必要があるのか」と反問した。
(後略)
アジア経済「모건스탠리 "한국 명품소비 세계1위 비결은 부동산"(モルガンスタンレー「韓国のブランド品消費世界1位の秘訣は不動産」)」より一部抜粋
まんまバブル期の日本じゃねーか?な印象ですけど。記事後半は不動産市場の低迷と消費心理委縮でブランド品好況は終わるのではないか、な予想が語られています。
純資産は資産で負債を返却した後に残る資産のことを言います。
ただ、ここに一つ落とし穴があって、それは不動産資産は固定資産であって流動資産ではない、ということです。ちょっと言い方を変えると「利益確定されていない」ものです。
本当の富裕層(不動産資産以外の株・債券資産、一定以上の所得)がその範囲内で消費するのなら全く問題ない話なんですが、いわゆる「ヨンクル」たちが「取らぬ狸の皮算用(キムチの汁から先に飲む)」的心理で散財していたのなら、本当に目も当てられないです。
*1:you only live once