日本と韓国の運転事情の話

日本と韓国の自動車事情の違いについてのコラムを紹介します。

ご存知かもしれませんが、韓国の運転はかなり荒いです。どのくらい荒いかはYoutubeなどの動画サイトで検索してもらえれば分かるかと。
一方で、都心部への車のアクセス(駐車場事情や運転代行などのサービス)は韓国の方が優れている点があります。まあ、日本は都心部に住んでいるなら公共交通機関を使った方が便利という事情がありますが...どちらが良いかはどの視点で評価するかで変わるかと思います。

 



韓国日報の記事からです。

大人しく亀の走り...韓国と180度違う日本の道路文化


◇韓国と日本の運転スタイルは異なる。

短期駐在員として日本に来ていた友人が「中古車でも一台用意してみようかな?」というので「しばらく車なしで暮らしてみるのも良いんじゃないか?」とこっそり引き留めた。日本は都市や田舎を問わず道路網がよく整備されている。トヨタ、日産など世界的に認知度の高い自動車メーカーの本場である。日本で自分の車を転がしてみるのも悪くない選択だと思う。それにも関わらず友人を止めたのには訳がある。短い滞在期間中に日本の快適な交通システムを満喫して欲しいという考えもあったが、一方ではソウルの荒々しい競争的な運転スタイルに慣れている友人が、ややもすると日本で「乱暴ドライバー」になりかねないという老婆心もあった。

(中略)

日本のドライバーはせっかちではなく大人しい。都心ではノロノロと亀の運転であり、車線変更も頻繁にしない。ピューっと走るのが好きな韓国のドライバーたちには十中八九もどかしいスタイルだ。また、自動車より歩行者を優先するのが基本マナーだ。狭い裏道では無条件に低速運転し、横断歩道の前では一旦停止する煩わしい規則もよく守る。割り込みをしたり、むやみに割り込む場合も相対的に少ない。

(中略)

最初は日本の歩行者が安全不感症に掛かっていると感じた。韓国の歩行者は横断歩道の前に立っていても自動車に譲られることが珍しいため、自ら周りを見渡し安全を図る姿勢が身についている。しかし日本の歩行者は自動車を警戒しなければならないという意識が弱い。

(中略)

しかし、このような状況が事故に広がるケースは一度も見たことが無い。ほどんとのドライバーが自発的に速度を落とし、歩行者に常に道を譲るからだ。実際、日本では交通事故による死亡率は低い。各国の交通事故による死亡率を比較した2021年経済協力開発機構OECD)資料によると、日本派10万人当たり死亡者が2.4人で44ヵ国中42番目に少なかった。ちなみに同じ資料で韓国は10万万人当たり7.5人でブラジル(16.6人)、米国(13.8人)、コロンビア(12.7人)などよりは少なかったが、44ヵ国の内14番目に交通死亡者が多い国だった。

◇自動車保有に対する認識も負担も違う。

自動車保有に対する認識も韓日間で差がある。韓国では自動車が財力を誇示する贅沢品という認識が根強いようだ。このような認識が高価な外車で財力を誇示する風潮を煽る傾向もあるだろう。しかし、日本で自動車はただ個人の好みと趣向を反映した嗜好品に過ぎない。金持ちであるほど高級車に乗る傾向があるのは事実だが、公共交通機関を愛用する「テクテク族*1」の財力化も居て、逆にひたすら個人の趣味のために高級自動車を所有し、念入りに管理する自動車マニアも多い。

(中略)

では、日本が車で生活するのに良い場所だと言えるだろうか?田舎はそうかもしれないが、少なくとも東京や大阪などの大都市は全くそうではない。道は狭く、迷路のように複雑なうえ駐車スペースは慢性的に不足している。都心の有料駐車場利用者や有料道路交通料は韓国の5~6倍の水準だ。自動車保有と関連した諸費用も韓国よりかなり高い。例えば、日本では駐車スペースを正式に確保しなければ自動車登録が不可能である。駐車場との契約書、駐車場所の所在地の位置と地図などの証拠を提出しなければ自動車ナンバープレートを受け取ることができない。

韓国では集合住宅の入居者に駐車場を自由に利用する権利を与えるのが普通だが、日本ではマンションに入居する場合、駐車場を別途契約して毎月使用料を支払わなければならない。

(中略)

◇安全運転の文化は日本で学ぶべきだ。

日本の大都市に比べると、韓国は自動車生活の利点を満喫できるところだ。四方八方に道路が広く伸びており、都心にも比較的安い公営駐車場がある。レストランなど商業施設で駐車代行サービスも充実しているため飲酒運転の心配も減らした。交通量が多くて道路が渋滞する不便は避けられない、しかし、快適な自動車生活のためのインフラとサービスが充実している。

だとしてもレベルの高い道路文化が定着したようではない。特に過激で荒い運転スタイルのため歩行者は脅威を感じることが多い。スピード違反をしない、横断歩道の近くで速度を落とす、無理に割り込まないなど、安全運転のための規範は韓国でも耳にタコが出来る。しかし、これをよく守るドライバーはほとんど見かけなかった。むしろ交通規則をそのまま守ると、前後が詰まり初心者と誤解される。いつの間にか日本の大人しい運転スタイルに慣れていたため、韓国ドライバーの荒い運転習慣に驚くことが一度や二度ではない。頻繁に車線を変更する曲芸運転に、前の車と維持する車間距離に躊躇なく割り込む。正規速度を守っているのに後ろの車がクラクションを鳴らしたり、脅威的な運転で不満を表す。日本では年に1度会うかどうかの迷惑ドライバーに韓国では毎日のように遭遇する。少なくとも、安全運転の文化という点では韓国が日本に学ぶべきではないだろうか?韓国を始めて訪れた日本人の友人が「ソウルでは車が本当に早く走る」と舌を巻くたびに内心恥ずかしい。



韓国日報「점잖게 거북이 주행…한국과 180도 다른 일본의 도로문화(大人しく亀の走り...韓国と180度違う日本の道路文化)」より一部抜粋

日本でも「名〇屋走り」とか、運転が荒いことで有名な都道府県はありますけどね。

それはともかく、車の運転が荒くなる原因として「身体性の拡張」があります。車体が自分の体の延長のように錯覚することです。いわゆる、「手足のように」というやつです。特に運転に慣れている人ほどなりやすいんだそうです。
身体が大きく、強くなったかのように錯覚することで運転が荒くなったり煽り運転したりしてしまうらしいです。自身の力を誇示しているんですね。
そう考えると「自動車が財力を誇示する」韓国で「力を誇示する(=荒い)」運転になりがちというのは納得いく面があります。

*1:自動車を利用せずに歩く人。