IMF、OECD、ADBなどが今年の韓国の経済成長率を「据え置いた」ために、日本と韓国の今年の経済成長率は逆転すると予測されています。
それについてムンさんが反応しました。ムン・ジェイン政権当時、大統領経済補佐官を務めていた人の著書を紹介する形で、日米韓三角協力は「韓国の得になるのか？」と遠回し（？）に現政権の舵取りを批判しています。
韓国経済の記事からです。記事中に「韓米日同盟」とか「三角同盟」とか出てきますが、原文ママを訳しています。
「今年の成長は日本より劣る」との見通しに...ムン「韓米日同盟のせい」
ムン・ジェイン前大統領が27日、韓国経済の今年の成長率展望値が日本に逆転されるという事実に言及し、ユン・ソンニョル政府が推進する「韓米日三角協力強化」を原因と指摘した。
ムン前大統領はこの日、自身のSNSにキム・ヒョンチョル・ソウル大学国際大学院長が9日に出版した＜日本が来る＞を紹介し「韓米日三角同盟は経済的側面で私たちの得なのか、それとも損が大きいのか？」という題を付けた。
キム院長は日本の経済専門家でムン・ジェイン政府当時、大統領経済補佐官を務めていた。ムン・ジェイン政府の対外経済スローガンである「新南方・新北方政策」などの立案を主導したりもした。
ムン前大統領は「今年の韓国経済は1％台の成長率に止まり日本の経済成長率に劣ると展望される」として「日本より経済成長率が劣るのも国際通貨基金（IMF）危機の時以外では初めての衝撃的なこと」と指摘した。
（中略）
ムン前大統領は「一言でいえば今年の韓日両国の経済状況は『日本の浮上、韓国経済の危機』と言える」とし「この本（日本が来る）は経済の足を引っ張る韓国政治と外交戦略がその原因であることを明らかにしている」と付け加えた。
著者のキム院長は10日に公開された週刊東亜とのインタビューで「韓米日協力が韓国の得にならない理由」について米国と中国間の対立で「戦場」ではなく、日本がプレミアムを得る状況を挙げ「韓国が韓米日で結ばれると韓国まで戦場国家になってディスカウントされ、日本のプレミアムは2倍になる」と説明した。
先だってムン前大統領は先月19日「9・19平壌共同宣言5周年記念式」に参加し、「『安保・経済は保守政府がマシ』との捏造された神話から抜け出すとき」としてムン・ジェイン政府当時の経済成果を褒め称えた。
当時、ムン前大統領は「1人当たり所得がキム・デジュン、ノ・ムヒョン、ムン・ジェイン政府期間に最も大幅に増加した」「ムン・ジェイン政府ではCDSプレミアム指数が最も低く落ちた」「輸出、貿易収支黒字など、ほぼ全ての経済指標が今より良かった」「OECD国家の中で国家負債率増加が最も低い水準だった」などを根拠に挙げた。
すると大統領室など現政府関係者たちは「『汚染された情報』を基盤に主張が出ているのではないかという疑念がある」としてムン前大統領の主張を一蹴した。
（後略）
韓国経済「"올해 성장 일본보다 못해" 전망에…文 "한미일 동맹 탓"（「今年の成長は日本より劣る」との見通しに...ムン「韓米日同盟のせい」）」より一部抜粋
9・19平壌共同宣言5周年記念式への北朝鮮側からの参加者は「ゼロ」です。ムンさんとその奥さん、光州市長、全羅南道知事、京畿道知事、元統一部長官、前外交部長官、大学教授数名などが集まって「平和」について色々討論したそうです。
その場の挨拶でムンさんは「南北軍事合意は南北間の軍事衝突を防ぐ最後の安全ピンの役割」との認識を示しています。北朝鮮参加者は「ゼロ」（大事なことなので）でしたが、相手もそう思ってくれているといいですね（テキトー）。
それはともかく。キム・デジュン政権当時やノ・ムヒョン政権当時の統計の取り方が今と同じなのか分かりませんが（結構コロコロ変わってます）、少なくとも最後の「OECD国家の中で国家負債率増加が最も低い水準だった」は、ムン・ジェイン政府には当てはまらないと思います。逆にとんでもない勢いで増えています。
国家債務の話をするとき、中央政府の負債＋地方政府の負債（D1）、中央政府の負債＋地方政府の負債＋非営利公共機関の負債（D2）、中央政府の負債＋地方政府の負債＋非営利公共機関の負債＋非金融企業の負債（D3）...このうちのどれを使うかで金額は変わります。当然、加算される項目が多くなればなるほど金額も大きくなります。基本的に韓国が「国家債務」と言った時はD1です。（メディアは書いてるときと書いてないときとがあります）
しかし、OECDとIMFは比較にD2を使うのが一般的（レポートにはD1も載ってます）です。ムンさんも「OECD国家」としているので、以下はD2（中央政府負債＋地方政府負債＋非営利公共機関負債）で話を進めます。
2016年当時、つまりムン・ジェイン政府発足直前の韓国のD2は717兆5000億ウォンでした。これが2021年には1066兆2000億ウォンになっています。5年で約350兆ウォン（約48%）増です。「OECD国家の中で国家負債率増加が最も低い水準だった」...？本当ですか？
