Terraform Labsの共同創始者が公文書偽造疑惑でモンテネグロで逮捕された話

テラ-ルナの発行元であったTerraform Labsの共同設立者のクォンさんがモンテネグロで逮捕されました(過去の暴落に関する詳細はこちら)。偽造パスポート使用(公文書偽造)などの疑いだそうです。
一部報道ではクォンさんの凋落を、かつて「女性ジョブズ」と呼ばれたセラノスのエリザベス・ホームズさんに例えるなどしているそうです。

一応、説明しておくとセラノスとは、たった一滴の血液で200以上の疾患を検査できると謳った血液検査会社で企業価値は一時期90億ドルに達していました。信じられないかもしれませんが、セラノスは2012年と2013年は収益ゼロの会社です。2003年の設立から2015年までの累積赤字は5億8500万ドル、そんな会社が90億ドルの企業価値。収益予測とテクノロジーを誇張して投資家を「欺いた」とされるわけです。
詐欺罪で刑事訴追されたエリザベス・ホームズさんには昨年11月に禁固11年の量刑が宣告されました。今年4月17日が出頭期限となっています。

 



聯合ニュースの記事からです。

「暗号通貨の天才から『数十兆さぎ』逃亡者に」...外信、クォン・ドヒョンに照明


「一時期は暗号通貨の天才とたたえられたクォン・ドヒョン(32)は、今や暗号通貨『テラ』の崩壊で投資家に400億ドル(約52兆ウォン)の損害を与えた犯罪者と言う汚名の中で『韓国版詐欺師ホームズ』と非難されている。」

26日、AFP通信は逃走6ヵ月余りで欧州モンテネグロで逮捕された「テラ・ルナ暴落」自体の核心人物クォン・ドヒョンTerraform Labs代表を世界的名声が悪名に変わった自信満々だった起業家として彼の行跡に照明した。

モンテネグロ警察は彼を公文書偽造などの疑いで拘禁し米国は「数十億ドル規模の暗号通貨証券詐欺」の疑惑で彼を起訴し資本市場法違反の疑いで彼を追跡してきた韓国検察は彼の送還を要求している。

AFPは昨年3月までは個人投資家数千人がクォン代表の会社に投資するために列をなして、彼は韓国で「天才」と描写されたが、専門家たちは彼の暗号通貨「テラ」に対して早くもポンジ詐欺(多段階金融詐欺)だと指摘してきたと伝えた。

(中略)

彼が作ったテラUSDは急激な価格変動を防ぐために米ドルのような安全資産に連動させた暗号通貨である「ステーブルコイン」として販売され、姉妹コインのルナとともに一時、時価総額上位圏の暗号通貨に浮上するなど大きな注目を集めた。

しかし専門家たちはクォン代表のモデルには根本的な欠陥があるとかなり前から警告しており、一部はポンジ詐欺だと指摘したりもした。

現金や金のような実物資産と連動した他のステーブルコインとは異なり、テラUSDは姉妹通貨であるルナにだけ数学とインセンティブカニズムを使ったアルゴリズムで繋がっており問題があるということだ。

(中略)

AFPはクォン代表の印象的な上昇と急激な墜落はバイオベンチャーのセラノス創業者エリザベス・ホームズと比較されているとし「クォン代表はまた別のスタンフォード出身であるホームズに似ている」という韓国メディアの報道を伝えた。

(後略)



聯合ニュース「"암호화폐 천재서 '수십조 사기' 도망자로"…외신, 권도형 조명(「暗号通貨の天才から『数十兆さぎ』逃亡者に」...外信、クォン・ドヒョンに照明)」より一部抜粋

テラ-ルナ関連は何度か取り上げてきたので一応の一区切りとして紹介しますが、多分これが最後です。
暗号資産市場に与えた影響としては大きいですけど、日本国内でテラ(ルナ)を取り扱っていたところは無かったはずなので直接的には関連の低い話になりますから。

あ、でも以前に暴落時の被害者20万人のうち約半数の10万人が「ヨンクル」だったという話(こちら)がありました。もし今後、「ヨンクル」絡みで関連記事が出たらまた触れることになるかもしれません。