今年初めて韓国で「引きこもり」の実態調査が行われましたが、なかなか衝撃的な結果が出ています。
先に、3年以上就職活動をせずただ「休んでいる」状態...つまりニートの青年層人口(15歳~29歳)が21万8千人、このうち「家でただ過ごしている」と答えた所謂「引きこもり予備軍」が8万人と集計されていました。
しかし、こんなものはどうやら氷山の一角だったようです。今回の調査では対象年齢が19歳~39歳と少しズレていますが、一気に規模が増えました。「隠遁青年」と定義された人数だけで24万人。支援を得られず社会的に「孤立」している青年層を含めた規模は約51万人と推定されています。
毎日経済の記事からです。
日本の話では無かった...「部屋の隅で独りぼっちの青年」浦項の人口より多い
(前略)
26日、保健福祉部によると孤立・隠遁する青年は全体成年人口の5%に該当する約51万6000人と推算される。政府は孤立・隠遁青年たちの増加する自〇と凶悪犯罪により今年初めて孤立・隠遁青年の規模、孤立・隠遁の切っ掛けなどを把握するための全国単位の実態調査を行った。調査は7月から全国の19~39歳の青年5000人を対象に実施された。
孤立青年は社会的関係・支援が断絶した青年、このうち家や部屋など限定された場所に止まっていれば隠遁青年と定義した。その結果、全体孤立・隠遁青年は約51万6000人、隠遁青年は成年人口の2.4%にあたる約24万7000人と推算された。先だってソウル市は孤立・隠遁状態にあんる満13~39歳の青年が全国に最大61万人という調査を出した。
(後略)
毎日経済「일본 얘기 아니었네…‘방구석 외톨이 청년’ 포항 인구보다 많다(日本の話では無かった...「部屋の隅で独りぼっちの青年」浦項の人口より多い)」より一部抜粋
単純な比較はできませんが、参考までに日本の数字を紹介しておきます。
内閣府の調査によると、2022年度の15~39歳の広義の引きこもりは2.05%。
2022年に統計庁が発表した日本の15~39歳人口は約3076万人です。引きこもり率2.05%を人数に換算すると約63万人になります。
※日本の調査では引きこもりを4段階に区別します。1.普段は家にいるが趣味のためには外出する、2.コンビニ程度は外出する、3.自室からは出るが家からは出ない、4.自室から出ない…このうち1が「準ひきこもり」、2~4を「狭義の引きこもり」に分類。それらをひっくるめて「広義の引きこもり」と定義しています。
韓国の調査対象は19~39歳となっていますが、日本は15~39歳と対象年齢の幅が異なる点と、恐らく定義も多少異なる点は留意ください。(ちなみにですが、日本の19~39歳の人口は2748万人。単純にそのまま2.05%で換算すると約56万人となります)
記事で言う「隠遁青年」=「引きこもり」であるのなら、人口比は韓国2.4%、日本2.05%ですので似たようなものです。
しかし、日本が割とライトな「準ひきこもり」も対象に入れた「広義のひきこもり」の数字なのに対し、韓国は「限定された場所に止まっていれば」というザックリ過ぎる括りに感じます。
また、社会的関係・支援が断絶した状態であるけれども隠遁青年に含まれない人たちというのがどういう状態に置かれているのか、正直記事からだけだと上手くイメージが出来ませんでした。
この人たちが日本の引きこもりカテゴライズ4段階に含まれているのか、いないのかで日本の「約63万人」と韓国の「51万6000人」の規模感のインパクトが変わってくるように思います。