北朝鮮の衛生打ち上げを受けて韓国政府は、ムン・ジェイン政権当時に結ばれた9・19軍事合意の一部(1条3項:軍事境界線上空に飛行機・偵察機・ヘリコプター・無人機等の飛行禁止区域を設定した内容)効力停止を発表していました。
しかし北朝鮮は23日に、今度はこの韓国政府の対応を口実に9・19軍事合意の「全面破棄」を宣言しました。
破棄は出来ずに「一部効力停止」で妥協していた韓国としては、これは渡りに船だったのか足元をすくわれたのか、微妙なところです。
どちらにせよ北朝鮮はGP(監視所)復元に動いており、緊張感が増しています。
アジア経済の記事からです。
[ヤン・ナクギュのDefence Club]軍「GP復元即時対応」...南北緊張の高まり
(前略)
韓国軍が公開した写真を見ると、北韓軍は非武装地帯(DMZ)内のGPに兵力と装備を再び投入し、監視所を設置していることが確認された。監視装備で撮影した写真には▲北韓軍兵力が監視所を設置する場面▲陣地に無反動銃と見られる重火器を配置する場面▲兵力が夜間警戒勤務に立つ場面などが盛り込まれた。GP復元のほか、黄海海岸砲の開放も増えた。軍は「(1ヵ所あたり)一桁から二桁に手配された」と説明した。
(中略)
軍内外では30日、韓国軍が「425事業」と呼ばれる軍独自の偵察衛星「1号機」を打ち上げる予定だ。同日前後に北韓が挑発する恐れがあるという懸念が提起されている。韓国の偵察衛星はテスラのイーロン・マスク最高経営責任者が設立したスペースXの「ファルコン9」ロケットに乗せられて宇宙に向かう計画だ。軍当局は独自の偵察衛星を通じで0.3~0.5メートルの解像度で北韓の主要軍事施設を覗き見ることができる。
(中略)
一方、北韓は先週発射した軍事偵察衛星「万里景1号」が米ホワイトハウスとペンタゴン(国防総省)などを撮影したと朝鮮中央通信を通じて主張した。北韓は「米ホワイトハウス、ペンタゴンなど衛星撮影…金正恩氏に報告」北韓は21日夜に発射された偵察衛星が韓半島はもちろん、米国領グアムやハワイなど韓国と米国の主要軍事基地を撮影したと主張し続けているが、衛星写真は公開していない。
アジア経済「[양낙규의 Defence Club]軍 "GP복원 즉각 대응"…남북 긴장 고조([ヤン・ナクギュのDefence Club]軍「GP復元即時対応」...南北緊張の高まり)」より一部抜粋
衛星写真を公開すると偵察能力精度が丸わかりですから公開することはしないでしょう。
しかし嫌な感じです。ロシア‐ウクライナ、イスラエル‐パレスチナなど、膠着状態だったところで小競り合いと言うには激しすぎる衝突が起きている昨今、何が起こってもおかしくないと考えておかなければいけないかもしれません。