韓国自営業者の貸出平均金利は5%以上という話

今月上旬に、韓国の自営業者の延滞率も急騰しているという記事を紹介しました。
その記事の中で、昨年末時点における自営業者の全金融機関を対象とした債務は1119兆8千億ウォンと集計されています。
今回出てきたデータは銀行圏に限定されたものですが、 自営業者の貸出金利の平均が5%を超えている、というものです。5%未満の金利が適用されている融資は全体の20%程度とのこと。
要するに、8割近くが金利上昇時に貸し出しを受けたケースということかと思われます。

 



韓国経済の記事からです。

「借金を返すお金がない」...自営業者の貸出爆弾危機「超非常事態」


(前略)

29日、銀行連合会の公示によると国民、新韓、ハナ、ウリ、農協など5大銀行が3ヵ月(2~4月)に扱った個人事業者物的担保貸出平均金利年5.33~5.53%と集計された。年5%未満の金利を適用された融資は20%水準に留まった。

(中略)

個人事業者の貸出金利の下落傾向が遅いのは、景気低迷などで借主の償還能力が悪くなったためと分析される。コロナ19に続き、高物価など市場低迷期が続き、減った事業売上げが借主の信用度を引き下げたという分析だ。高金利にともなう不動産景気悪化で貸出の担保資産価値が落ちたことも原因になった。

(中略)

資金難に苦しむ自営業者への貸出額も歴代最大値を更新し、貸し出し不良管理が今年下半期の銀行圏主要課題になるだろうという観測が出ている。5大銀行の個人事業者向け融資残高は、昨年初めて300兆ウォンを超えたのに続き、今月25日に314兆6452億ウォンで関連統計を集計した2015年以降最大を記録した。

個人事業者貸出比重が高い卸・小売り業と宿泊・飲食業を中心に延滞額が増えたのも危険要因に挙げられる。5大銀行の産業別延滞貸出現況によると、昨年の卸・小売業貸出延滞額(1ヵ月以上延滞)は3757億ウォンで前年対比63.7%急増した。不良債権も2021年に2834億ウォンから昨年は3480億ウォンへと22.3%増えた。同期間、宿泊・飲食業種の延滞額も1698億ウォンで62.5%増加した。償還余力が落ちた自営業者の借主が続出すると、5大銀行の全体個人事業者貸出延滞額は昨年基準で約7291億ウォンで、2021年末(5072億ウォン)より43.8%増えた。

金融界では下半期に行くほど自営業貸出リスクが大きくなると見ている。コロナ以後、5回も延長した自営業者の元利金償還猶予支援終了時点が近付くためだ。自営業者が貸出元利金と利子を一緒に返済しなければならない場合、これまで隠されていた不良債権が発生しかねないという憂慮が多い。

(後略)



韓国経済「"빚 갚을 돈이 없다"…자영업자 대출 폭탄 위기 '초비상'(「借金を返すお金がない」...自営業者の貸出爆弾危機「超非常事態」)」より一部抜粋

金利上昇時に不利を承知で貸し出し・借り換えを受けないといけない自営業者がそれだけ居たということでしょう。
怖いのは、これが「銀行圏」だけの話という点です。コロナ禍の3年間でノンバンクからの貸出は2.3倍に急増しています。
ノンバンクから借りる層は銀行圏からは「借りられない」層である可能性が高く、より延滞リスクが高くなると思われます。

記事へのコメントは82件。反応は「良い情報:6 興味深い:2 非常に共感:13 良い分析:2 続報期待:3」です。

「自営業者の新規参入が容易で貸出や支援が多数あるため徹底した計画と準備なしに簡単に参入できます。自営業は競争構造がさらに深刻化した状態で、いざオープンしても長続きせず、あれこれ追加費用に困難を来して融資を増やし、大多数が借金だけ増やしていくのが大韓民国自営業者の現実です。自営業者の生存率を見ると、固定費用と運営費用の税金を除けば10人中1~2人は普通のサラリーマン水準であり、2~3人は現状維持に忙しく、残りの5~6人は赤字と貸出で持ちこたえ、結局1~2年以内に廃業します」(共感75 非共感0)

「自営業者が大変なほど銀行は利子が増える」(共感41 非共感4)

「コロナ支援金はちゃんと受け取っていたのに」(共感32 非共感10)

「100%爆発するよ...自営業者の口から借金を返したらバカだって~政府が全部返してくれるとうわ言を言っているのに~誰が倒れていくのか見守るしかないね~でもその通り~借金が怖いのは知っておくべきだよ~世界で一番怖いのが借金だよ~」(共感9 非共感2)