「独島問題などの領土紛争も進行中」...韓国国防部が4千万ウォン掛けて製作した教材に記述されていた話

韓国国防部が作成した教材で竹島を「領土紛争」の認識で記述していたことが分かり、波紋を呼んでいます。

 



JTBCの記事からです。

「独島は紛争地域」国防部の教材、すでに4千万ウォンをかけて2万部印刷


独島を「領土紛争地域」と記述した国防部の「精神戦力教育基本教材」がすでに血税4千万ウォンをかけて2万部が印刷されていることが確認されました。

その教材は中国やロシア、日本などの周辺大国について言及し「自国の利益のために軍事力を海外に投射したり魚釣り島(日本名:尖閣諸島)、クリル列島、独島問題などの領土紛争も進行中であり、いつでも軍事的衝突が発生する可能性がある」と記述しました。

教材に盛り込まれた韓半島の地図中の独島も抜けています。

(中略)

精神戦力教育教材は過去の朴正煕、全斗煥など権威主義政府の誤りを縮小して記述したという批判もやはり受けています。

軍事クーデターを起こした権威主義政府を「北韓が起こした6・25戦争と続く軍事的挑発で反共意識が強化され、政府主導の経済成長を進める過程で一部の過ちも発生した」という表現で縮約記述しました。

歴代大統領の中で李承晩元大統領だけを美化して記録したという批判も受けます。

教材は李承晩元大統領を「慧眼と政治的決断で共産主義の拡散を防いだ指導者「と表現しました。

一方、漢江橋爆破支持、3・15不正選挙や四捨五入改憲などの過ちについては言及しませんでした。

(中略 ※前回2019年の発行時は教授や学者が主筆だったが、今回は軍人、軍務員を中心に執筆された件に触れ)

キム・スグァン国防部政策企画官(陸軍少将)やキム・ソング国防部政策企画次長(陸軍准将)をはじめ、中尉から大佐まで現役軍人や軍務員など10名が名を連ねています。

上命下服構造の軍の特性上、批判的な内部討論が行われていないのではないか、という指摘が出ている理由です。



JTBC「"독도는 분쟁지역" 국방부 교재, 이미 4천만 원 들여 2만 부 찍었다(「独島は紛争地域」国防部の教材、すでに4千万ウォンをかけて2万部印刷)」より一部抜粋

「精神戦力教育基本教材」という名称が絶妙にキモチワルイな、と。

それはともかく、「自国の利益のために軍事力を海外に投射」...竹島に対してかつて韓国がやったことですけどね。

李承晩さんの記述で漢江橋爆破指示は、北朝鮮の南侵のときに北朝鮮軍を足止めするために(一般人が避難中にも関わらず)爆破を指示した件です。
四捨五入改憲は、李承晩さんが「永世大統領」となるための憲法改正のことです。当時の在籍国会議員203名のうち3分の2にあたる135.333...人の賛成が必要でした。が、賛成は135票だったため否決でした。しかしその2日後、0.333...を四捨五入して改憲案が可決とされたのです。


記事は原因を「上下関係の厳しい軍人が主筆したから(間違いを)指摘できなかったのではないか」と見ていますが、私は逆だと思っています。軍人だからこそ名分や建前ではなく、現実的な見方を示したのだろうと思います。