サムスン製HBM、発熱と消費電力の問題でNVIDIAのテストに不合格(?)という話

ロイター通信の報道によると、サムスン電子NVIDIAに納品予定だったHBM(広帯域幅メモリ)がテストで不合格だったということです。発熱と消費電力などが問題になったとされています。
韓国メディアがよく言う「超技術格差」の代表格とも言えるHBM関連の話ですから、サムスンもすぐ火消しに動いています。「多様なグローバルパートナーとHBM供給のためのテスト順調に進行中」という、よく分からない立場表明ですが。

 



KBSの記事からです。

サムスン電子、また発熱悪夢?HBMテスト報道に緊急対応


サムスン電子が米国半導体業者NVIDIAに新型広帯域幅モリー、HBMを納品しようとする中で、ロイター通信がサムスン電子がまだテストを通過していないと報道しました。

ロイターは匿名の消息筋の話として、発熱と電力消費などが問題になったと指摘しました。

また、現在人工知能AI用グラフィック処理装置、GPUに主力として使われる第4世代HBM3をはじめ、第5世代HBM3Eにこのような問題があると伝えました。

ロイターは続いて指摘された問題を簡単に修正できるかはまだ明確ではないとし、サムスン電子がHBM分野でライバル会社であるSKハイニックスなどにさらに遅れを取る恐れがあるという憂慮が出ていると伝えました。

過去、ギャラクシーS22発熱論難に苦しめられたサムスン電子は今日(24日)緊急立場文を出し「多様なグローバルパートナーとHBM供給のためのテストを順調に進行中」とし線を引きました。

サムスン電子は「持続的な品質改善と信頼性強化のために努力しており、これを通じて顧客に最上のソリューションを提供する予定」と付け加えました。

(後略)



KBS「삼성전자 또 발열 악몽?…HBM 테스트 보도에 긴급 대응 [지금뉴스] (サムスン電子、また発熱悪夢?HBMテスト報道に緊急対応)」より一部抜粋

この報道を受けてか、サムスンの株は約2%ほど下落しています。

HBM関連は、もともとSKハイニックスが先行企業で、サムスンは後発組です。 2019年でしたか...ちょっとはっきりしませんが、数年前に関連チームを一度解体しています。それを、今年に入って慌ててタスクフォースを組織し、競争力回復に注力しているという経緯があります。
いわば突貫工事なわけで、色々と問題が出てくるのは想定の範囲内でしょう。

ところで、この報道が出る直前サムスン電子半導体部門のトップを交代させています。もしかしたらサムスンの焦りが人事に反映されたのかもしれませんね。

ちなみにメリット証券の集計によると、今年第1四半期のHBM市場シェアはSKハイニックスが59%サムスン電子が37%となっています。
NVIDIAもSKハイニックスへの依存度を減らすというメリットがあってサムスン製を採用する動きに積極的なのだと思うのですが、もう一歩引いたところから見ると韓国依存は解消されていませんので、もしかしたらマイクロなど第三者サムスンよりも先にテストに合格する可能性もなきにしもあらずといったところでしょうか。