トランプさん再選濃厚でバタバタしはじめた韓国の話

米大統領選、日本時間の午後過ぎには激戦州でトランプさん優勢と伝わり始め、ドルが急騰しました。
記事を書いている現時点で既にトランプさん再選濃厚(※当選に必要な得票数270のうちトランプさん267、ハリスさん224獲得)となり、各メディア第2期トランプ政権についての予測や懸念点をアレコレ出し始めています。

 



電子新聞の記事からです。

【米トランプ時代】トランプ2期、さらに強力な自国保護・関税爆弾が来る...産業界「赤信号」


(前略)

トランプ政権の2期目には、自国中心主義と対中基調が現在より堅固になるという見通しが出ている。

(中略)

トランプ氏は10%の普遍関税と60%の対中関税などを公約に掲げ、過去よりさらに強力な措置を予告した。「デカップリング(de-coupling)」公約を通じて全産業で全方位的に中国との交易関係を縮小·断絶することを公言した。米国の保護貿易措置の大部分が中国を対象にしているが、韓国企業も予想できなかった影響に留意しなければならない状況だ。中国は韓国の最大交易国で、米国の牽制で中国完成品の対米輸出が減れば、中国に中間財を輸出する韓国も大きな影響を受ける。

(中略)

まず、バッテリー業界は親内燃機関性向のトランプ元大統領が当選し、打撃が予想され、対米輸出と貿易収支黒字規模の縮小が懸念される。バイデン政府の親環境·脱炭素転換政策「インフレーション削減法(IRA)」にともなう「生産税額控除(AMPC)」も北米投資を操り上げた要因だったが、トランプ当選者がIRA廃止に言及しただけに代案準備が至急になった。ただし、ミシガン・オハイオジョージアアリゾナテネシーインディアナ・ケンタッキーなどバッテリー工場が密集した共和党戦略地域でIRA維持を希望する声があり、IRA全面廃棄は難しいという観測も出ている。

(中略)

半導体産業の場合、トランプ第2期政府で米国主導の国際半導体分業構造の変化基調が大きく変わらず、中国企業を対象にした輸出統制水準や範囲が大きくなるだろうという見方が出ている。韓国企業の反射利益が期待できるが、半導体支援法の補助金や税額控除の恩恵が縮小される可能性があるという不確実性はある。ただし、半導体産業では米国の対中国牽制で韓国が反射利益を得ることができるという観測もある。

(中略)

鉄鋼産業も否定的な影響が予想される分野だ。 脱中国化で米国市場への参入自体にブレーキがかかり、米国内の生産競争力の向上で輸入規模が減る可能性があるためだ。

(中略)

アン・ゴンヒョン京畿大貿易学科教授「トランプは大統領である前にビジネスマンという点を肝に銘じなければならない。徹底的にビジネスマインドで交渉に臨まなければならない」とし「ややもすると、これまで韓国企業が米国に投資した数十兆ウォンが空中に飛ばされかねない。産業別民官協議会が一堂に会して討論し、誰に会ってどんなことを交渉するか急いで準備しなければならない」と強調した。



電子新聞「[美 트럼프 시대]트럼프 2기, 더 강력한 자국보호·관세폭탄 온다…산업계 '빨간불'(【米トランプ時代】トランプ2期、さらに強力な自国保護・関税爆弾が来る...産業界「赤信号」)」より一部抜粋

一時期、韓国でも「脱中国」の必要性を説くコラムや記事がチラホラ出ることがありました。
でもそれもしばらく見かけていません。ノド元過ぎればなんとやら...韓国では「トイレに行くまでの気持ちと出て来るときの気持ちは違う(똥 누러 갈 적 마음 다르고 올 적 마음 다르다)」なんて言い方があるそうです。自分が切羽詰まっているときの気持ちと、やるべきことをやった後の気持ちは違うということらしいです。

ただ、今回に限っては「やるべきこと(中国への依存度↓)をやってません。十分時間はあったのに。
もしかしたら、勝手に「ハリスさんで決まり」と考えていたのかもしれません。ハリスさんなら中国への依存度が高いままでもOKというわけでは無いと思いますが...一極集中が得意でリスク分散が出来ない人たちですから、自分たちの理屈だけで「このくらいなら大丈夫」「親米の立場を取っているから大丈夫」と、勝手にハードルを上げ下げしてしまうんでしょう。


余談ですけど、トランプさんになって私はちょっとホっとした点があります。仮想通貨市場ではトランプさんなら追い風になる可能性が高く、ハリスさんになったら真逆で最悪ビットコイン以外は上場廃止に追い込まれるかもしれない…と、かなりピリピリムードが漂ってまして。無用の混乱が避けられたという点では良かったように思います。