サムスン電子の第3四半期の実績は発表されました。市場のコンセンサスは営業利益が10兆7717億ウォンでしたが、結果は9兆1000億ウォンと及ばず。元々は13兆5441億ウォンでした。しかし1ヵ月前に下方修正されて10兆7717億ウォンになりました。それにさえ届かなかったということです。
前年同期比では274.49%という驚異的な数字を叩き出していますけれども、これは去年が悪すぎたということですから考慮されず。株価は外国人と機関が売りに回り、個人が買い支えるといういつもの展開となりました。
ヘラルド経済の記事からです。
サムスン電子の「アーニングショック」で崩壊した2600...外国人、再び3800億ウォンを売って去った
コスピ指数が8日に発表された時価総額1位のサムスン電子の第3四半期の「アーニングショック(実績衝撃)」の影響で弱含みを見せ、2600ポイント台を奪われた。
同日、韓国取引所によると、コスピ指数は前取引日対比16.02ポイント(0.61%)下がった2594.36で取引を終えた。
(中略)
サムスン電子は今年第3四半期の営業利益が昨年同期より274.49%増加した9兆1000億ウォン、売上が17.21%増えた79兆ウォンと暫定集計されたと公示した。営業利益はすでに一度下げたコンセンサス(市場平均展望値)さえ下回った。
サムスン電子の終値は1.15%下がった6万300ウォンを記録した。外国人と機関の同伴売りに取引中「5万電子(59900ウォン)」にタッチしたりもした。
外国人と機関はこの日、サムスン電子を最も多く売却し、個人がこの物量を抱え込んだ。外国人は先月3日以降、21取引日連続でサムスン電子を売り越している。
NVIDIAの株価上昇にもSKハイニックス(-3.73%)、ハンミ半導体(-3.07%)など高帯域幅メモリー(HBM)関連株は一斉に下落した。
(後略)
ヘラルド経済「삼성전자 ‘어닝쇼크’에 무너진 2600피…外人 또 3800억 팔고 떠났다 [투자360](サムスン電子の「アーニングショック」で崩壊した2600...外国人、再び3800億ウォンを売って去った)」より一部抜粋
メモリ半導体に冬が来るかどうかはともかく、すくなくとも第3四半期の営業実績について言えば、サムスン電子は市場の期待に届いていないわけですから、株価目標の下方修正は正しかったことになりますかね。
引用記事には載っていませんが、サムスン電子の説明では「予想より主要顧客の動きが遅れている」というようなことを言っています。多分、NVIDIAのHBM(高帯域メモリ)の基準クリアの承認が出ていない件についてだと思います。
サムスンの株価が本格的に反騰するためにはHBMで成果を出す必要があるとの見方が強い一方で、現行のHBM3E(HBMの第5世代)市場はSKハイニックスが高い競争力を保持しているため、サムスンに付け入るスキはないのでは…との指摘があります。サムスンにチャンスが生まれるとすれば、2026年に製品化される次世代のHBM4ではないか、と。
ただしSKハイニックスも黙って見ているわけではありません。サムスンの「2025年にHBM4の開発完了、2026年に製品化」との計画を受けて動きを活発にしています。過去、2年サイクルだった開発を1年に短縮し、HBM4の製品化を2025年に、HBM4Eの製品化を2026年にするとの開発スケジュールを今年5月のフォーラムで発表しています。
もしかしたらサムスンの本当の勝負所はファウンドリ事業でTSMCに追いつくために2nm以下に注力することではなく、ここかもしれません。