サムスンの年間営業利益(暫定値)が15年ぶりに10兆ウォンを割り込んだ話

サムスンの昨年の年間営業利益の暫定集計が出ました。
6兆5400億ウォン(暫定値)です。
昨年、恒例の成果報酬が大幅カット(事業所によっては「0」)だったことから業績が悪いことは誰でも予想出来ていたことと思いますが、10兆ウォン(約1兆1千億円)を下回ったには15年ぶりとのことです。

 



ハンギョレの記事からです。

半導体寒波」に見舞われたサムスン電子、15年ぶりの最悪の成績表...第4四半期もアーニングショック


(前略)

サムスン電子は9日、連結基準で昨年1年間の営業利益が6兆5400億ウォンで、前年より84.92%減少と暫定集計されたと公示した。売上は258兆1600億ウォンで前年比14.58%減少した。

(中略)

昨年第4四半期だけ見れば営業利益は2兆8千億ウォンで前年同期比35.03%減少した。売上も67兆ウォンで4.91%減少した。サムスン電子の営業利益は昨年第1四半期に6千億ウォン台まで下がったが、第3四半期(2兆4400億ウォン)から回復傾向にあった。

(中略)

サムスン電子はこの日、事業部門別実績は公開しなかったが、主力である半導体部門(DS)の収益改善が予想より遅いと証券街は見ている。半導体部門の営業損失は昨年第3四半期までに12兆6900億ウォンに達し、昨年第4四半期にも1~2兆ウォンの赤字を出したものと観測される。年間赤字は14兆ウォン前後と推算される。

(中略)

半導体市況は昨年下半期から減産効果が可視化し、過剰在庫が緩和され底を打って反騰する傾向だ。メモリ出荷量が増え、平均販売単価(ASP)が上昇し、赤字幅が減ってはいるが、需要回復傾向がそれほど強くは無いというのが問題だ。これと関連してサムスン電子は「メモリ分野は顧客会社の在庫が正常化し、需要が改善される中で先端製品需要に積極的に対応し、前四半期より実績が改善された。システム半導体は需要回復が遅く、ファウンド稼働率改善が不十分で実績不振が続いた」と説明した。

(中略)

今年は半導体価格の上昇傾向が明確になり、業況回復にもう少し速度が出るだろうという観測が出ている。半導体市場調査会社のDRAMエクスチェンジの集計を見ると、DRAMとNANDの固定取引価格は昨年10月から3ヵ月連続上昇した。リュ・ヨンホNH投資証券研究員は「PCとモバイルの一部顧客会社の新製品発売と在庫蓄積需要が相まって半導体需給が改善されている」として「前方産業の需要回復で稼働率が改善されれば、下半期には本格的な実績改善がなされるだろう」と見通した。証券街で提示したサムスン電子の今年の年間営業利益推定値は35兆ウォン前後だ。



ハンギョレ「‘반도체 한파’ 덮친 삼성전자, 15년만에 최악 성적표…4분기도 어닝 쇼크(「半導体寒波」に見舞われたサムスン電子、15年ぶりの最悪の成績表...第4四半期もアーニングショック)」より一部抜粋

同日に韓国銀行が昨年11月の国際収支報告を出しているのですが、そちらは7ヵ月連続の黒字となっています。
一部報道によると半導体が10.8%回復しているそうです。また、半導体は12月にも19.1%だったそうで、これを「回復傾向」と見ています。(あくまで前年同月比率です。実際の物量がどのくらい回復しているのかは分かりません)
この流れが今年本格化することで、自ずとサムスンの業績も回復するだろうと、そう見ているわけですね。

しかし、それって良いことなんでしょうか?
短期的には原状回復で良いのかもしれませんが、長期的にはまた同じことが起こるのでは?と思えます。