2年前に韓国で行われたセマングム・ジャンボリーを記憶でしょうか？
最初に問題になったのはトイレ施設でした。それから水不足や入浴施設問題（女子の更衣室に男性が立ち入った件）熱中症多発問題など、次から次へと持ち上がり、一部の参加国チームは予定を切り上げ自力で準備した宿泊施設に非難するなど、惨憺たる結果となりました。
それから1年8ヵ月、監査報告書が提出されました。曰く、「予見された失敗」であったとのこと。
毎日経済の記事からです。
不適合用地選定・虚偽報告…セマングム・ジャンボリー「予見された失敗」
（前略）
監査院は10日「セマングム世界スカウトジャンボリー推進実態」監査報告書を通じて準備・運営機構である組織委員会、主務部署であり監督機関である女性家族部、誘致地方自治体である全羅北道と用地埋立を担当した農林畜産食品部などの総体的業務処理不良でジャンボリーが跛行を起こしたと明らかにした。
まず、監査院は当初、組織委がジャンボリー行事を開催するほどの力量が足りなかったと診断した。まず、国際大会の専門性が足りない女性家族部の退職公務員を組織委の事務総長に選任したことを問題に挙げた。また組織委の設立からセマングム・ジャンボリーの開催まで、組織委の勤務人員159人のうち、国際行事の準備経験のある職員はわずか10人（6.3%）に過ぎないことが分かった。
（中略）
セマングム・ジャンボリーを事前準備する過程でずさんな点検と虚偽報告も事態を大きくした。組織委は女性家族部に施設設置日程を実際より早く報告したり設置が完了したかのように虚偽で報告した。組織委員会を監督しなければならない女性家族部は、さらに組織委員会でトイレ・シャワー場の未設置事実の報告を受け、現場点検で医療・事務機器など施設が設置されていない事実を確認しても「施設設置が完了した」と国務会議に虚偽報告した。
（中略）
開催地選定の過程でも問題があった。当初、全羅北道はジャンボリー用地開発完了時点が2019年から2022年に遅れたにもかかわらず「過去の開発計画を根拠にキャンプ地開発と施設設置が完了する」として行事誘致を申請した。日陰として使えるようにポプラの木10万本を植えるという開催計画書も提出したが、干潟だったところにポプラの木を植えることが可能かどうか検討すらされなかったことが分かった。セマングム用地がキャンプに適しているかどうか、諸条件の検討なしに現場を目だけで見て候補地に選定した事実も明らかになった。
現場の対応も総体的な難局だった。早くイベント会場に進入した隊員たちが猛暑で熱中症を訴えて倒れたが正式なイベント期間ではないという理由で脱力を防ぐための塩を支給しなかった。組織委はまた、氷の購買予算1億8000万ウォンを確保したにもかかわらず、組織委事務総長の指示で氷の購買を中断した。
（中略）
この他に農食品部は農地管理金使用が不可能な「観光・レジャー用地」ジャンボリー用地の埋め立てに基金を投入し、この問題解決のために用地用途を留保用地に切り替えた後、再び観光・レジャー用地に切り替えることにした事実が明らかになった。宿営施設の賃借、過程活動プログラムの運営など各種契約過程で関連規定に違反したり、特定業者に仕事を集中して特恵を与える不法行為も多数発覚した。
（中略）
女性家族部は8月に仁川で開かれる「APEC女性経済会議」を総括する。 ただ、監査院から懲戒要求を受けた該当局長が、今回の行事を担当する企画調整室に所属していることが分かり、議論になる見通しだ。
（後略）
毎日経済「부적합 용지 선정·허위 보고 … 새만금 잼버리 '예견된 실패'（不適合用地選定・虚偽報告…セマングム・ジャンボリー「予見された失敗」）」より一部抜粋
もうさ、これは国際イベント実施の力量云々の話じゃないと思うんですよ。
彼らの目的は「誘致」そのものであって、イベントの「実施」及び「成功」は二の次、三の次どころか、どうでも良いんです。
だって、誘致さえすれば予算が付くんですから。そこから自分たちの身内に配る分をいかに多く確保するかが一番の関心事なんでしょう。
