過激発言の多い韓国与党議員の日本メディア向け懇談会の話

現・韓国与党「共に民主党」の議員で、日本経済侵略委員会委員長チェ・ジェソン(崔宰誠)氏が、日本メディア向けの懇談会を開きました。
共同通信、朝日、毎日、NHKなどが参加したそうです。

このチェ某という人は以前、「日本に五輪開催資格はない」や「日本旅行禁止区域に東京を検討」といった、かなり過激な発言をした人です。
今回も五輪について触れていますが、メインは輸出問題と不買運動についてです。更に、日本メディアの報道にも注文を付けています。
「懇談会」と銘打っていますけれど、かなり強い口調を使ったようでどっちかというと「説教がしたかった」ような印象を受けました。


記事の概要です。(ソースはニュース1)

  • 日本経済侵略対策特別委員長が「日本のマスコミは、安倍政府の二重姿勢に決して沈黙してはいけない」と促した。
  • 「日本の輸出規制の被害は、日本へブーメランとなって戻るだろう」
  • 「日本は戦略物資統制不良国家だ」
    「(韓国による)輸出規制は当然で、対象は化粧品などの贅沢品を除く全商品であり、半導体などの戦略物資が含まれている措置」
  • 「日本の貿易黒字額のうち、素材部品分野が56.5%を占めており、これを規制している」
    「韓国への輸出に依存してきた日本の中小企業が、私たちの代わりを見つけるまで、あまり日が残っていない」
  • 「私たち国民は賢明にして『ノー・ジャパン』ではなく『ノー・安倍』 だ」
  • 不買運動は国民が必然的に選択した国民運動」
    「大統領や市場、道知事が最初にボイコットを先導したことはない」
  • 不当な経済報復を開始した日本側で、なぜ韓国政府や自治体がWTO規定に反する不買運動を扇動するのか、という問題提起するとは全く笑止千万なことだ」と批判した。


「安倍政権の二重姿勢」という表現、よく見かけます。慰安婦問題などでも見かけますが、何と何をもって「二重」としているのかがよく分かりません。
「二重」というからには、相反する矛盾した状態であるのでしょうけれど、具体的なことに言及する記事が無いのです。

私からすると、日本の輸出管理強化に対して不買運動で対抗して「売らないなら買わないぞ」と言う方がよっぽど矛盾した主張なんですけどね。
「国民が自主的にやっていること」だから関係ないんですっけ?


日本を「戦略物資統制不良国家」と呼ぶのは、国連の報告書の件ですね。(関連記事
全てチェックしたわけではありませんが、この件で明らかなのは写真に写っているクレーンなどが「日本製」であることだけです。
日本から輸出されたものとは特定されていません。最悪、日本→韓国→北朝鮮…なんていう可能性もあります。


「ノー・ジャパン」じゃなくて「ノー・安倍」…それが何故、日本製品不買や日本旅行禁止に繋がるのか分かりません。
安倍さんが日本の製造業のトップなのでしょうか?日本国の所有者なのでしょうか?
単に攻めやすいところに八つ当たりしているだけで、問題が下火になってからも禍根を残す悪手です。

こういう発想には前近代的なものを感じます。
すなわち、「国家(国土)は君主の所有物」・「国体思想((国を一つの有機体である人体に見立てる考え方。最も重要な「頭」を君主と見なす。)」というようなもので、国全体のありようを「一人の人間の(ありよう)」に押し付けて解釈しようとする幻想のように思えます。


慰安婦問題にしても、徴用工訴訟にしても「市民団体」あるいは「国民」が自主的に行ったことに対して韓国政府は「手出しできない」戦法が十八番です。
説明責任を完全に放棄していると見なせます。


それはともかく、「ノー・安倍」を韓国国民が自主的に主張するっておかしな状況です。
よその国の首相を弾劾するつもりでしょうか?
ちょっと騒げば辞任する一企業の会長くらいに考えているのでしょうか?
韓国での日本製品不買運動にそれほどの力がある、と?


「笑止千万」、かなり強い言葉です。いくつかのソース記事では書かれていませんでしたが、ニュース1には載っています。
ただし、訳しても意味が通る文にならなかったので(誤字?)、ここだけハンギョレさんの記事を参考にさせてもらいました。

どうも共同通信の記者が質問で、ソウル市中央区庁が日本事務製品の撤去を行ったことに触れ「不買運動について市民は思ったより冷静に行動しているが、与党や政府が反日感情を煽っているとの批判がある」と投げたことに対する返答の一部として出てきたようです。

韓国人の考え方がよく分かる一文になっています。
相手が規定違反を犯したのであれば、こちらも規定違反を犯して報復しても良い、という考え方です。
日本では、例え相手が悪くとも「規定を破った時点」でこちらにも道理がなくなると考えるのですが、そうではないんですね。
道理がなくなるのは「先に破った方」だけで、対抗するために「已む無く」は温情の対象になるのです。


一時見合わされていた韓国の日本に対する輸出規制が9月に始まる見通しのようです。
韓国側は日本の貿易黒字に占める素材の割合が多いのだから、日本側の輸出規制は日本自身の首を占める、と息巻いていますがどうでしょうね。
実際問題として、貿易依存度が日本と韓国では全く違います。日本の中小企業が「韓国に依存している」というのは正確ではありません。

韓国から日本に入ってきている戦略物資については、何がどの程度なのか折を見て調べてみようとは思っています。


ところで先日、輸出許可申請が一件出たそうですが、これだけ散々騒いでおいて、何食わぬ顔で日本からの輸出許可が出続けたら韓国さんはどうするのでしょう?
私は余程出ない限り、申請は通るのではないかと思っているのですが…。ドヤ顔で勝利宣言されてしまう事態は避けるべきだろうと思います。