【朝鮮日報社説】「「知らなかった」「怒っていた」実に恥知らずな振る舞いの数々」の話

朝鮮日報日本語版から社説が消えて、そろそろ2ヶ月近く経つでしょうか。
原版の反ムン・ジェイン政権の論調は相変わらずです。

朝鮮日報の社説から「【社説】「知らなかった」「怒っていた」実に恥知らずな振る舞いの数々」にて、ムンさんやチョさんの言動を「仮面を付けたショー」と批判しています。


【社説】「知らなかった」「怒っていた」実に恥知らずな振る舞いの数々


朝鮮日報 2019.09.12 03:19

ムン・ジェイン大統領は秋夕*1挨拶で「活力ある経済」「公正な社会」「平和な朝鮮半島」を作るとした。祝日に徳談*2をすることができる。しかし今のムン大統領の立場であれば、まず先に国民に厳しい経済状況と不安定な安全保障、不正と特別な恩恵の象徴であるチョ・グックを法務長官に任命したことに対して最低限の遺憾表明をすることが道理である。ところが、ただ一言の恐縮の言葉さえなく「公正な社会」を言及しているのを見ると真心は一つも込められていない演劇のセリフを聞くようだ。

ムン大統領は国家記録院が税金172億ウォン*3を掛けて自分の個別文書館を設立することについて「火のように怒って」白紙に戻す指示をしたと青瓦台*4が伝えた。大統領は「私は個人の記録館を望んだことがない」ということだ。全ての歴代大統領の記録が統合記録館に一緒に保管されているのに、ただ独りの大統領の記録館だけ別にする計画を大統領に内密に国家記録院が推進したという話だ。ギャグのような話を国民の前でしながら、恥ずかしがらない。青瓦台はチョ・グック長官任命の可否をムン大統領が「眠れなくて」悩むとした。これも「火のように怒った」のような修辞(修辭)である。

チョ・グック長官も法務省の幹部らが最高検察庁にユン・ソクヨル検察総長を除いた特別捜査チームを構成しようと提案したことと関連して「知らなかった」とし「敏感な時期に言動に注意しなければならない」と述べた。この重大な事案を法務省の幹部らが長官と相談もなく推進したというのだ。市中にチョ長官が「私の娘の名前も今回分かった」という笑い話*5が訳もなく出てくるのではない。

チョ長官は昨日、庁舎で「青年とチョグック法務長官対談」を開いた。聴聞会期間中に偽善とダブルスタンダード*6で壊れたイメージを洗濯しようとした席である。ところが、同じ日にチョ長官がソウル大に40日間復帰して1000万ウォン*7近い金額を得てまた休職した、という報道が出た。ソウル大教授のポストを「保険」のように持っているのだろうということだ。鉄面皮とはこのような人のことを言うのだ。仮面を使って繰り広げるショーが不快なばかりだ。

朝鮮日報2019.09.12社説「[사설] "몰랐다" "화났다" 참으로 역겨운 철면피 행태들(【社説】「知らなかった」「怒っていた」実に恥知らずな振る舞いの数々)」より


チョ氏への疑惑はあくまで「疑惑」です。
この騒動は少し前に日本であった籠池問題や加計学園と同じで、チョ氏が直接関与したという証拠は何一つ出ていません。

韓国では「不正」は「権力」のバーターみたいなものなので、叩けば埃は出るんでしょうが、現状では状況証拠のみで「限りなく真っ黒な灰色」です。

とはいえ、法務長官という立場上、任命には慎重を期すべきだったろうとは思いますが…。


コメント欄では社説の内容に同調する意見も多く、今回のチョ氏の司法長官任命の是非について、世論が真っ二つに割れているのがよく分かります。


*1:韓国のお盆

*2:祝福や祈りの言葉。一般的には新年に多いらしいが、目上の人が目下の人に対して発する祈りの言葉。(例:今年は息子が生まれますように)

*3:約15億2千万円

*4:韓国大統領婦

*5:チョ氏の義弟が経営しているファンドへ出資していることも諸々の疑惑と一緒に報じられているが、それについてチョ氏が「ファンドの名前も義弟が株主であることも今回分かった」という主旨の発言をしているので、それに絡めた皮肉。

*6:原文「내로남불」。元々は「내가 하면 로멘스, 남이 하면 불륜.(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫)」の略語。
派生語として「조로남불」、つまり「조가 하면 로멘스, 남이 하면 불륜.(チョがやればロマンス、他人がやれば不倫)」なんてものも。

*7:約88万円