「日本海」表記の話

国際水路機関(IHO)のオンライン総会で、今日の朝方、「日本海」の単独表記が維持される方針が一応決まったようです。
今後、デジタル版では全世界の海と海洋が数字で識別される方針も暫定的ではあるものの、ほぼ決まったみたいです。

これについて、韓国の外交部が「日本海表記の標準としての地位が格下げされた」という趣旨の発言をしています。


まず、読売新聞は次のように報じています。

韓国が日本海の呼称に「東海(トンヘ)」の併記などを求めている問題について、国際水路機関(IHO)の総会は17日未明、日本海と単独表記する指針の継続を暫定承認した。
(中略)
総会は出席国による全会一致が原則で、日本政府関係者によると、韓国を含め加盟国から明確な反対は出なかった。


次に、ニュース1の記事からです。

外交部「日本海、標準としての地位格下げ。東海表記拡散努力」


(前略)

イ・ジェウン外部副報道官は17日の定例ブリーフィングで、IHO総会の結果と関連誌「今回の総会がビデオ会議形式で進み、討議の結果がすぐに確定されるわけではなく、最終的な確定は総会期間が終了した後、会員に書面が回った後、韓国時間の12月1日頃に公式確定される」と説明した。
その一方で、この副報道官は「韓国政府は今回の総会の結果がが3つの側面から意義を持つと考えている」とし「日本海を単独表記しているS-23は、新しい標準であるS-130に移行されることによって、日本側が主張する日本海の名称が標準としての地位が格下げされるという意義がある」と述べた。

続いて「デジタルヘッド時代の転換に合わせて東海表記拡散の障害であったS-23を実質的に除去し、東海表記拡散の新しい推進枠組みを用意することになった」とし「今回の総会の決定は、S-23の改正を通じ東海併記を推進してきた韓国政府の従来の立場と完全に一致する案ではないが、現実の環境下で韓日両国の立場をそれなりにバランスよく反映した合理的な内容と評価している」と付け加えた。

韓国政府は今後、東海表記拡散のためにも継続的に努力する方針だ。この副報道官は「デジタル水路事業分野の先導国として、新規格であるS-13の開発に積極的に参加して東海表記の拡散の基盤を拡大していくだろう」とし「全世界を対象に東海表記拡散努力も官民合同で持続展開していく計画だ」と明らかにした。

(後略)

ニュース1「외교부 "일본해, 표준으로서의 지위 격하..동해 표기 확산 노력"(外交部「日本海、標準としての地位格下げ。東海表記拡散努力」)」より一部抜粋


この件についての事実は以下の二点です。

  • IHOはS-23の改正で「日本海」単独表記を維持。
  • 将来的にデジタル版S-130では全ての海と海洋を数字で識別。


これをどのように解釈するかは個人の自由です。
けれども、あえて言わせてもらうと、全ての海と海洋を数字で識別する場合、当然「日本海」も数字識別されれるわけです。それをもって日本海の標準地位格下げと考えるのは、かなり認識が歪んでいると思います。(世界中の海と海洋の名称が地位格下げですか、そうですか)
仮にそう考えたとしても、別に「東海(トンヘ)」の地位が上がったわけではないのですが、「一方の格が下がれば対となる他方の格が上がる」が韓国の標準価値観なので、彼らの中では矛盾が無いのかもしれません。

数字識別が推進されたことこそが韓国の外交努力だ、というのであれば、「東海(トンヘ)」併記に躍起になっていたのは何だったのか、という気もしますし。
デジタルの場合、固有名識別より番号識別の方が設計しやすいのは確かですから、韓国の動きは関係ないでしょう。


あと韓国側の主張では「標準」は数字になるのに「東海(トンヘ)」表記拡散活動は続けるそうです。
結局、彼らが何がしたいのかよく分かります。標準とかどうでもよくて、韓国風表記を取り入れてくれる仲間(ファン)が欲しいわけです。
「韓流が世界でブーム」とか「日本の若者は韓国が好き」と同様に、「東海(トンヘ)」が拡散されればそれは目に見える韓国の影響力の拡大となるわけです。しかも「Japan」表記を押しのけるのですから、これも一種の「No Japan」。