韓国ではそこそこ大きなニュースになっており、既に人死（自殺者）まで出ている「LH投機疑惑」という事件があります。
取り上げるつもりはなかったのですけれど、最近これがムンさんに飛び火しそうな？しなさそうな？微妙な流れになっています。
少なくとも4月に予定されているソウル・釜山市長選への影響は免れないんじゃないかと思います。
「LH投機疑惑」がどのような事件なのか、まずはザックリ説明します。
LHとは韓国土地住宅公社のことです。
韓国では不動産価格の急激な高騰が問題になっていて、その解消の一環として公共住宅の拡大計画があります。現政権が2018年頃に発表した「3期新都市計画」がそれです。
公共住宅事業ですから当然、LHが担当業務にあたりますが、ここの従業員たちが内部情報（選定地情報）を利用して開発予定地を購入する「不動産投機」を行っていた、と市民団体が今月始めに暴露しました。
世論の怒りに後押しされる形で調査範囲が拡大され、2013年12月以降の取引まで遡って調査することになっています。
調査対象は国土部4509人、LH職員9900人、自治体職員6000人、地方企業従業員3000人など、計2万3000人です。まだ増えているかもしれません。
LHの投機疑惑では土地は農地として購入されていました。稲作用地として購入した土地に、1㎡にマルバヤナギの苗木を25本植える（適正スペースは1本あたり4㎡*1らしい...）という虚偽申告のハリボテ農業をしていたことが分かっています。
で、この「投機疑惑」がなぜムンさんに飛び火するのかというと、ムンさんが退任後に暮らすための土地を昨年4月に購入しているのですが、これを「農地」として購入し、「宅地」への転用の手続きが今年の1月に完了しているのです。
農地を購入する際には「農業経営計画書」というものを提出することになっています。ムンさんももちろん提出しています。ですが、それから1年も経たないうちに転用手続きが行われていることになります。
つまり「農業経営計画書は虚偽で、初めから宅地にするつもりで相対的に安い農地として買い、宅地に転用することで資産価値を上げる＝LH投機と同じ」という邪推が出来るわけです。
前置きが長くなりました。世界日報の記事からです。
野「ムン私邸、LH投機と何も違わない」 vs 与「国民の力の行動は嘆かわしい..国会議員の全数調査をしよう、ばれるか心配か」
国民の力は13日、ムン・ジェイン大統領が前日、梁山の私邸農地買い入れ疑惑を提起した野党を批判したことについて「恥ずかしいことこの上ない」とし「『自腹購入*2（自分のお金で私が買ったもの）』で隠すようなことがない」と指摘した。
ユン・ヒソク報道官はこの日、書面論評を通じて「農業経営利用者でなければ農地所有を禁止した農地法があるため、誰もが首を傾げる『大統領の11年営農経歴』を指摘するもの」とし、このように明らかにした。
ユン報道官は「農地を購入して9ヶ月で敷地に転換したこともLH職員が非難される理由と変わらない」とし「一般国民には難しい形質変更ではないか」と反問した。
（中略）
ユン報道官は「イ・ミョンバク前大統領の私邸敷地について『貪欲』『欲深い』と非難していた張本人がまさにムン大統領だった」とし「この政権を通じて一貫しているその退屈な偽善をいつまで見守るのか」と批判した。
（中略）
ホ報道官は韓国土地住宅公社（LH）職員らの土地投機疑惑について、国会議員の全数調査と特検*3の実施を再三提案した。彼は「国民の力が見せた行動は恥ずかしく、嘆かわしい。全数調査は民主党が先に受けなければならないとして、とんでもない意地を張っている」と述べた。
（後略）
世界日報「野 "文 사저, LH투기와 다를 바 없어" vs 與 "국민의힘 행태 개탄..국회의원 전수조사 하자, 탄로날까 두렵냐"（野「ムン私邸、LH投機と何も違わない」 vs 与「国民の力の行動は嘆かわしい..国会議員の全数調査をしよう、ばれるか心配か」）」より一部抜粋
実際の所はともかくとして、選挙を前にして野党の格好の攻撃対象になりそうです。
ぶっちゃけた話、これが違法行為かどうかは大した問題ではなく、有権者に「ずるい」と思わせられれば効果が見込めるんじゃないでしょうか。
