「ユン政権発足で韓米関係が再び緊密に...クアッド首脳会談にオブザーバーで参加することを打診中。実現すれば日韓関係もうまくいく」という話

「ユン政権発足と同時に韓米の蜜月が始まる」...前々からこんな主張はありましたけれど、日本でクアッド首脳会談が開かれる前にバイデンさんが訪韓するかもしれない、との報道が日本メディアから出てくると、さらに熱を帯びてきたような気がします。

また、今月24日〜28日の予定で、韓国メディア曰く「事実上の特使団」である政策協議代表団が訪日することが決まりました。誰に会うのかまでは発表されていませんが、団長を務めるチョン・ジンソクさんは国民日報との電話取材で「政界・行政界・マスコミ・学会関係者」に会うことと「岸田首相を表敬訪問する機会が設けられることを期待する」と答えたそうです。

少し慌ただしくなってきた感があります。
一部で5月に日本で行われるクアッド首脳会談に韓国がオブザーバーで参加することを打診している、との話が出ています。(注:打診「されている」ではありません)
もし本当なら、米国そして日本と相次いでクアッド前に特使団を送ることでその意向を伝えるつもりなのかもしれませんが...正直、米国へ送られた特使団はいまいちパッとしない感じでした。米国からの反応が良かったのなら既に大々的に発表していそうです。

 



アジアトゥデイの記事からです。

[社説]韓米首脳会談、国益の次元で事前準備することを


新政府が発足し、これまで気まずかった韓米同盟関係が急速に再び緊密になるものと予想されている。ユン・ソクヨル次期大統領が確定して5時間後にバイデン米大統領が電話をかけてきたが、引き継ぎ委員会などによると来月21日にバイデン大統領が日本で開かれるクアッド首脳会談に先立ち、韓国を訪問してソウルで韓米首脳会談を開くことを調整しているという。

(中略)

日本経済新聞の報道によると、ユン次期大統領が日本で開催されるクアッド首脳会議にオブザーバー資格で参加することを打診中だという。この報道通りにユン次期大統領が日本を訪問すれば不便だった韓日関係の改善に役立ち北韓の非核化、半導体供給網の確保など韓日共通の関心事を巡って日米の最高指導者たちと会談する雰囲気も熟す見通しだ。

新政府発足と共に韓米関係が緊密になり、米国主導の同盟と経済協力体への韓国の参加が検討されるものと見られる。米国は先に言及したクアッドをはじめ、オーカス(米国、豪州、英国との軍事同盟)、ファイブアイズなどの軍事同盟を主導しているだけでなく、中国に対する核心産業の依存度を減らすためのインド・太平洋経済フレーム(IPEF)も推進している。

ユン次期大統領は既に米国に特使団を送り、戦略資産の配置などについて話し合ったが、就任後すぐに韓米首脳会談を開くなら、これが中国と日本など全世界に与えるメッセージだけでも歓迎すべきことだ。

(後略)



アジアトゥデイ「[사설] 한미정상회담, 국익 차원에서 미리 준비하기를([社説]韓米首脳会談、国益の次元で事前準備することを)」より一部抜粋

クアッド前に訪韓の可能性はゼロではないと思います。訪韓→クアッド(日本)→訪台の流れがあってもオカシクないかな、と。
先月、今月と相次いで元米軍の制服組トップと米国の現職議員団が台湾を訪れていますのであり得なくもないと思うのです。
で、インパクト(対中メッセージ)的には先に台湾に行くよりはクアッドの後に行ったほうが効果的でしょう。
かと言って、せっかく近くまで来たのに韓国に寄らないというのも無愛想です。なら先に韓国を済ませてしまえ、みたいなスケジュール調整はあり得るかと。

 

まあ、そうなったらスゴイな、という私の希望的観測なんですが...。韓国メディアの希望的観測としては、訪韓したバイデンさんとユンさんが仲良く(手でも繋ぎながら)クアッド首脳会談のために訪日する未来図が描かれているのでしょう。

しかし「ユンさんが訪日さえすれば日韓関係が良くなる、全て上手く行く(グランドバーゲン)」...この発想は相変わらずです。