「ファイブアイズ」拡大案がたち消えになった話

米・英・豪・NZ・加の英語圏5カ国で構成された「ファイブアイズ」拡大案が一時期取り沙汰されていましたが、たち消えになったそうです。

 

 

ニュース1の記事からです。

米国防授権法案「ファイブアイズ拡大」抜ける..韓加入巡る議論中断


韓国を米国·英国など英語圏国家5カ国の情報同盟「ファイズアイズ」に含める案に対する米議会レベルの議論が事実上中断した。

今月7日(現地時間)に米下院本会議を通過した2022会計年度国防授権法案(NDAA、米国防予算の規模·使途などを定めた法案)で、当初下院軍事委員会のNDAA案に含まれていた「ファイズアイズ」拡大に関する内容がすべて抜けていることが確認されたのだ。

米下院軍事委はこれに先立ち9月に議決した2022会計年度NDAA案で「(中国·ロシアとの)強国間覇権競争に直面した時点で(ファイブアイズ)5カ国がもっと緊密に協力して同じ考えをする他の民主主義国家に信頼の範囲を広げなければならない」とし、韓国と日本·ドイツ·インドなど4カ国をファイブアイズに追加する案を検討するようにした。
具体的にファイブアイズに韓国などを含める場合、メリットや限界などを盛り込んだ国防当局の報告書を来年5月まで議会に提出するようにということだった。

(中略)

しかしこうした下院軍事委の法案内容をめぐり議会内外から「ファイブアイズ拡大に実益がない」などの反論が提起され、結局NDAA最終案では該当内容がすべて削除されたという。 消息筋によると、ファイブアイズ拡大検討対象に含まれていたインドが「事実上の核保有国」である点もまたこうした決定に影響を及ぼしたという。

米政府は今年1月の発足後、自国と日本、インド、オーストラリアが参加するいわゆる「クワッド」協議体を域内同盟国と共にする「自由で開放されたインド·太平洋」(FOIP)戦略実行の求心点とし、中国の影響力拡大を牽制する案を推進してきた。
しかし、クアッド参加国と中国間の複雑な利害関係などのため、米政府が「クアッド」協議体を安保協議体にまで発展させる案にはブレーキがかかったというのが外交専門家の一般的な評価だ。

このため米下院軍事委のNDAA案をめぐり、「バイデン政権がクワッドとは異なる次元で、既存の同盟関係を最大限活用し、中国·ロシア·北朝鮮·イランなどからの『安全保障の脅威』に対応しようと『ファイブアイズ』拡大に関心を持っているようだ」などの解釈が出たりもしたが、関連内容がすべて削除された法案が下院本会議で成立し、ファイブアイズ拡大論議は当分、水面下に沈むものとみられる。

(後略)



ニュース1「美국방수권법안 '파이브아이즈 확대' 빠져.. 韓 가입 논의 중단(米国防授権法案「ファイブアイズ拡大」抜ける..韓加入巡る議論中断)」より一部抜粋

安全保障体制ですからホイホイ拡大できるものではありませんし、クアッドとの差別化を図るという意味では慎重に判断されてしかるべきですが...日本としては残念な気もします。
英米主導の安全保障体制に入る、という目的のためではなく、それを機に日本の機密情報保全のあり方ややサイバーセキュリティなど、基準を満たすために見直す切欠になることを期待していたからです。