【バンダーさん】「サムスン電子の半導体収率の暴落は日本産フッ化水素の代わりに「国産フッ化水素」を投入したため?」の話

5月18日付けの投稿です。

 

 

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「サムスン電子の半導体収率の暴落は日本産フッ化水素の代わりに「国産フッ化水素」を投入したため?」です。

サムスン電子半導体収率の暴落は日本産フッ化水素の代わりに「国産フッ化水素」を投入したため?

最高の食材を厳選して最高の料理を作るグルメ店が、ある日突然、検証もされていない食材を混ぜて作った料理を出したらどうなるだろうか?

2022.5.17,Wow Korea(バンダービルド寄稿)

システム半導体などを委託生産するファウンダリ分野の世界一は台湾のTSMCである。2位はサムスン電子だ。サムスン電子は3年前に「2030年にはサムスン電子がシステム半導体で1位になるだろう」と公言した。だが、このようなサムスン電子の公言は「ホラ」で終わる可能性が濃厚だ。現在、TSMCサムスン電子の間の市場占有率格差がますます大きくなっているためだ。

2019年初めにTSMCのグローバルマーケットシェアは48%で、サムスン電子は19%であった。1年後の2020年にTSMC市場占有率を52%に増やしたのに比べ、サムスン電子は19%で横ばいとなった。2021年第2四半期にはTSMCの占有率が52.9%に増えたの対し、サムスン電子は占有率が17.3%で、むしろ前年対比で減った。2021年第3四半期にはTSMCが53.1%、サムスン電子が17.1%となり格差はさらに大きくなった。

2022年の場合、TSMCが56%まで市場占有率を拡大することとになり、サムスン電子は16%まで縮小すると予想され、格差はさらに深刻化するものと見られる。一言で言えば、サムスン電子は2030年に世界1位になるどころか、今の2位の座さえ維持するという断言ができないほど不安な様子だ。

2019年以後、サムスン電子市場占有率が下落傾向に入った決定的な原因は、2019年から稼働した超精密7nm(ナノメートル、7nm=10億分の7m)工程とその後の5nm(10億分の5)工程、4nm(10億分の4)工程での収率が非常に低調だったためだ。収率は全生産品の中で良品が占める割合である。例えば、収率が70%なら、良品が70%で不良品が30%ということになる。

2019年から稼働した7nm工程でTSMCに圧倒されたサムスン電子は、2020年から稼働を始めた5nm工程で反転を狙ったが、再びTSMCにKO負けを喫した。5nm工程の収率でサムスン電子が50%水準に留まっているのに対し、TSMCは80〜90%以上の卓越した収率を見せているのだ。以後の4nm工程の収率も、サムスン電子が30〜35%の低調な水準であるのに対し、TSMCは70%水準の収率を見せている。2022年に稼働予定の3nm工程の場合もサムスン電子の収率は非常に低調だろう(20%以下?)と予想されう状況だ。

2019年から始まったこのようなサムスン電子の収率暴落現象により、主要顧客(インテル、アップル、クアルコム、エヌビディアなど)はサムスン電子が作った半導体に対して品質面で疑いを抱き始めた。そしてこのような疑いは顧客の離脱を招き、これによって市場専有率は下落傾向を見せているのだ。

実際、サムスン電子のファウンダリ占有率17.1%(2021年第3四半期現在)というのも、サムスン電子の自主発注分を含んでいる数値であるため、自主発注分を除けば実質的なシェアは10%にも及ばない水準であると推定される。

2018年までは台湾のTSMCを猛追撃していたサムスン電子がなぜ2019年を起点に収率が暴落し困難に直面したのだろうか?2019年にサムスン電子に何があったのだろうか?サムスン電子の収率暴落を招いた原因は、EUV(Extreme Ultraviolet、超紫外線)工程適用失敗など、様々に推定できる。ここで明らかなことは、2019年から始まった日本の「高純度フッ化水素」輸出審査強化措置がサムスン電子の収率暴落に少なからぬ影響を及ぼしたという点だ。

日本政府は2019年7月から半導体、およびディスプレイ生産に投入される核心素材である「高純度フッ化水素」(エッチングガス)、「フォトレジスト」、「フッ化ポリイミド」に対して韓国向け輸出審査を強化した。このため韓国の企業は大きな混乱に陥り、事態の深刻さを誰よりもよく知っているサムスン電子のトップ(イ・ジェヨン)は直接日本にトンで、素材確保のために東奔西走した。ムン・ジェイン政府は企業のこのような困難を解決するどころか、むしろ「二度と日本に負けない」というやり方の反日扇動に乗り出した。そして、このような反日扇動の一環として、国を挙げて当該素材の国産化を急遽推進した。

日本が韓国向け輸出審査を強化した3品目のうち、半導体の核心素材は「高純度フッ化水素」と「フォトレジスト」だ。このうち「フォトレジスト」はムン・ジェイン政権による国産化の促しにも関わらず、2021年の日本産の輸入額が3億6723万ドル(輸入量:954t)に達し、2019年の日本産輸入額の2億6842万ドル(861t)に比べ、むしろ37%増加し、輸入金額の面で対日依存度がさらに深まった。

「高純度フッ化水素」の場合は国産化がかなり進んだ。2019年に日本から輸入された高純度フッ化水素の金額は3633万ドル(1万9835t)だったが、2021年には66%激減した1252万ドル(6943t)に落ち込んだ。日本産フッ化水素の相当部分を中国産に代替えし、韓国企業を通じた国産化を推進した結果だ。

これと関連して2019年9月に韓国メディアは「日本の輸出規制から2ヶ月後に日本産フッ化水素に変わって国産フッ化水素を一部工程に投入した」と一斉に報道した。一部外信は「サムスン電子が中国産フッ化水素の濃度を高め、半導体工程に投入するテストを進行中」というニュースを伝えた。当時の韓国の主要マスコミの報道を見ると以下の通りだ。

サムスン電子、日本のフッ化水素を一部代替え...「国産を投入したようだ」(2019.9.3、連合ニュース)
サムスン電子、一部工程に日本のフッ化水素代替え品を投入(2019.9.3、東亜日報
サムスン電子、日本フッ化水素の一部代替えに性向(2019年9月3日、韓国経済)
サムスン電子、「半導体の一部工程に日本のフッ化水素の代わりに国産品を投入」(2019.9.3、KBS)
・日本の輸出規制2ヶ月振りに「国産」高純度フッ化水素半導体工程に投入(2019.9.4、ハンギョレ

一言で言えば、サムスン電子が日本産フッ化水素の比重を減らし、韓国産フッ化水素に代替えしたという話だ。

メモリ半導体の場合、サムスン電子の最新工程は14nm(10億分の14m)水準だ。これに対し、TSMCと競争しているシステム半導体の場合、メモリ半導体工程に比べて2倍以上精密な7nm以下の工程(5nm、4nm、3nm...)が主となっている。したがって、超精密システム半導体工程に投入されるすべての素材と装備、部品は世界最高のもので構成されてこそ収率を極大化することができる。

ところが、さらにサムスン電子フッ化水素使用量自体を減らすことで日本依存度を低くしようと、一度使用した高純度フッ化水素を再利用する方案まで検討し、実際に一部工程でテストを進行したりもした。テスト後、高純度フッ化水素を再利用する方式を実際の工程に適用したかどうかは知らされていない。素材の再利用は一種の「苦肉の策」に該当するわけだ。ところが、いくら再利用技術が卓越しているとしても、すでに一度使用された99.999%以上の高純度物質を再利用するならば、果たして最初の純度(99.999%以上)がそのまま維持されるのか、という疑問を持たざるを得ない。

サムスン電子のシステム半導体精密工程(7nm以下)の収率が暴落した原因については現在のところ公式に知らされていない。おそらく収率暴落の原因を内部的に明らかにしたとしても、具体的な内容についてはサムスン電子の対外秘に属するだろう。そのため今後も関連事項が外部に公表されることはないだろう。

ところで、サムスン電子のシステム半導体収率が暴落し始めた時点と、日本の高純度フッ化水素輸出審査強化に伴うサムスン電子の対応(日本産縮小、国産代替え投入)が始まった時点が2019年ということで正確に一致するという点をどのように受け入れればいいだろうか?状況的にサムスン電子のシステム半導体収率暴落という現象と、高純度フッ化水素の国産代替えという現象の間に何の関係もないとは、少なくとも断言できないだろう。

2020年に韓国が日本産「高純度フッ化水素」、「フォトレジスト」、「フッ化ポリイミド」輸入金額は3億7304万ドルだった。そしてこの3つの素材を利用して半導体を生産し、韓国が輸出した金額は1221億ドル(2021年)だった。日本産素材を利用して330倍近い輸出金額を実現したのだ(3億7304億ドル→1221億ドル)。

最高の食材を厳選して最高の料理を作るグルメ店がある日突然、検証もされていない食材を混ぜて作った料理を出したらどうなるだろうか?何か変な味がするだろう。常連たちは1人、2人と次第に離れていくだろう。こうした面で、サムスン電子のシステム半導体収率暴落は国家レベルの反日ムードに押され、厳格な検証手続きを持つ余裕も無く国産素材を請求に投入したためかもしれない。投入された国産素材に何か問題があり、それによって高価な超精密装備(EUVなど)がすでに毀損(汚染)されている状況なら問題は簡単ではない。もしこのような仮定が事実なら、サムスン電子半導体収率の暴落は、反日次元の生半可な国産化が招いた小貧大失の典型と見ることが出来る。

今日、多くの韓国人は反日をタダと思って存分に楽しむ。だが、実は反日ほど代価が大きいものもない。サムスン電子のシステム半導体事業が歩留まりの問題で停滞している間に台湾のTSMCや米国のインテルなどライバル会社はサムスン電子を遠く引き離すことになるだろう。そうなれば、今後の半導体分野の競争で韓国は淘汰されるしかない。おそらく韓国人はその時になってようやく反日がタダではないという事実を自覚することになるだろう。



趙甲濟ドットコム「삼성전자 반도체 수율의 폭락(暴落)은, 日本産 불화수소 대신 '國産 불화수소'를 투입했기 때문?(サムスン電子の半導体収率の暴落は日本産フッ化水素の代わりに「国産フッ化水素」を投入したため?)」より一部抜粋


韓国の情緒は「恨の情緒」でしょう。韓国から「恨の情緒」を取っ払うと、ココロのバランスを欠くと思うのですよ。

ですから、もしバンダーさんの立てた仮定(=韓国産フッ化水素を使用したことにより歩留まりが上昇)の通りであれば、半導体分野でサムスンが淘汰されることになったとしても「日本のせい」に出来るので精神的にはハッピーなんじゃないでしょうか?