韓国人、「熱心に働くことがより良い人生をもたらす」に肯定的回答をした割合が16%...調査対象国内で最も少ない割合という話

英国のキングス・カレッジ・ロンドンが18カ国(日・英・米・豪・独・加・中・韓・露・ギリシア・エジプト・イラン・フィリピン・インドネシア・メキシコ・ブラジル・ナイジェリア・モロッコ)を対象に仕事に対する考えをアンケート調査した結果、韓国は「熱心に働くことがより良い人生をもたらす」との質問に肯定的な回答した割合が16%と、全調査対象国の中で圧倒的最下位だったことが分かりました。

次点で低かったのはギリシア(27%)、次いでドイツ(28%)、日本(29%)となりますので、韓国とは10%ポイント以上の差が付きます。
また記事では日本を取り上げて「一生懸命働くことと同じく運が重要だと信じる回答が53%で最も多い」と、まるで日本人が運頼みしているかのような書き方をしているのですが、それでいうなら韓国もこの項目は70%と最も多いです。しかも日本より17%ポイント近く差があり、調査対象国でこの項目に肯定的回答をした割合が最も多いことになります。

 



ニュース1の記事からです。

「一生懸命働けばより良い人生が訪れるか?」...韓国、世界で一番これを信じない


(前略)

英国のキングスカレッジロンドン政策研究所が7日に発表した「仕事に対する世界の考え」というタイトルの国際アンケート調査で「熱心に働けば生活が良くなるだろう」という質問に対する同意は韓国が最も低かった。

アンケートは「熱心に仕事をすることが結局より良い人生をもたらす」「仕事と運、どちらも同じように成功に重要だ」 「熱心に働くことは、成功とは一般的に関係なく運やコネがより関係ある」という3つの命題に対する肯定的答えを国別に比較した。

韓国はそれぞれに対する肯定的な回答が16%、70%、14%で、熱心に働くだけでは無駄で運が伴わなければならないと考えるのが70%で圧倒的だった。エジプトの場合、それぞれ61%、17%、21%で圧倒的に熱心に働くことの価値を信頼した。反面、運やコネは重要だとは考えなかった。

(中略)

日本の場合、回答はそれぞれ29%、53%、13%で熱心に働くことに対する信頼は低い方だった。そして一生懸命働くことと同様に運が重要だと信じる回答が50%を超え、3つの命題の中で最も比重が大きかった。

調査対象の18ヵ国のうち「一生懸命働くことがより良い人生をもたらす」という回答が10%台であるのは韓国が唯一だった。



ニュース1「'열심히 일하면 더 나은 삶이 온다?'…한국, 세계서 가장 이것 안믿어(「一生懸命働けばより良い人生が訪れるか?」...韓国、世界で一番これを信じない)」より一部抜粋

記事にはレポートのスクショが掲載されていました。↓はその箇所です。

左の濃いブルーの回答が「努力しただけ生活が良くなる」に肯定的に答えた割合です。真ん中のオレンジが「仕事と運、どっちも重要」に肯定的な割合で、一番右端の水色が「努力より運やコネが重要」に肯定的割合です。

濃いブルーの割合が低いことは一見、ちょっと極端な言い方をしますと「一番努力の価値を信じない」という見方も出来てしまうように思いますが...しかしこれ、質問の捉え方によって反応が分かれそうな気もします。「運」をどのように捉えるのか、という意味ですが。
英語の原文レポートでははっきりと「Luck」と書かれているので棚ボタ的な運のことを想定しているのでしょう。しかし、調査は当然母国語で行われたはずです。ただ日本語(あるいは韓国語)で「運」とだけ書かれていた可能性が高いです。
それを日本人が大好きなビジネス書とか自己啓発系の本にありがちな「引き寄せ」的考え方をする「運(機会:opportunity)」と受け取ったとすると、それは努力の結果得られるものであり努力と運は切っても切り離せないものとして捉えられがちな気がします。



その場合、真ん中のオレンジの回答率が高いことは必ずしもネガティブな回答とは言えないでしょう。別にエサを待つ雛鳥のごとく口を開けて「運(ぼた餅)」が転がり込んでくるのを待っているわけではなく、自分から「運(機会)」を掴みにいく努力を重要視しているわけですから。


このアンケート結果で興味深いなぁと思ったのは...中国と米国は広いのでちょっと横に置いておいて、それ以外の地域の回答で「努力しただけ生活が良くなる」との回答率が高いのが比較的赤道付近の温かい地域に多いという点です。
北東アジア人は遺伝的にセロトン分泌に問題が出やすい(強い不安感を感じやすい)人が多いとされています。一説には日本人は約8割がこのタイプとも言われていて(韓国人も大体同じでしょう)、こうした遺伝的影響、気候的影響が「主観による回答」にどの程度影響を与えるのか、という点には興味があります。