鉄筋抜けマンション、壁式構造でも13棟中4棟で70%抜けていることが発覚した話

先月、マンション地下駐車場の鉄筋抜けが大きな問題となったLH(韓国土地公社)ですが、このとき問題になったのは無梁版構造(フラットスラブ構造)が採用されたマンションでした。
その後、行われた全棟検査でも当然、無梁版構造のマンションのみが検査対象です。
しかし、実は別の構造(壁式構造)のマンションでも鉄筋漏れが発覚していました。こちらはまだ建設中の物件であったためそのまま補強工事で対応することになったようですが、韓国はマンション建設計画の段階で分譲が始まるのが一般的で、このマンションにもすでに入居が決まっている世帯があります。入居者に対して鉄筋抜けはアナウンスされなかったとのこと。

 



国民日報の記事からです。

LH、また「こっそり補強工事」していてバレた...今度は壁式構造


(前略)

25日、LHなどのよるとLHが仁川コムダン新都市に建設中のある公共分譲マンションの建物から外壁鉄筋が70%ほど抜けていることが確認された。

LHは当初、鉄筋漏れ規模を「30%程度」と明らかにしたが、これを再度「70%」と訂正した。

鉄筋が抜けているマンションは全体で13棟あるうちの4棟で、鉄筋が抜けている箇所はこのマンション4棟の地下壁部6ヵ所だ。

壁式構造のマンションでは外壁が荷重を支える柱のような役割をするため鉄筋漏れは崩壊のような大型事故に繋がる可能性がある。

LHはこのような事実を6月末頃、管理業者の報告を通じて認知していたことが分かった。鉄筋漏れは設計段階で発生したという。

(中略)

LHは鉄筋漏れを確認した後、自主報告などの手続きを経て11日から遅れて補強工事を進行中だ。

補強工事は約2ヵ月かかり11月中旬頃に終わる見通しだ。しかしこのような内容を入居者に共有しなかったという。

(後略)



国民日報「LH, 또 ‘몰래 보강공사’하다 들켰다…이번엔 벽식구조(LH、また「こっそり補強工事」していてバレた...今度は壁式構造)」より一部抜粋

無梁版構造も壁式構造もどちらも「設計段階」で鉄筋が抜けています。(無梁版構造の中には施工の段階でも追加で抜かれたケースが確認されています)
今回問題になっているのは仁川市にある建設中の団地1ヵ所のみですが、原因が同じであるなら無梁版構造ではないマンションについても追加調査が’必要となるでしょう。

この問題のそもそもの原因として考えられているのが、下請け行為です。下請け業者がさらに下請け業者へ安価で丸投げしており、それが無資格業者であったり、孫請けが法規違反であったりなどの問題です。
そのため無梁版構造・壁式構造などの工法の問題ではなく、LHの問題でもなく、建設業界内に蔓延しているモラルハザードが原因と考えられます。