韓国の外貨準備高、1ヵ月で60億ドル減…預金は117億ドル減という話

韓国銀行が外貨準備高の残高を発表しました。
4月末の時点で4132億6000万ドルで、3月末と比較して約60億ドルのマイナスです。
この規模は世界9位の水準で、韓国のGDPの約25%にあたります。OECDの平均がGDP17%規模だといいますから、十分な備えのように見えますね。
ただし、これは外貨準備高全体で見た時の数字であり、資産別に見るとまたちょっと見え方が変わってくるかもしれません。

 



韓国経済の記事からです。

為替レートが乱高下すると市場介入…外貨準備高60億ドル減少


韓国銀行(韓銀)が7日発表した外貨準備高の統計によると、4月末基準の外貨準備高は4132億6000万ドル(約561兆6000億ウォン)で、3月末(4192億5000万ドル)より59億9000万ドル減少した。

(中略)

外貨準備高を資産別に分けてみると、預金(188億5000万ドル)が前月より116億9000万ドルIMF国際通貨基金)に対する特別引出権(SDR・146億4000万ドル)が6000万ドルそれぞれ縮小された。しかし国債社債など有価証券(3706億1000万ドル)は57億3000万ドル増えた。

(中略)

韓国銀行はこの日、外国為替保有額が60億ドルほど減少したという内容の報道資料を配布し「外国為替保有額は対外衝撃対応に十分な水準」という立場を共に出した。韓銀は「現在、外貨準備高は国内総生産GDP)の25%水準で、経済協力開発機構OECD)平均の17.5%を上回る」とし「外部衝撃に対応するのに十分だ」と強調した。

(後略)



韓国経済「환율 출렁이자 시장개입…외환보유액 60억 달러 감소 [한경 외환시장 워치](為替レートが乱高下すると市場介入…外貨準備高60億ドル減少 )」より一部抜粋

サラっと書いてますけど、現金(預金)が1ヵ月で116億9000万ドル消し飛んでいます。3月の預金額は305億ドルでしたから、そのうち約38%が消えたことになります。(期末なので、恐らく短期証券の利払いなどもあったかと思います)

ピンクの下線部分が預金額の推移になります。
で、その一つ上が有価証券の推移なのですが、記事では有価証の規模(3706.1億ドル)は前月対比で「57億3000万ドル増えた」となっています。確かにそう。

でも、視線を少し←にズラしてみて下さい。2023年末は3736.7億ドルでしたから微減です。さらに←にズラして2020年末は4098.4億ドル、2021年末は4216.9億ドルなので、大幅「減」です。
恐らく少しずつ現金化して調整しているのでしょう。有価証券の類は一気に売れないので。

ですから、韓国のドル需要と有価証券の現金化速度が釣り合っている間は良いのですけれど、それが崩れたときが問題です。韓国が黒字倒産するのはそのときですね。