韓国政府、政策庶民金融商品の延滞分6000億ウォンを代位返済した話

韓国には超低信用者や多重債務者など、制度圏内の金融機関ではローンが借りられない層に向け、政府が低金利で貸し出すローンがあります。政策庶民金融商品と言いますが、再出発ローンなんて言い方をすることもあります。
ターゲットが超低信用者であることから、元から貸し倒れリスクが高いんですが、なんとこのローン、3ヵ月返済が滞ると政府が代位返済してくれるようです。
昨年1年間で政府が代位返済した額は6259億ウォン、ざっくり600億円規模です。今年は上半期(6月末基準)で代位返済額が6252億ウォンと昨年1年間の総額に迫っています。このペースだと1兆ウォンを超えそうです。

 



ソウル経済の記事からです。

[単独]政府が代わりに返済した低信用者の借金、6ヵ月で昨年に迫る...年末1兆を超える


(前略)

5日、庶民金融振興院と金融監督院・中小ベンチャー企業部が国会政務委員会所属のチェ・ジョンユン共に民主党議員に提出した資料によると、政策庶民金融商品8つの代位返済額は今年上半末基準で6252億ウォンと集計された。昨年1年間の総代位返済額が6259億ウォンだったが、今年は6ヵ月でその規模が年間水準に増えたのだ。勤労者陽射しローン代位返済額が全体の50%である3126億ウォンで最も多く、陽射しローン15が1924億ウォンを記録してその後に続いた。

この傾向が続けば今年末頃には8つの政策庶民金融商品の代位返済額は1兆ウォンを超える見通しだ。

(中略)

代位返済率も商品タイプや取扱機関、保証機関などを問わず急速に高くなった。庶金院によると、陽射しローン15の代位返済率は今年6月末基準で17%で、昨年末より1.5%ポイント上昇した。全体政策庶民金融商品の代位返済率の中で最も高い水準で、陽射しローン15の借主100人のうち17人は3ヵ月以上利子もまともに払えなかったわけだ。2020年末基準の陽射しローン15の代位返済率(5.5%)と比べると3年半で3倍以上上昇した。

また、就職できない満34歳以下の低所得・低信用青年に貸し出される陽射しローンユースの代位返済率も2020年末0.2%から今年6月末に7.3%へと7%ポイントも急騰した。昨年10月から供給された最低信用者特例保証代位返済率も発売9ヵ月で7.3%を記録した。2021年~2022年末に4%で前年末対比10倍急騰した。

(中略)

月給が100万ウォンをかろうじて超える超低所得者の場合、政策庶民金融商品にさえ締め出されているという点を勘案すれば、制度圏金融でまだ集計できなかった脆弱階層の不良規模はさらに大きくなるものと見られる。

(中略)

チェ議員は「制度圏金融の『砦』の役割をする政策庶民金融商品から脱落した超低所得者は不法社債市場に向かうほかはなく、家計負債不良はさらに大きくなるだろう」とし「直ちに給電が必要な超低所得層には総負債元利金償還比率(DSR)を適用しないなど、制度圏金融利用機会を増やすための方法も模索する必要がある」と話した。

(後略)



ソウル経済「[단독]정부가 대신 갚아준 저신용자 빚, 6개월만에 작년치 육박…연말 1조 넘는다([単独]政府が代わりに返済した低信用者の借金、6ヵ月で昨年に迫る...年末1兆を超える)」より一部抜粋

返せる見込みのない借金を負っている人にさらに借金を負って借金で生活していけ、という受け取り方によってにはかなり無茶苦茶なことを言っています。

返済の督促をどのように行っているのかは分かりませんが、政府が代位返済してくれるって、事実上の徳政令では...?な気がしなくもありません。
ローンは借金だ、という意識改革に力を入れるべきでは?まあ、そうすると庶民の借金で経済成長をしてきた韓国経済は止まりますが...遠からず無茶の代償を支払うことになると思います。