「親日財産帰属法」を基にした「親日派」の土地の国家還収訴訟、韓国政府の敗訴で確定という話

韓国には「親日財産帰属法」という法律があります。2011年に施行された同法では「親日反民族行為によって蓄財された財産」を国家が没収できるようにしています。

スイス・グランド・ホテル(旧グランド・ヒルトン・ソウル)の会長イ・ウヨン氏の祖父にあたるイ・ヘスン氏は、1910年に当時の日帝から侯爵位を賜り、2007年に「親日反民族行為者」と規定されました。
イ・ヘスン氏はソウル西大門区に2万7905㎡の土地を所有していました(ホテルもこの土地に建っています)。韓国政府はこの土地を「親日財産帰属法」に基づいて国庫に還収するとして訴訟を提起していました。
本日、この訴訟の最高裁判決が出たのですが、まさかの原告(韓国政府)敗訴です。理由を聞けば「もっとも」な話ですけど。

 



ノーカットニュースの記事からです。

政府、親日派イ・ヘスンの土地国庫還収訴訟敗訴確定


(前略)

6日、法曹界によると最高裁1部(主審=ノ・テアク最高裁判事)は、政府がイ・ヘスンの孫であるグランド・ヒルトン・ホテル会長を相手取って起こした所有権移転訴訟の上告審で原告敗訴の判決を下し原審を確定した。

(中略)

訴訟対象となった土地はソウル西大門区弘恩洞の林野(2万7905㎡)だ。イ・ヘスンはこの土地を日帝に協力した代価として1917年に取得した。

(中略)

イ会長はこの土地を1957年に祖父のイ・ヘスンから相続した。抵当権が設定された土地は1966年に競売にかけられ、第一銀行の所有となったが、翌年イ会長が再び買い入れた。イ会長側は「第一銀行と別途売買契約を締結した」と主張した。

裁判所はイ会長の手を挙げた。親日財産帰属法3条1項に「親日財産は国家所有とするが、第3者が善意で取得したり正当な代価を支給し取得した権利を害することはできない」という但し書き条項のためだ。

(後略)



ノーカットニュース「정부, 친일파 이해승 후손 땅 국고 환수소송 패소 확정(政府、親日派イ・ヘスンの土地国庫還収訴訟敗訴確定)」より一部抜粋

この判決は1審で既に出ていて、2審も1審と同じ判断をしています。第一銀行が親日財産と知っていようが知っていなかろうが代価が支給されている点で正当な売買と見なせることと、土地を国家が還収する場合、過去所有権や移転登記が抹消されることになるが、これが第一銀行の権利侵害にあたる点などが指摘されています。

最高裁はこれら1審2審の判決を支持する形で原告による上告を棄却、敗訴が確定しました。
理由を聞くと当然と思えますが、この当然の判断が親日関連の訴訟で下されたことに驚いてしまいました。


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「なんてXXだ...親日派清算されなければ、この国はずっとこうだろう。そういいながら毎日反国家勢力云々する。遅くなっても親日派清算しないと」(共感178 非共感9)

親日といえば金のスプーンに大統領...独立運動をすれば土のスプーンに胸像撤去...」(共感116 非共感11)

「敗訴ではなく親日派の子孫の手を挙げたと記事のタイトルをつけろ」(共感74 非共感3)

「これが国か???」(共感37 非共感2)

親日家本人ではなく、その孫が一度手放した後で「買い戻した」というところがスルっと無視されていますね。土地ロンダリングを指摘するなら分かりますが...土地を買い戻した時点でイ・ヘスン氏は親日派認定されていませんし、親日財産帰属法もありませんから、そんな必要もなかったでしょうが。