韓国国税収入、5月時点で前値同期比‐9兆ウォンという話

韓国の今年の税収が5月時点で151兆ウォンと、去年同時期より9兆ウォンほど少ないことが発表されました。
法人税0だった去年は、外国為替平衡基金の財源(ウォン防衛のためにドルを売ってウォン貨に替えて得た為替差益)を回して穴埋めをしたらしいのですが、今年はその手も使えないようです。

 



聯合ニュースの記事からです。

「税収警告灯」にも基金の救援活用は制限的…大規模な不用再現か


(前略)

30日、企画財政部(財政部)によると、今年に入って先月までの国税収入は151兆ウォンで、昨年同期より9兆1千億ウォン(5.7%)少なかった。

(中略)

政府が使うお金が不足すれば、他のところから財源を調達しなければならない。

昨年の場合、外国為替平衡基金(外平基金)などの基金余裕財源が大幅に活用された。外平基金はウォンの価値が下落すれとドルを売ってウォンを買うやり方で外国為替市場の安定を図る基金だ。

2022年のウォン・ドル為替レート上昇でウォンが異例的に積み上がり外平基金の財源20兆ウォンが基金運用計画変更を経て総括勘定格である公共資金管基金(公資基金)に投入され昨年不足した税収を充当した。

しかし今年は外平基金の財源を活用するのが容易ではない状況だ。今年、外平基金はすでに38兆ウォンを公資基金に純償還する計画だ。

(中略)

補正予算を通じて充当する方法もある。国債を追加発行して財源を調達する方式だ。

だが「健全財政」旗印を掲げた政府が借金を追加で出す可能性は希薄だ。歴代最大規模の税収不足が発生した昨年も、政府は補正予算を編成しないという立場を固守し、基金の余裕財源などの方法を講じた。

財源を他から調達できなければ税収不足はお金を使うことができない不用予算につながらざるを得ない。

税収が56兆4千億ウォン足りなかった昨年の決算上の不用額は45兆7千億ウォンで歴代最大だった。

重複計算される政府内部取引(16兆4千億ウォン)を除いても、30兆ウォン近くが不用処理されたことになる。地方交付税·交付金の減額調整(18兆6千億ウォン)などをすべて考慮すれば事実上不用規模は10兆8千億ウォンというのが政府の立場だ。

税収が予算案対比1%以上足りなかった2013年と2014年は、不用額がそれぞれ18兆1千億ウォン、17兆5千億ウォンだった。2013年には税収が8兆5千億ウォン、2014年は10兆9千億ウォンがそれぞれ不足した。

(後略)



聯合ニュース「'세수 경고등'에도 기금 구원등판 제한적…대규모 불용 재현되나(「税収警告灯」にも基金の救援活用は制限的…大規模な不用再現か)」より一部抜粋

韓国は今年も税収不足が深刻です。そんな状況でも来年のR&D予算を増やします、と言っているわけです。
別にそれが悪いと言っているわけではありません。必要ならやるべきですし、実際必要でしょう。

しかし、最初に健全財政を掲げ国債の発行ハードルを上げたのは今のユン政権自身です。自分で自分の動ける幅を狭めておいて、勝手に苦しくなっているのです。
しかも今年は為替平衡基金を回せないのでもっと厳しくなる見通しです。

結局は民間にお金を出させたり、「投資誘致」という形で乗り切るしかなくなってくるのかもしれません。