ムン政権下で対北協力基金が一部団体に集中して支援?それ以前に支援物資は届いているのか気になる話

韓国が北朝鮮向けに行っている支援事業の予算が一部の民間団体に集中して支給されているのではないか、との疑惑が提起されました。
報道によると、2017年~2022年までの5年間で30億3千万ウォンの予算が申請され、そのうち70%近くが3ヵ所の市民団体によるものだったそうです。
北朝鮮支援を行っている市民団体がいくつ位あるのか、またこの3ヵ所の団体がどの程度の規模の団体なのか分かりませんので、これが偏っているのか適正なのか正直私には判断がつきません。
ただ、別で気になる点があります。

 



TV朝鮮の記事からです。

[単独]ムン政権、民間団体の対北協力基金を見ると...一部団体に大幅支援


(前略)

19日、国会文化体育観光委員会所属の国民の力のイ・ヨン議員室が統一部から提出された資料によると、2017年から2022年までに計30億3千万ウォンが民間団体の対北韓支援事業予算に所要された。このうち団体3ヵ所に70%近い支援金が集中したということだ。

特に、A団体には支援金が9億ウォン近くかかった。2019年に1900万ウォン(防寒用品などの支援事業)、2020年に1億4000万ウォン(農業協力事業)、2021年に5億ウォン(栄養物資支援事業)、2022年に1億5000万ウォン(栄養物資支援事業)などだ。B団体は約7億ウォン、C団体は約5億ウォンの支援金を受け取った。

このうち一部の対北韓支援金は2020年の北韓の南北共同連絡事務所爆破後も北韓に渡されたことが分かった。該当の支援金には韓国観光社、GKL(グランド・コリア・レジャー)のような公共機関が異例に支援した約1億5000万ウォンの資金も含まれている。

(後略)



TV朝鮮「[단독] 文정부 민간단체 남북협력기금 보니…일부 단체에 대폭 지원([単独]ムン政権、民間団体の対北協力基金を見ると...一部団体に大幅支援)」より一部抜粋

TV朝鮮は朝鮮日報系列のケーブルTVですから、この支援金の偏りを「怪しい」と言いたいのでしょうが、正直そこは証拠不足だろうと感じます。

それより個人的に気になったのはこの支援物資は果たして北朝鮮に渡ったのか?という点です。
昨年の11月時点でVOAが報じているのですけれど、この時すでに「3年近く」コロナの影響で北朝鮮への支援事業が中断されていたということです。
正確には、北朝鮮が国境を閉じたために支援物資が中国国境に溜まっている状態です。食糧支援を計画していたフィンランドは「準備段階」で止まったそうです。

こうしたことは2020年1月の時点で起こっていたということです。にも関わらず、韓国は2020年、2021年、2022年に支援事業予算を出しているわけです。

ハンギョレによると、昨年2022年の対北人道支援物資の申請は全体で12件、55億2千万ウォンとなっています。このうち南北協力基金が使われたのは3件12億ウォン。
現地に届けられない(可能性の高い)物資の支援事業に予算を付けるって、私にはこちらの方が不思議です。実現性や実用性は二の次で「人道支援」という言葉の響きだけで予算が出るのでしょうか?

前述のVOAの記事では支援団体の関係者の「物品保管料などの手数料を支払わなければならない負担がある」という声を伝えています。もしかしたらこうした保管料に充てられているのかもしれません。