ユン・ソンニョル大統領弾劾案(一回目)否決の話

ユンさんの弾劾案が否決されました。国民の力所属議員が2名を除いて投票を棄権したためです。

賛成票3分の2獲得には、国民の力から8票の離脱票があれば十分でした。一部、韓国メディアの報道によると、戒厳令の際に「逮捕者リスト」が作成されており、何人か与党議員の名前もあったと報じられています。その中には国民の力代表のハン・ドンフンさんの名前もあった、と。

そのためかハン・ドンフンさんは大統領の職務停止を求めていました。自身の名前があったかどうかは明言しませんでしたが、こうした発言から弾劾案賛成票に回るのでは、との見方もありました。
しかし採決直前には党としては弾劾案否決の方針との発表もあり、無記名投票ということも相まって箱を開けてみるまで分からない状態でした。

結果としては弾劾案(一回目)は可決されませんでしたが、ユンさんの危機が去ったわけではありません。すぐに二回目がやってきます。

 



毎日経済の記事からです。

【緊急】「ユン大統領弾劾案」否決...民主党「11日に再推進」


(前略)

7日に開かれた国会本会議の表決で、アン・チョルス議員とキム・イェジ議員を除く「国民の力」議員が投票をしないまま退場した。このためユン大統領の弾劾訴追案は可決要件である「在籍議員3分の2賛成」を確保できなかった。

在籍300人のうち無所属のウ・ウォンシク国会議長と金キム・ジョンミン議員を含めると、野党議員が192人であるため「国民の力」で8人だけ賛成すれば弾劾案が可決される可能性があるという見通しがあった。

国民の力は任期短縮改憲、責任首相制など政局安定策が本格的に論議されるものとみられる。

国民の力のハン・ドンフン代表はこの日、ユン大統領が対国民談話で「私の任期問題を含め、今後の政局安定方案は我が党に一任する」と明らかにしたことに対して「ユン大統領の早期退陣は避けられない」と言及した経緯がある。

(中略)

オ・セフン・ソウル市長とホン・ジュンピョ大邱市長、パク・ヒョンジュン釜山市長を含む「国民の力、市道知事協議会」は前日、ユン大統領に対して「責任首相が率いる非常挙国内閣を構成し、第一線を退け」と弾劾には反対し、秩序ある退陣に力を入れた。

国民の力「若手」の初・再選議員であるキム・イェジ、キム・サンウク、ウ・ジェジュン、キム・ジェソプ、キム・ソヒ議員は5日、国会で記者会見を開き「大統領任期短縮改憲を提案する」とし「弾劾による国政マヒと国論分裂を防ぐためにも必ず必要な措置」と明らかにした。 続けて「任期短縮改憲を主張したのは現実が非常に厳重で国民の怒り、不安が非常に大きい状況なので、この程度主張しなければならないという責任感の発露」と話した。

(中略)

一方、民主党は直ちに弾劾案再発議に乗り出す予定だ。 国会は否決された弾劾訴追案を次回に再び発議することができる。
民主党のパク・チャンデ院内代表は同日、国会記者懇談会で、「12月10日には通常国会が終了する。11日になれば直ちに臨時国会を開いて弾劾を再推進する」とし「最大限短くすれば3~4日以内に(本会議報告が)可能だ」と話した。続けて「否決する度に国民の力自体が存続に途方もない脅威を受けるだろう」とし「弾劾案可決だけが保守を生かすことができる唯一の解決法」と再度強調した。

イ・ジェミョン代表もやはり「(弾劾案は)できるまで繰り返し推進する」とし「その過程で国民の力は引き続き反対するが、この過程で国民の力がどれほど反国民的・反国家的なのか、内乱首魁犯罪行為に積極的に同調した共犯なのかを国民に歴史の中で証明する」と強調した。



毎日経済「[긴급] ‘尹대통령 탄핵안’ 부결…민주당 “11일 재추진”(【緊急】「ユン大統領弾劾案」否決...民主党「11日に再推進」)」より一部抜粋

韓国の政治家は政敵を引きずり降ろして晒しものにするのに快感を覚える人たちです。

弾劾案が通るまで、とにかく続けるとなると、それだけ国政が停滞することになります。それだって十分「反国民的(国民の利益にならない)」行為だと思うのですけどねぇ...。
ユンさんに対しては身から出た錆ですから、かけらも同情の余地はありませんけれども、政争に振り回されている韓国国民には同情します。まあ、彼ら自身が選んだ政治家ですけどね。