徴用賠償財団への寄付金(基金)に「日本経団連レベルで参加可能」という話

昨日の19日の深夜に東亜日報が「単独」報道として「日本経団連基金への参加を検討している」「財団返済案の正式発表があれば直ちに輸出規制を解除できる」と報じました。

一応、先に断っておくと韓国外交部は即日「報道は事実ではない」と否定しています。
東亜日報の記事では情報ソースを「(韓国の)外交筋の話」として「(日本の)外務省高官がそう言っていた」としたもので、又聞きの又聞きです。公式発表ではありませんし、単に「個人的な考え」ぐらいの流れだった可能性もあります。

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所得同等婚の割合が少ない…韓国ドラマによくある「シンデレラ・ストーリー」本当だった?な話

韓国ドラマといえば、何を思い浮かべますか?私は普段、韓国に関わらずドラマの類を一切見ないのですけれど、それでも「韓国ドラマ」と言われると「シンデレラ・ストーリー」(と「ドロドロ復讐劇」)を連想します。

「シンデレラ・ストーリー」とは、いわゆる「玉の輿」ですが、これは実際の韓国社会における男女間の結婚傾向…特に所得面を反映しているかもしれません。
まあ、さすがに相手の男性が財閥御曹司ということは無いでしょうけれど、それでも夫婦間所得を調べてみると韓国では夫婦間の所得が近い「所得同等婚」の割合が有意に低い傾向にあることが分かったそうです。
この夫婦間の格差が世帯単位で見た時の所得不平等を緩和しているのではないか、とのこと。

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英紙記者「韓国戦争発生時に避難の心配はない。なぜなら起こったと知ることはないから」という話

英国フィナンシャルタイムズの韓国駐在員が「韓国戦争勃発の際に避難の心配はない」とのコラムを出しました。「起こったことを知る前に全てが終わっているから」つまり「みんなんでいるから」と。

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ユンさん不適切発言再び「UAEの敵はイラン」、UAEとイランの関係を韓国と北朝鮮と同列で語った話

ユンさんは今月14~17日の日程でUAE国賓訪問しています。
大統領室は、共同声明で発表された300億ドル規模の誘致計画と、韓国・UAE両政府と民間企業間での合計48件に上る投資および協力に関する了解覚書の締結を「対UAE外交における歴代最大規模と成果」としています。

これだけで終われば大成功だったと思います。しかし、そうならないのがユンさん、今回もしっかり「うっかり言動」がありました。UAEに派兵されている韓国軍部隊を奨励訪問した席で「UAEの敵はイラン、韓国の敵は北朝鮮」と発言したのです。
確かにイランは周辺国との摩擦があります。けれど、2019年頃からUAEはイランとの関係改善に動いています。2021年にはUAEサウジアラビアがそれぞれイランと直接協議を始めていますし、昨年8月には6年ぶりにUAEの駐イラン大使が復帰しています。

ユンさんの発言はそこに水を差すだけでなく、韓国とイランの関係にも影響を及ぼす内容です。韓国政府は未だイランの資産約70億ドルを凍結したままで、ほんの1週間ほど前に「凍結資産解除の約束守って」と言われたばかりです。

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宇宙開発における日韓の差の話

日米安保において宇宙空間も適用圏であることが確認されました。
日本の宇宙開発は1970年の国産の固体燃料ロケットによる人工衛星打ち上げに始まりますが、基本的に米国の影響下でした。逆に言うと、宇宙産業における日米の関係史の長さを表すとも言えますか。
日本が完全自主開発の液体燃料ロケットH-Ⅱの開発を決めたのは1984年です。開発開始は1986年です。初打ち上げは1994年です。斯様に開発にはコスト(お金+時間)が掛かります。

昨年末、韓国政府は宇宙開発基本計画をまとめました。2027までに宇宙開発投資予算を21年の7300億ウォン(約760億円)から2倍の1兆5000億ウォン(約1560億円)に増やし、2030年に無人輸送能力を、2045年までに有人輸送能力を確保するというものです。
ちなみに、令和4年度の日本の宇宙関係予算(全省庁)は5219億円(当初予算+補正予算)です。

もう少し細かく見ると、長期目標として2032年に月着陸、2045年に火星着陸を主目標として、無人探査の独自能力確保し、大規模資源を必要とする有人探査・宇宙ステーション・探査基地などは国際協力ミッションを通じて行うとしています。
随分思い切った計画ですね。

しかし、宇宙空間における「安保」についてあまり触れられていません。全く触れられていないわけではないのですが、開発や産業に重きを置いているような印象を受けます。
それが原因かどうかは分かりませんけれど、先日の日米2+2において宇宙空間が安保適用圏内であることを確認したとともに、月軌道宇宙ステーション建設・運営など公式に日米が協力体制を敷いていくのに対して、韓国は目に見える形での協力関係というのがありません。

 



マネートゥデイの記事からです。

米国の支援で月面着陸を控えた日本、韓国は「遅々として進まず」


(前略)

米国航空宇宙局(NASA)は14日(現地時間)、トニー・ブリンケン米国務長官と日本の林芳正外相が最近、宇宙探査協力拡大を骨子とした合意書に署名したと明らかにした。

(中略)

これに先立ち両国は、昨年5月の米日首脳会談で「平和的目的のための宇宙探査と月と天体活用に対する協力」昨年9月にはカメラ・ハリス米副大統領が東京を訪問し、商業、民間、安保など多様な宇宙協力を強化することにした。昨年11月、NASAと日本文部科学省は地球から約38万km離れた月軌道に有人宇宙ステーション「ゲートウェイ」を共に建設し運営することで追加合意した。

今回の署名はこのような協力議題を支障なく履行し、月を含む深宇宙探査協力を増やすために行われた。広範囲な宇宙空間で輸送、安全、両国の任務を保障するなどの運営計画が盛り込まれた。単純な研究拡大を超えて宇宙を国家安保と経済・産業に多大な影響を及ぼすと見ているのだ。

(中略)

日本が科学・外交・安保チャンネルを全面稼働し米国と宇宙分野で全方位協力を引き出しているが、韓国は宇宙強国とこれといった協力進展がない。韓国も昨年5月、ユン・ソンニョル大統領が米国との首脳会談で宇宙探査の共同研究に乗り出すことで意見が一致した。

しかし当時の首脳会談で具体的な協約は無かった。現在、国家的宇宙任務も科学技術情報通信部と外交部、国防部、国土交通部などに分かれている。ユン・ソンニョル政府に入ってこのような問題を解決するために国家宇宙委員会を大統領機構に格上げし、宇宙航空庁を年内に新設することにしたが、憂慮は依然として残っている。

(中略)

一方、日本は2020年代後半の月着陸を目標に宇宙飛行の育成はもちろん、探査研究を続けている。現在まで日本航空宇宙開発機構(JAXA)と民間などから排出された宇宙飛行士は15人以上だ。特に若田光一星出彰彦などが国際宇宙ステーションISS)の船長を務めるほど米国など宇宙強国に強い信頼を得ている。

(中略)

匿名を要求したKAIST(韓国科学技術院)教授は「日本は米国と欧州のように長期的ビジョンと哲学の上で宇宙計画を用意する」として「韓国が今から米国・日本などと協力議題を導き出せなければ宇宙庁が新設されても今のように全ての宇宙政策が漂流する可能性が高い」と指摘した。

それとともに「宇宙庁新設前でも国家委員会や科学技術情報通信部で宇宙の重要性を科学技術、安保、経済、産業などに各々分けて戦略を用意しなければならない」として「さもなければ日本ももちろん、宇宙強国との格差はより一層広がるだろう」と診断した。



マネートゥデイ「미국 도움으로 달 착륙 앞둔 일본, 한국은 '지지부진'(米国の支援で月面着陸を控えた日本、韓国は「遅々として進まず」)」より一部抜粋

去年の5月と言えば、ユンさんが就任した直後に米韓・日米の順番で首脳会談が開かれた時です。米大統領が日本より先に韓国首脳と会うのは初めて、ということで「順番の意味は?」について(主に韓国内で)大騒ぎしていた頃です。覚えてますでしょうか?

この時、発表では米国主導のアルテミス計画や宇宙探査共同研究を進めて韓国型衛星航法システムを開発するための支援協力を確認しています。
しかし実態は伴っていません。中央日報が7月に報じた内容によると、米国側は国際武器取引規則の改定を議題に取り上げていたそうです。この規定により、韓国は米国の許可なく米国技術や部品を使った人工衛星を韓国のロケットで打ち上げることはできません。「協力」どころか「規制」されているとも受け取れます。(これは日本も同じ状況でした)
昨年6月に発射した液体燃料ロケットの「ヌリ号(「ヌリ」は「この世」とか「世界」の意味)」は韓国独自の開発ですが、担当技術者が「ロシアの科学者が捨てたゴミまで漁った」と、開発秘話を披露しています。つまり米国由来の技術ではなくロシア由来の技術であるということで、ここからも米国からの技術供与が無かったことが伺えます。

ただ、一応フォローしておくと昨年末に月衛星軌道に乗った探査船「タヌリ」の月衛星軌道への移転方式はNASAからの技術供与があったはずです。WSB(弱安定性境界軌道)を利用した方式で、燃料消費は抑えられるものの比較的新しい技術(確か30年くらい?)であったため宇宙開発新興国である韓国には難易度が高いと尻込みしていたところを、アルテミス計画協力の一環としてサポートを受けていたはずです。


余談ですけれど、宇宙飛行士の最終面接は同じ宇宙飛行士によって行われると聞いたことがあります。宇宙飛行士はある種、極限状態で任務にあたることになります。一歩間違えれば命に関わります。そのため宇宙飛行士自身に「この人と一緒に仕事がしたいか?」で選ばせる、と。
科学や技術を精緻に積み重ねたひとつの到達点である宇宙開発分野で最後に重視されるのがデータで測れない「人間力」というところが面白いです。



在日韓国人政治学者「韓国主導だけですべてが出来ると考えてはならない」、「韓国の『ナショナリズム』を下げてこそ、より良い未来」との話

年始に在日韓国人政治学者である姜尚中さんが韓国メディアのインタビューに答えていました。
タイトルに「韓国はナショナリズムを下げてこそ良い未来になる」とあったので気になって読んでみたのですが、釣りっぽいです。記事内容の核心はそこではないように思います。

しかしタイトルは決して嘘というわけではなく、冒頭の姜さんの発言に含まれていますし、大筋として「韓国だけで全てを解決できると思ってはいけない」「域内周辺国との関係性を重視すべき」との主張となっています。その中で「韓国のナショナリズム」が障壁となるから下げなくては、という意味でしょう。

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日米首脳会談、日本の防衛力強化改めて支持、ユンさんの「独自核保有」には「朝鮮半島の非核化路線変わらず」な話

日米首脳会談が実施されました。予想通り日本の防衛力強化についてバイデンさんは全面支持、同盟強化を表明しました。
一部外信では「中韓が憂慮している」と報じているようですが、防衛力強化は明記されていないだけで「中国」の動きを懸念したものでもあります。韓国は日本の正式な軍事同盟国ではありません。

というか、この2ヵ国とも自国は軍事力強化しておいて日本はダメ、というのが意味不明です。こう言うと「過去の侵略行為が~」と言いますけれど、「過去」はもう起こったことでこれから起こる「かもしれない」ことではありません。そこは履き違えないで頂きたい部分です。
万が一に備えて防衛力を強化することと、それをどのように行使するかは別問題として議論されるべきではないでしょうか。

 



世界日報の記事からです。

外信「米・日首脳、中国に対応するため軍事強国化協力」評価


(前略)

ニューヨークタイムズ(NYT)はバイデン米大統領岸田文雄日本総理の会談内容を伝え「両国同盟を強化することでこの同盟をアジア安保問題のリンチピン(車輪を固定する核心部品)にするためのもの」と解釈した。NYTは特に日本政府が、いわゆる「3大安保文書」を改正して約1ヶ月ぶりに今回の首脳会談が開かれたという点を指摘した。

(中略)

NYTは「岸田総理がバイデン大統領と米当局の明確な支持を得た」として「日本の軍事力増強の動きが、もう一方の米国の同盟国である韓国には憂慮を引き起こす恐れがある」と分析した。

(中略)

ブルームバーグ通信は「岸田総理が(3大)安保文書改正に対してバイデン大統領の公式的な支持意思を得ようとし、これを受け入れた」と伝えた。ブルームバーグは中国だけでなく韓国も日本の安保文書改正を批判する立場だという点を付け加えた」



世界日報「외신 “美·日 정상, 中 대응 위해 日 군사강국화 협력” 평가(外信「米・日首脳、中国に対応するため軍事強国化協力」評価)」より一部抜粋

 



記事へのコメントは61件。反応は「良い情報:2 興味深い:0 非常に共感:8 良い分析:0 続報期待:4」です。

「必ず核保有しなければならない。中国、日本と同等になるには核しかない。いつまで押されて生きていくのか。国民は経済制裁に耐えることができるだろう。必ず核保有せよ」(共感68 非共感5)

「政治家たち、肝に銘じよ。日本が国防を取り戻せば。我が国も核を作らなければならない。米国を信じて。ウクライナ状況になる。国力が優先だ」(共感18 非共感0)

中国はともかく日本は核を保有していないのに、「同等」になるためには「核保有しなければならない」とは、北朝鮮と同じく「核の威」を借りなければまともに外交できないということでしょうか?



これと関連して11日、ユンさんは外交部・国防部の業務報告の場で韓国独自で核武装する可能性について言及したことがあります。
北朝鮮の挑発行動がより深刻化した場合」という前提が付きで、また、オプションとして「米国の戦術核を韓国に配置するかどうか」または「自ら核を保有することもできる」という無いですので、積極的に核保有に動くというニュアンスではないのですけれど、ある種のアピールだったと思われます。

最近の韓国はサプライチェーン再編にせよ、半導体協力(チップ4)にせよ、その他もろもろにせよ...「東アジアの米同盟国」という見方において日本と比べると、どうも見劣りするという自己評価があります。(競うものでもありませんが...)
加えて、ウクライナ事態発生以後、対ロ=ウクライナ・対中=台湾と結びつけた各国のリスク議論は活発な一方、北朝鮮問題は優先度が一段下がってしまった印象があります。実際はともかく、韓国としてはそう見えることでしょう。
韓国の立場としてはウクライナや台湾より北朝鮮が第一です。なにより自国防衛のためには手段を選ばないという姿勢を見せたかったのだろうと思います。(ゼレンスキーさんがそれで一定の成功をしてますからね)

しかしユンさんの思惑とは裏腹に直後、ホワイトハウスは韓国独自の核武装の可能性について否定的な立場を表明しました。「朝鮮半島の非核化」路線に変わりはない、とのことです。

 

 



東亜日報の記事からです。

ユン「独自の核保有」言及に...米「韓半島非核化不変」と線引き


ホワイトハウスがユン・ソンニョル大統領の核保有言及について「米国とジョー・バイデン大統領は韓半島の完全な非核化に専念しており、これは変わっていない」と明らかにした。北韓はもちろん、韓国を含む「韓半島の完全な非核化」原則を強調し、韓国の独自の核開発に対して事実上反対の立場を明らかにしたものと分析される。

ジョン・カービー・ホワイトハウス国家安保会議(NSC)戦略報道調整官は12日(現地時間)のブリーフィングで、ユン大統領が北韓核脅威の高まりを前提に独自の核武装の可能性に言及したことについて「韓国も核兵器を追求しているわけではないという点を明確にした」とし、このように述べた。続いて「韓米は共同で拡張抑制強を推進している」とし「我々はそのような方向に進む」と付け加えた。韓国の核自強論には距離を置き、拡張抑制と韓米日3国の安保協力強化を通じて北韓の核脅威に対応するのが米国の政策だという点を強調したのだ。

(中略)

国防総省は国際核不拡散体制などに言及し、韓国の独自の核開発に対する懸念を示した。パトリック・ライダー米国防総省報道官は「北韓と中国、ロシアがいずれも核兵器保有しているのに、韓国の核開発はなぜ出来ないのか」との質問に対し「潜在的核兵器使用の可能性を防止するという点で、核兵器の不拡散、域内安保および安定と関連がある」と述べた。それと共に「韓国が米国の拡張抑制位の傘の中にあるということを記憶することが重要だ」と話した。

(後略)



「尹 ‘자체 핵 보유’ 언급에…美 “한반도 비핵화 불변” 선긋기(ユン「独自の核保有」言及に...米「韓半島非核化不変」と線引き)」より一部抜粋

韓国の世論調査では7割が核兵器保有に「賛成(71.3%)」と答えたとの調査結果があります。
恐らく、ユンさんの発言はそういった層に向けて、韓国風に表現するなら「道を開けておいた(=可能性を残した)」程度の意味合いだったのでしょうが、米韓政府間に「温度差」があるかのように見える結果を招いてしまっています。ユンさんってこういう不用意な言動が結構目立ちますね。