結局イギリスさんはEU残留?な話

イギリスさんのEU離脱案がまとまりませんね。
メイ首相は辞任を掛けたみたいですけど、三度目も蹴っ飛ばされちゃってます。

4月12日までにまとまらなかったら「合意なき離脱」になる、とか言われていますけれども、国民投票やり直したくてウズウズしているように見えます。


日本のニュースでは集中的に取り上げられることが無くなりつつあります。
あまりにも進展がないからでしょうか…。


21日に行われたEU首脳会談において次のようなことが決まっています。

  • 29日にメイ首相の離脱案が承認されれば離脱日は5月22日に延期される
  • 上記案が承認されなければ離脱日は4月12日
  • 4月12日までに協定が可決できなければ「合意なき離脱」
  • イギリスさんはEU側に「次の展開」を示すこと


「合意なき離脱」とは


ニュースでよく使われる「合意なき離脱」とは、EU側となんの取り決めも行わずに「着の身着のまま飛び出す」ことです。

EU加盟国は、主権のおよそ60%をEU議会に明け渡している状態です。
イギリスさんはその60%を取り戻し、そこに含まれる関税とか、ビザとか…物/人/経済ありとあらゆるモノの移動について、EU側との取り決めを改めて行わないといけない状態なわけです。

そこが何も決まっていないということですから、想定される中でも最悪な離脱方法です。


国民投票をもう1度」


国民投票をもう1度」、そんな声が大きくなっているようです。

ダイヤモンド Onlineさんの「世界を騒がせたブレグジットの落としどころは「EU残留」、それが”英国流”だ」によると、「英議会は着々と落としどころに向かっている」としています。


「合意なき離脱」で得をする人は誰も居ません。
「政府や議会がだめならもう1度、国民の判断を」という流れが醸成されているという見方です。


3年前の国民投票は、当時のキャメロン首相がポピュリズムに媚びたことが原因であり、政権への不満をEUに向ける単なる「ガス抜き」であったため、よもや国民の多数が「EU離脱」を選ぶとは思いもしなかった、と。


更に、今のメイ首相は就任当時「国民の意志を尊重」として離脱交渉に全力を注ぐ意思表明を行いましたが、そもそもは「EU残留派」です。


こうした状況を加味して、

3年かけて頭を冷やし、やり直しをこれからするというわけだ。

と、再度の国民投票の実施と、それによる「EU残留」の流れが出来上がったと指摘しています。


確かに、現状の流れを見ているとイギリスさんが円満離脱できるようには見えません。

それくらいの腹案は用意しているかもしれませんね。


感情的な部分はともかく、実利を見るとEU側・イギリス側どちらにもメリットはありません。
逆にブレグジットが円満に行われてしまったら、追随して離脱する国が出てくるかもしれず、EU側としてはあまり宜しくない状況です。


ですが、今回のブレグジット騒動は感情的な面が暴走していますから、EU側から思いとどまるように説得すると火に油を注ぐことになりかねません。
イギリスさん自身で「再考する必要性あり」という雰囲気作りを行った方が効果的でしょう。


なにはともあれ、1日でも早く混乱が収束しますように。