韓国の対中否定感情の理由は「中国を浮上する大国と見ることに適応できずにいる」からという話

昨年の12月下旬に中央ヨーロッパアジア研究センターにより発表された調査結果で、韓国の対中感情が調査対象国56ヵ国中最も否定的だったことがありました。
中国官営メディアがこの件に触れ、韓国が中国を嫌う理由は「見下したり卑下しているので、大国として浮上する中国に適応できないからだ」と分析しました。つまり「認めたくないからだ」ということですね。

 



毎日新聞の記事からです。

中国メディア「韓国が中国を嫌う理由?変化した位相に適応できないため」


(前略)

先月21日、中国官営環球時報は「韓国人の対中心理はなぜ変化したのか」と題した深層企画記事を通じて「中国に対する韓国国民の好感度が低くなり、特に自称『進歩性向』の韓国の若い世代で反中情緒が強くなったことが分かった」と報じた。

該当メディアは昨年、中央ヨーロッパアジア研究センター(CEIAS)が行ったアンケート調査を引用して韓国人の81%が中国に対して「否定的」あるいは「非常に否定的」認識を持っていることが分かったとし、特に20・30代の「嫌悪」感情が最も強かったと明らかにした。

環球時報は「韓国が中国に対して誤った理解をしている理由は、韓国と中国の実力差に構造的変化が起きたため」と分析した。

記事はジャン・ドクビン上海対外貿易大学韓半島研究センター主任の話として「韓中国交正常化前の1991年、韓国の国内総生産GDP)は中国GDPの86%だったが、1997年のアジア通貨危機、2008年のグローバル金融危機などの影響で2020年の韓国のGDP規模は中国の9分の1水準、中国広東省とほぼ同じになった」と説明した。

それと共に韓国は近代以後、政治・経済・文化的に発展し高い民族的自尊心と優越感を構築したが、このような中で一部の韓国人が中国の浮上を「挑戦」と受け入れ否定的な感情が生じたと主張した。

続いて「韓流」真っ只中だった数年前、韓国の学者たちは「韓流人気に中国が危機感を感じる」と話した。今や中国のソフトパワーが高まり、中国映画・ドラマ・ゲーム・SNS・プラットフォームが世界的に脚光を浴び、韓国人の心理が変わった」と説明した。

また、韓国東亜研究院が最近実施した「中国をなぜ否定的に見るのか」とのアンケートで回答者の40%が「中国が韓国を尊重しない」と答えたと伝えた。ジャン・ドクビン教授は「韓国社会が依然として中国を見下ろしたり卑下する段階であり、中国を浮上する大国と見ることに適応できずにいる」と分析した。

(後略)



毎日新聞「中 매체 "한국이 중국 싫어하는 이유? 달라진 위상 적응 못해서"(中国メディア「韓国が中国を嫌う理由?変化した位相に適応できないため」)」より一部抜粋

どっかで見たような分析だな、と思ったら韓国メディアが分析する日本の「嫌韓心理」と全く同じですね。


CEIASのこのアンケート自体は昨年12月に発表されたもので、韓国での調査期間は4月11日~6月23日。1364人を対象にアンケート調査されたものです。
全体調査は2020年から2年掛けて全56ヵ国を対象としています。韓国は対中否定感情で56ヵ国中1位です。2位はスイス(72%)、3位は日本(69%)と続きますが、それらと比べても10ポイントほど高いです。2015年にピューリサーチセンターが行った同様の調査では中国に対して否定的だった韓国人は37%でした。そのときから比べると倍以上ですね。(当時は親中路線だったパク・クネ政権下)

米外交専門メディアのディプロマットは今回の結果について「中国の世界的な自然環境に対する影響」が否定的認識の原因と報じています。その他の国は「中国の軍事力」を最も否定的に評価したのとも対照的です。
また、韓国人が中国に対して思い浮かべるキーワードとしては「コロナ19」「歴史歪曲」「汚れ」「偽」「汚染」などの単語が主に言及されていたそうです。この記事についていたコメントにも同様のワードが出てきます。例えば↓のように。

「アンケート調査での認識調査と大国の相関関係については、まず正確に分析しなければならないが、中国が大国であるかどうかに関係なく、新型コロナウィルス感染症PM2.5などの環境汚染や歴史歪曲(韓服、東北工程)、ウィグル及び香港(人権などの国際イシュー)、北韓(結局は核・ミサイルのどちらも解決できず脅しをかける妨害者)などの様々な複合的な理由で認識が良くない。大国の地位に同じことを言うなら研究員ではなく他のことをしろ」(共感22 非共感0)

これが最も共感の多いコメントでした。(コメント自体24件とあまり多くありません)
調査に参加した1364人の認識をほぼ網羅したコメントかと思います。