日韓・韓日未来パートナー基金、近々「日本企業が参加する」という話

最近、存在感の無かった駐日韓国大使が、既に忘れ去られているような気がする日韓・韓日未来パートナー基金について発言しました。
一応、忘れちゃった人向けに説明しておくと、日韓・韓日未来パートナー基金とは、徴用訴訟解法案として「代位弁済」が正式に採用されたときに発足が決まった基金です。日本の経団連と韓国の全経連が1億円相当ずつ出し合って設立し、両国の企業が参加できるようにしています。
やることは「若者の人材交流の促進」や「産業協力の強化」などで、この基金への出資金が代位弁済の費用に充てられることはありません。しかし、代位弁済による解決が決まった「結果」として出来た基金なわけですから、お金が流れないというだけで実質セット販売です。

駐日大使は、日本の経団連と韓国の全経連が話し合っているので「良い結果が出るのではないかと思う」としか言っていません。しかし、これがなぜか「近いうちに日本戦犯企業が参加する」と、もう決まったことかのように断言口調(タイトルだけですが)で報道されていますが、もちろん違います。

ちなみに最近、日本の経団連に相当する韓国の「全国経済人連合会」は「韓国経済人協会」という組織に変わりました。以下で紹介する記事に出て来る「韓経協」というのがそれになります。

 



毎日経済の記事からです。

「韓日未来基金に近いうちに日本戦犯企業が参加する」


(前略)

ユン・ドクミン駐日韓国大使は16日、東京駐日韓国大使館で行われた国会外交統一委員会国政監査で「最近、韓経協指導部が新しく構成され、新任のキム・チャンボム韓経協常勤副会長が東京を訪れ、経団連と緊密な議論を交わした」とし「日本企業が基金を出すのに時間はかかるだろうが、いい結果があると思う」と述べた。

(後略)



毎日経済「“한일 미래기금에 조만간 일본 전범기업 참여할 것”(「韓日未来基金に近いうちに日本戦犯企業が参加する」)」より一部抜粋

ユン・ドクミンさんは「きっといい結果があるよ」としか言っていませんし、もう一つ気づかれたでしょうか?彼は「日本戦犯企業」とは言っていません。「日本企業」と発言しています。

もともとこの基金発足当時から日本企業のリアクションは「ゼロ」でした。3月に発表されて5月に実際に設立されたわけですが、半年近く経つ現在に至って「参加企業」として名前の挙がったところはありません。(あくまで私が確認した限りです。けれど、もし参加企業がいたのなら大々的に報道すると思います)

しかもその後、徴用訴訟解法案は一部の対象者が財団による代位弁済を「拒否」。韓国裁判所が供託申請を「拒否」。訴訟に向かっている状況です。
すでに解法が解法として機能しなくなっているのに、その象徴のような存在の基金に今参加する意義とは何でしょうか?