2047年までに622兆ウォン(約68兆円)を投じて世界最大の半導体メガ・クラスターを構築するそうです。
ずいぶんと気の長い計画で、持続力の必要な計画が苦手な韓国(次の政権ですぐひっくり返る)なのに大丈夫かしら?と思って記事をよくよく読んでみると、そもそもが民間企業主体で進められている計画のようです。
お金を出すのはサムスンとSKハイニックスなどの民間企業で、韓国政府は「支援」の立場。工場の建設許可などの行政手続きの面で便宜を図ったり、周辺インフラを整えたり、人材育成支援でサポートするということらしいです。
なぜそれで韓国政府(大統領)が「ドヤ」ってるのかは若干疑問ではあります。が、まあそれはいいです。それより気になるのは、韓国政府がこれを「国家対抗戦」と見ているというところです。しかも「各国クラスター間の対抗戦」です。
聯合ニュースの記事からです。
622兆ウォンを投入した半導体クラスター「世界最大・最高」に...政府の総力支援
(前略)
半導体メガクラスターは平沢、華城、龍仁、利川、安城、城南、板橋、水原など京畿南部に密集している半導体企業と機関を一つにまとめる概念で、すでに昨年発表された。
(中略)
現在、19個の生産ファブと2個の研究ファブが稼動中の半導体メガクラスターには、今年から2047年まで622兆ウォンの民間投資が行われ、研究ファブ3個を含め計16個のファブが新たに建設されることになる。
サムスン電子とSKハイニックスがそれぞれ龍仁南四と龍仁遠三に新規造成中のシステム半導体クラスターとメモリ半導体クラスターへの投資額が360兆ウォン、122兆ウォンで最も多い。
また、三星電子は高徳半導体キャンパスの増設に120兆ウォンを、キフン次世代半導体研究開発(R&D)団地の増設に20兆ウォンを追加投資する。
全体民間投資額622兆ウォンのうち、サムスン電子が500兆ウォンの責任を負うわけだ。
総面積だけ汝矣島の7倍である2100万㎡に達する半導体メガクラスターは、2030年には月770万枚のウェハーを生産するものと予想される。これは世界最大規模だ。
政府は高帯域幅メモリ(HBM)を含めた最先端メモリと2ナノメートル以下の工程システム半導体を生産する世界最高水準の半導体生産基地が造成されるよう、民間投資を集中的に支援する方針だ。
(中略)
政府は、グローバル半導体の主導権確保競争が官民が加わった各国クラスター間の対抗戦の様相で展開されていると診断した。
(後略)
聯合ニュース「622조 투입 반도체클러스터 '세계 최대·최고'로…정부 총력지원(622兆ウォンを投入した半導体クラスター「世界最大・最高」に...政府の総力支援)」より一部抜粋
半導体ファブを分散化させず一元化させよう...というのは、世界的な流れから見て逆行してませんかね?気のせい?
「各国クラスター間対抗戦」...記事の中では明言されていませんでしたが、一体「どこの国」が対抗戦をしているんでしょう?
昨今のサプライチェーン再編の流れを見れば、いわゆる「西側陣営」と「中国陣営」による半導体クラスター間対抗戦は起こっていると言えるでしょう。
そう見ると、韓国がこの「対抗戦」に一体どの陣営として参戦しているつもりなのか、いまいちよく分からなくなります。
西側・中国、この両陣営の間で上手く立ち回って両方から利益を得よう...またぞろ、そんな風に考えているのかもしれません。