今度こそホンモノの超伝導体?「シン・LK-99」の話

超伝導体ネタがまだ引っ張られています。2週間で関連株が300%も暴騰したのだそうで...。

理由は「PCPOSOS」という物質の登場です。昨年の夏、一世を風靡(?)した「LK-99」を発表したクォンタムエネルギー研究所が新たに発表した物質です。
「LK-99」に硫黄を追加した物質で、これを磁石の上に置くと「ゼロ抵抗とマイスナー効果(完全反磁性)など、超電導物質の特性が現れた」と説明されています。また「物質が磁石の上で部分的に空中浮遊した」とも。

...あれ、どっかで聞いた話ですね?「LK-99」のときもそうじゃなかったでしたっけ?
と、ふと疑問が過ったりもしましたが、まあそれは置いておいて。この「シン・LK-99」とでも呼ぶべき「PCPOSOS」を引っ提げて、来月米国で開催される物理学会年次会議に参加し、実験結果を発表することになったのだそうです。
「今度こそホンモノだー」と、韓国アリ(個人投資家)たちが関連株に群がっているということですね。

 



マネートゥデイの記事からです。

超伝導体、また希望拷問?2週間で300%暴騰ミステリー


(前略)

14日午前11時15分、コスダック市場でCCSは前日より625ウォン(17.53%)高い4190ウォンを記録している。取引中4600ウォンまで急騰したが、今月に入って314.5%跳ね上がった株価だ。また、超伝導体株のシンソンデルタックも今月56%上昇し、コスダック時価総額10位に入った。

個人投資家を中心に超伝導体テーマに需給が集中している。個人投資家は今年、CCSの株式を81億6000万ウォン分買い越した。機関投資家が81億7700万ウォンを売り越したのとは対照的だ。個人は最近、4取引日(2月6~2月13日)の間だけで20億ウォン以上を買い入れた。

(中略)

大人しかった超伝導体テーマに再び火がついたのは最近、キム・ヒョンタク教授とクォンタムエネルギー研究所のイ・ソクベ代表などが、米国ミネソタ州ミネアポリスで開かれる米国物理学会年次会議で超伝導体主張物質「PCPOSOS」の実験結果を発表することにしたためだ。来月4日の予定だ。

(中略 ※急騰を受けて「投資警告銘柄」に指定されるなど、取引所が注意を促していることに触れ)

このような警告にも関わらず、超伝導体は沈む気配を見せない。専門家たちは、可視化された成長性ではなく、単純な期待感が超伝導体株の株価急騰の背景だという点で注意が必要だと助言する。急騰落による予期せぬ損失発生の可能性も考慮しなければならない。

ある証券業界関係者は「具体的な実績やモメンタム(株価上昇動力)がなくても株価が急騰する銘柄がある」として「テーマ株の場合、株価の持続的な上昇を後押ししにくいだけに、下落幅も予想より大きくなり得るという点を知らなければならない」と述べた。

(後略)



マネートゥデイ「초전도체 또 희망고문?…2주새 300% 폭등 미스터리(超伝導体、また希望拷問?2週間で300%暴騰ミステリー)」より一部抜粋

「PCPOSOS」が「LK-99」に「硫黄」を追加した物質…という時点で結果はお察しかもしれません。

以前、「LK-99」は超伝導体ではなく絶縁体と結論を下したドイツの研究チームの件をお知らせしたことがあります(記事はこちら)。この検証実験結果は雑誌「Nature」に掲載されています。

この研究チームが出した結論によると、LK-99は製造過程で不純物である「硫化銅」が混ざったことで一定の温度になると電気抵抗が下がり、その結果「超伝導に似た動きを見せた」というものでした。類似した動きというだけで、超伝導という点は否定されています。
硫化銅は硫黄と銅の化合物です。
そして「PCPOSOS」は「LK-99」に「硫黄」を加えた物質です。...ここまで言えば、もう十分ですよね?