韓国コスダックの年初来収益率は-15.39%...中国深セン指数(-15.83%)並みという話

年初以来の韓国コスピとコスダックの収益率がそれぞれ-3.01%、-15.39%となっています。
同期間、米国のS&P500は17.32%、ナスダックは17.04%、日本の日経225は9.28%上昇しています。
韓国の数字(特にコスダック-15.39%)は、ウクライナと戦争中のロシア(-16.44%)、中国深セン総合指数(-15.83%)を除けば一番低い数字だそうです。(というか、「あちら側」と連動していると解釈した方がスッキリするのか…?)

株価はこんな状況ですが、韓国政府は輸出・製造業中心の景気回復の流れが継続しているとして「内需回復の兆しを見せている」と5ヵ月連続で評価しています。ただし、部門ごとに速度に差があるため景気好循環効果がまだ十分ではない、とも。

一部の韓国メディアは(韓国政府の発表より)米国の先行きが韓国経済に与える影響の大きさについて懸念しているようです。

 



ニュース1の記事からです。

「世界最下位」韓国指数…「Rの恐怖」克服できなければ反騰しない


(前略)

14日、韓国取引所によるとコスダックの年初以後の収益率は-15.39%だ。ウクライナと戦争中のロシアRTSI指数(-16.44%)やMOEX指数(-15.51%)、景気低迷を経験している中国深セン総合指数(-15.83%)を除けば、最も低迷している 。

コスピ指数も年明け以降、成績が-3.01%であまり良くない。同期間、米国のS&P500が17.32%、ナスダックが17.04%、日本の日経が9.28%上昇した点を考慮すれば、先進国の証券市場の中で最下位水準だ。

特に先月2日と5日にはそれぞれ3.65%、8.77%急落し「ブラックデー」を演出した。 4日にも3.15%下落し投資家の口座が青くなった。

(中略)

世界的な景気低迷への懸念やAIバブル論、円キャリートレード清算に、コリアディスカウントまで加わり指数の足を引っ張った。さらに金投税の議論は投資心理の悪化につながった。特に、外国人投資家は8月以降、6兆7308億ウォンを売り韓国市場を離れた。

大信証券のキム・ヨンイル・リサーチセンター長は「円高で始まった円キャリー清算売り物出回とAI産業を中心としたIT業況・実績不確実性、米国景気低迷恐怖心理が加勢し指数がレベルダウンした」として「韓国は米国、中国景気不安にともなう輸出株劣勢とドル・ウォン為替レート急落にともなう外国人差益売り物が相まってグローバル証券市場の中で最下位収益率を記録した」と評価した。

(中略)

証券街では、指標の反騰が確認されたり、または積極的な政策期待が生じるまで指数の反騰が制限的だと見ている。金利引き下げ速度が速くなったり、政治不確実性が消えた米国大統領選挙後に安定するという展望だ。

秋夕連休直後の19日未明、FOMC金利引き下げ幅に関心が高い理由だ。サムスン証券のユン・ソクモ・リサーチセンター長は「秋夕連休直後に決定される米国連邦準備制度の基準金利引き下げ幅、以後米国の失業率推移が韓国だけでなくグローバル証券市場で最も重要なイベントになるだろう」と評価した。

ただ、景気低迷については依然として慎重な様子だ。急激なハードランディングよりはゴルディロックス(景気軟着陸)に重きを置いた。AI産業の成長が持続し、米国経済および労働市場の鈍化速度も予想可能な水準であるためだ。金利引き下げも景気回復に役立つ見通しだ。

(後略)



ニュース1「'세계 꼴찌' 韓 지수…'R의 공포' 극복 못 하면 반등 없다 [추석 후 증시]①(世界最下位」韓国指数…「Rの恐怖」克服できなければ反騰しない)」より一部抜粋

「先進国証券指数の中で最下位水準だ」...だからなんで「先進国」のくくりに入れて比べちゃうんでしょう...?

それはともかく、記事の論調でとても気になったのが韓国市場の低迷を「国外環境」の影響であるかのように述べているところです。「コリアディスカウントまで加わり指数の足を引っ張った」と書かれていますが、これも韓国株式が「不当に」「安く」評価されているという、外側のせいにした見方に思えます。
けれども、一部では韓国上場企業のPBR(株価の解散価値)が1倍水準である点、ROE自己資本で1年間に稼ぐ金額)が8%水準と低いことから韓国の株価は「妥当な値段」との分析もあります。

そして記事は最終的に米国の話しかしなくなります。
この記事はタイトルに「①」と付いていますから連載記事と思われます。ですので、韓国経済については今後に掘り下げられていくのかもしれませんけれども、どうも「中国がリオープニングすれば上手く行く」「輸出回復すれば上手く行く」「半導体が回復すれば上手く行く」のときと同じで、「米国経済の先行きさえ大丈夫なら上手く行く」と見ているように思えてなりません。

本当にそれで上手く行くなら構わないのですが、しかし実際は年初以来、米国のS&P500が17.32%、ナスダックが17.04%上がっている間に韓国コスピは-3.01%、コスダックは-15.39%と、全然連動していないわけです。ここを見ただけでも「米国の先行き安泰だから韓国も安泰」なわけないです。