年末に嫌なニュースです。
チェジュ航空の旅客機がバードストライクにより右側エンジンを失い、恐らくそのときの損傷で車輪が出せなくなったのでしょう。胴体着陸を試み、外壁に衝突して爆発炎上、乗客乗員のほとんどの生存が絶望視される事故が発生しました。
以下の映像はYoutubeで公開されている事故当時のものです(ロイター通信が入手したものを毎日新聞が転載)。
※航空機が爆発炎上するショッキングな映像となっていることを十分ご留意ください。
変な言い方ですけど、よくこんなベスポジで撮れたなと感心するような映像です。これで無事着陸成功していたなら本当に見事な映像だったのですが...。
滑走路進入の角度はほぼ水平で完璧なように見えます。私は滑走路が短いような違和感を感じたのですが、この疑義は既に提起されているようです。
滑走路は2800メートルで仁川(3750メートル以上)に比べると短いですが、同じく国際空港である大邱(2755メートル)よりは長く、旅客機の離着陸に問題は無いとのことです。ほとんど減速していないために余計短く感じられたのかもしれません。
今分かっている事故当時の状況をヘラルド経済の記事からです。
「済州航空惨事」鳥衝突警告→メーデー→着陸を試みる→ランディングギア無しで着陸→衝突
済州航空事故旅客機は着陸直前に「鳥類衝突」(バードストライク)注意を与えたことが確認された。鳥類衝突警告の1分後に遭難信号である「メーデー」宣言をし、以後5分後に衝突したことが分かった。
航空安全を総括する主務省庁である国土交通部は29日午後、政府世宗庁舎で行われた「務安旅客機事故関連ブリーフィング」でこのように明らかにした。
ブリーフィングを担当したチュ・ジョンワン航空政策室長などによると、この日午前8時57分頃、務安空港管制塔は事故機に鳥類活動(鳥類衝突)を警告し、続いて1分後の8時58分頃、事故機の機長がメーデー信号を送った。
その後、事故機は午前9時頃、当初着陸しなければならない方向(01滑走路)の反対方向である19滑走路を通じて着陸を試みた。その3分後の9時3分頃、ランディングギアを下げずにこの滑走路に着陸する途中、事故に遭ったことが分かった。
国土部は「初めに着陸を試みたが管制塔で鳥類衝突注意警報を出すと、まもなく操縦士がメーデーを宣言した」として「その当時、管制塔で滑走路反対方向に着陸許可を与え操縦士が受け入れ、再び着陸する過程で滑走路を過ぎて外壁に衝突したことが確認された」と説明した。
事故機を運航した2人の操縦士は機長の場合6823時間、副機長の場合1650時間の飛行経歴があった。
(中略)
合わせて短い滑走路が事故原因という指摘に対しては「務安空港滑走路は2800mで、その前にも航空機が運行していた」として線を引いた。
務安空港の滑走路は仁川空港(3750~4000m)、金浦空港(3200~3600m)よりは短いが、他の国際空港である清州空港(2744m)、大邱空港(2755m)よりは長い。
(後略)
ヘラルド経済「‘제주항공 참사’ 조류충돌 경고→메이데이→착륙 시도→랜딩기어 없이 착륙→충돌(「済州航空惨事」鳥衝突警告→メーデー→着陸を試みる→ランディングギア無しで着陸→衝突)」より一部抜粋
乗員乗客181名のうち救助されたのは2名。午後2時過ぎに行われたブリーフィングで消防庁関係者が「生存者2名以外、全員死亡。遺体の損傷が激しく身元確認が難しい」と話しています。
タイのバンコク発の航空機と言うことですから、着陸直前の悲劇です。乗客の中にはクリスマス休暇をタイで過ごした人、年末年始を韓国で過ごす予定だった人など居たことでしょう。なんともやり切れません。
今年は航空機事故で明けて航空機事故で暮れるのかと思うと複雑です。