公捜処が検察に丸投げした話

ユンさんが検察に移送されました。
逮捕後、勾留期間は20日間あり、事前予想ではそのうち半分の10日を公捜処が、残り10日を検察が取り調べすると見られていましたが、ずっと早い送致です。
それだけ取り調べが順調だったのかというと、実際はその逆です。
公捜処がユンさんを取り調べようとしたのは3回ですが、ろくな取り調べが行えていません。公邸の家宅捜索も大統領室の拒否により手が出せず、結局検察に丸投げしたのです。令状執行の段階で警察に丸投げしたのと同じです。

 



ヘラルド経済の記事からです。

「公捜処、こんなことになるとは思わなかった」ユンに総攻勢も「手ぶら」で検察に渡す


(前略)

公捜処は結局、23日に事件を検察に引き渡すことにした。ユン大統領の拘束後、3回にわたる取り調べのいずれも無為に終わった公捜処に対する批判も高まっている。

23日、法曹界によると前日、公捜処はユン大統領に対する強制拘引の再試行とともに現場調査を推進したが、結局手ぶらで帰ってきた。公捜処は「検事および捜査官がユン大統領の調査のためにソウル拘置所を訪問したが、被疑者側が現場調査と求人など一切の調査を拒否したことにより調査はなされなかった」と明らかにした。

(中略)

さらに、検察がユン大統領への起訴権限のない公捜処に対して早期移管を要請し、焦った公捜処がむやみに見せかけの捜査をしているという批判が出た。

公捜処は21日にも憲法裁判所弾劾審判弁論期日に出席したユン大統領の拘置所復帰時点に合わせて強制拘引および対面調査を試みるために出発したが、ユン大統領は国軍ソウル地区病院で診療を受けた後、午後9時9分頃に拘置所に復帰し調査は不発に終わった。

特に公捜処は「ユン大統領の診療事実を知らなかった」と言ったが、法務部が公捜処に通知した事実を明らかにすると「連絡を受けたことはある」と言葉を変えたりもした。公捜処は結局、ユン大統領の診療日程を知っていながらも夕方に拘置所を訪問し強制拘引・現場調査をしようとむやみに待機し撤収したわけだ。

(中略)

官邸と大統領室に対する家宅捜索も、警護処と何の協議もなく、ひとまず試みることだけに汲々としたという指摘が出ている。先立って警察も20日三清洞の安全家屋と警護処に対する押収捜索の再試みに乗り出したが、警護処が協力せず不発に終わった。警護処側は「軍思想・職務上秘密を要求する場所・物は責任者や公務所の承諾なしに押収・捜索することはできない」と規定した刑事訴訟法110条・111条条項を根拠に執行を不承認しているが、公捜処はすでに警察が失敗した押収捜索方式をそのまま踏襲したわけだ。

(中略)

検察出身の弁護士は「時間が差し迫っている公捜処が明確な計画なしに『拡大』式の捜査だけを試みている」として「足踏み状態の公捜処が検察移牒を先送りする根拠がますます希薄になっている」と話した。

このような状況を受け、公捜処はユン大統領事件を検察に引き渡すことにした。

(中略)

公捜処は被疑事実について「前国防部長官および軍司令官などと共謀して昨年12月3日、国家権力を排除したり国憲を乱す目的で非常戒厳を宣布したことで暴動を起こした」とし「職権を乱用して警察国会警備隊所属の警察官と戒厳軍に義務のないことをさせ、国会議員の戒厳解除要求権行使を妨害した」と説明した。



ヘラルド経済「“공수처 미처 이럴 줄은 몰랐다” 尹에 총공세 ‘빈손’ 검찰로 넘긴다 [세상&](「公捜処、こんなことになるとは思わなかった」ユンに総攻勢も「手ぶら」で検察に渡す)」より一部抜粋

本来であれば公捜処は超法規的な手段を用いて相手を追求できる強権部隊(ゲシュ〇ポ)として運用されるはずだったんでしょうが、さすがに時代にそぐわなかったんですかね。
これを切っ掛けに公捜処に「より強力な権限を与えるべきだ」的な議論にならないと良いんですけど。