空売りが解除されないのは個人投資家らの不信感…原因は「損失原因や責任を空売りなどに求めるため」という話

韓国にだけある現象を Only in Korea 略して「OINK(豚の鳴き声)」と言いますよね。
これとは逆に最近、米国の株式市場が「韓国化」しているとの指摘がありまして、それを Korefying と言うそうです。
韓国でよく起こるテーマ株の急騰・急落ですね、あれとよく似た現象が米国でも起こり始めています。こちらでは「ミーム株」と呼ぶそうです。日本人に比べて米国人の金融リテラシーは高いと言われていましたけれど、それも今は昔の話でしょうか?それとも、ごく一部のイメージを全体に投影していただけでしょうか?

それはともかく韓国では今なお、株の空売りが全面規制されています。解除は3月31日を予定されており、これに向けて金融当局は「違法な空売り(無借入空売り)を99%検知」出来る世界初のシステムを導入することを発表しています。
しかし一部からはこのシステムでは対応が不完全との反発の声があがっています。

根底にあるのは、そもそもが「空売り=悪いこと」との認識です。米ヘッジファンドの副社長がコラムで「空売りに敵対的妄想を持っている」と指摘しています。

 



ソウル経済の記事からです。

空売りに敵対的妄想」...「韓国個人投資家の不審」を指摘した米ヘッジファンド


(前略)

21日、金融投資業界によると、米ヘッジファンドアカディアン・アセットのオーウェン・ラモント首席副社長は最近コラムを通じて「韓国の個人投資家空売りに対する敵対的で妄想的な信念を持っている」と明らかにした。彼は米国株式市場が韓国内の空売り禁止要求と政治テーマ株流行など誤った文化の影響を受ける「韓国化(Koreafying)」が進行していると主張した。

ラモント首席副社長は「アリと呼ばれる韓国個人投資家空売り投資家が自分たちを騙す空売りを禁止しなければならないと信じている」として「『私は空売りが嫌いです』という空売り反対バスを運行しながら強力な政治的影響力を発揮した結果、政府が2023年11月空売りを全面禁止した」と説明した。韓国化が続けば米国証券市場も空売りが禁止される可能性があるだけに、これを警戒しなければならないという声を加えた。

実際、空売り全面禁止期間に金融当局が証券会社の残高管理システムを作り、取引所に中央点検システム(NSDS)を構築するなど、無借入空売りを防ぐための多様な措置を出したが個人投資家の不信は依然として残っている。

(中略)

投資業界では当局が現行法やグローバル基準に従ってできるすべての措置を尽くしたにもかかわらず、投資家が信じないという反応だ。これからは二重に無借入空売りを監視しながら問題が発生した時は証券会社に責任を問う方式であるだけに100%近く防止できるのに各種問題を提起しているということだ。

ソウル所在大学のある経営学科教授は「率直に言って国内投資家が空売りに敵対的妄想を持っているという指摘に共感する」として「国内証券市場低評価が長くなって現れた損失原因や責任を空売りなどに求めるために市場に対する不信が簡単に変わることはないだろう」と打ち明けた。

(後略)



ソウル経済「"공매도에 적대적 망상"…'韓개미 불신' 지적한 美헤지펀드(「空売りに敵対的妄想」...「韓国個人投資家の不審」を指摘した米ヘッジファンド)」より一部抜粋

株価が上がらないのは空売りのせい、急落したのは空売りのせい、損失が出たのは空売りのせい...と、いつもの他責思考ですね。
それと機関投資家らが「空売りを仕掛けている」とする、ある種の陰謀論と結びついているように感じられます。
他責思考と陰謀論と被害妄想って、すごく親和性が高いですね。