韓国の輸出は「中国」と「半導体」による錯視に陥っていた、という話

韓国は貿易、特に輸出で食べている国です。K-POPや韓流やK-ビューティー(韓国コスメのこと)など、実際にどの程度流行っているのか、経済規模はどのくらいなのかはさておき、とにかく「輸出」したがるのは、やはり根底に「輸出で食べている国」というのがあるのだろうと思います。

その貿易ですが、8月に95億ドルの貿易赤字を記録し、累計は統計作成以来最大規模の247億7000万ドルを記録しました。ユンさんは海外からの利子配当や著作権料などを加味した経常収支は「300億ドル程度の黒字となる」と、大丈夫アピールをしていますが、少なくとも今まで起こっていなかったことが起こっていることは事実です。
またGDPの80%が貿易に依存している韓国で貿易赤字が持つ意味は日本とは比べ物にならないくらい重いものです。

中央日報系列のメディアが今までの韓国経済は「対中貿易」と「半導体」による錯視に陥っていただけでそれが解けてみると事態は深刻である、との趣旨の記事をあげています。
ちょっと意地悪な言い方をすると、韓国の輸出が好調だったのは経済が好調な中国がどんどん買ってくれていたから成り立っていただけで、韓国経済自体が好調だったわけではない、とも考えられます。実際、韓国経済が好調だったのなら「青年体感失業率25%」なんて事態にはならないはずですからね。

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2018年と2019年、2つの脱北者強制送還事例とレーダー照射事件の話

2019年に脱北した漁師2人を韓国政府が強制送還し、のちに彼らが処刑されていたことが分かり当時のムン政権の責任問題として一部捜査が行われているという件を7月にお伝えしていました。(こちら

これと絡めて2019年のレーダー照射事件にフォーカスしている記事があったので紹介します。この時も北朝鮮の木造船を「救助」中だったとされていますが、レーダー照射事件が大事になってからは彼らの存在はほとんど有耶無耶にされてしまいました。
数日後に統一部が北へ送り返したと発表しているものの、彼らがそこで何をしていたのか、韓国への帰順の意思など不明点が多く一部で「疑惑」も提起されている、と。

ただ、記事はあくまで「北朝鮮脱北者の処遇」に関するものであり「レーダー照射の是非」ではありません。記事の趣旨的にも真相究明というより、どちらかというと「ムン・ジェイン前政権への批判」といった気配の方が強いように感じます。

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韓国人から見た「日本が韓国の徴用賠償要求を理解できない理由」の話

日本が韓国の徴用賠償要求を理解できない理由を考察するコラムがありましたので紹介します。

ただ、出オチ感がすごいです。最初のパラグラフで著者は「ある結論」を出していて、それこそが日本が一貫して主張し続けているものなのですが、それを脇に置いて「日本が徴用賠償要求を理解できないのは(一度決めた)規則と社会合意を重視するため」であり「日本も認識を変えなければならない」に着地します。
日本「も」なのは、一応、韓国に「法的矛盾解消」の措置を促しているからです。ただ、具体的なことは何も書いてません。

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国際紛争解決センター、ローンスターの主張を一部認め韓国政府に2億1650万ドル+利子の賠償判定の話

OINK(Only in Korea ; 韓国でしか起こらない現象)」の代表的事例であるローンスターファンド事件の判定がとりあえず出ました。とりあえず、というのは韓国法務部が不服として異議申し立てを準備しているとの報道があるためです。

とはいえ、一つの判定ではあります。ローンスター国際紛争解決センターに紛争を持ち込んでから約10年、事件の発端となったローンスターによる韓国外換銀行KEB)からは約20年となります。長かったですねぇ...。

ローンスターが韓国政府に求めた賠償額は46億7500万ドル(1ドル138円換算で約6451億5000万)という莫大な額です。このうち認められた賠償額は2億1650万ドル(同約298億7700万円)でしたが、仲裁判定部がローンスター側の主張を一部とは言え認めたという事実は韓国側には容認しがたいでしょう。なにしろ、ローンスター側の主張は「韓国金融当局による不当な売却承認遅延措置」ですから。

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「日本は源泉技術を持っているから報復されない」「米中どちらかを選ぶより何を準備するかが大事」という話

経済安保の重要性を説きつつ、自由貿易と投資誘致を阻害せず「陣営」ではなく「ルール」に基づいた接近および源泉技術確保の必要性を主張する記事がありました。
一見、筋が通っているように見せかけて、かなりモヤっとする内容です。根底にはもちろん「米中どちらかを選ぶ必要はない」です。

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韓国国防部、自衛隊観艦式への参加検討中、また日航空機対応指針の廃棄も検討中という話

今年11月6日に海上自衛隊が国際観艦式を実施します。韓国海軍が正式に招待されているのですが参加が適切かどうか議論になっています。

韓国国防部長官は野党議員からの委員会質問を受けて「(参加については)国際慣例など総合的に考慮する」と回答しています。また観艦式参加に関連付けられる形で、先日明らかになった「日本航空機対応指針」の廃棄が検討されているという話の事実確認がありましたが、国防部長官は廃案検討を「事実」としつつも、「観艦式とは別問題」と回答しています。ここにきちんと線を引いたのは真っ当な判断だと言えるのではないでしょうか?

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イ・ジェミョン氏、歴代最高得票率で共に民主党新代表に選出された話

共に民主党新代表にイ・ジェミョンさんが選出されました。

 



ハンギョレの記事からです。

[速報]民主党新代表にイ・ジェミョン...歴代最高得票率77.77%


(前略)

イ議員は28日、ソウルオリンピック公演体操競技場で開かれた民主党代議員大会で最終合算得票率77.77%を得てパク・ヨンジン議員(22.23%)を破り1位に上がった。民主党は△権利党員投票(40%)△代議員投票(30%)△一般国民世論調査(25%)△一般党員世論調査(5%)の結果を合算して党代表を選出した。イ議員は権利党員投票(78.22%)、一般世論調査(82.26%)、一般党員世論調査(86.25%)などでパク議員を圧倒した。

(中略)

イ議員の最終得票率は民主党系の大統領選挙・党代表選挙史上最高記録だ。大統領選予備選挙まで含めた最高投票率は故・金大中元大統領が1997年の新政治国民会議の大統領候補選出の党大会で得た77.5%だ。当代表選挙はイ・ナクヨン元民主党代表が2年前の党大会で記録した60.77%だ。

(後略)



ハンギョレ「[속보] 민주당 새 대표에 이재명…역대 최고 득표율 77.77%([速報]民主党新代表にイ・ジェミョン...歴代最高得票率77.77%)」より一部抜粋

速報記事ということもあり、コメントは14件程度です。そのなかで一番「いいね」の多かったものを一つ紹介します。

 

「イ・ジェミョン代表当選がアタr恣意未来。新しい大韓民国を作るのはまだ早い。
 しかし少なくとも、情けなくて希望のないユン家政権で一つの代案が胎動したという点を肯定的に評価しなければならないだろう。
 多少遅れても希望の灯台に向かって進む指標があれば現在の暗澹たる気持ちにも耐えられると思う。
 クの見分けがつかない犬豚たちのせいで最近、大韓民国は頭空っぽを船長として公開しているが、5年後には正常に回復することになるだろう。
 ユン家をとった犬豚も遅ればせながら身にしみるだろう。
 何も考えずに誰でもとってはいけないということを、ユン家をとったら国家という船が山に行くということを...。
 混沌と後退とストレスの恐ろしい5年の歳月を耐えながら5年後を眺めて希望を持ってみよう」(共感17 非共感0)

5年後に「イ・ジェミョン政府」が誕生することを予言しています。どうなるのでしょうか?5年待たなくてもローソクを持てばすぐに実現できる気がしなくもありませんが...。