旭日旗使用で懲役10年...「歴史歪曲防止法案」の話

「歴史歪曲防止法」として、国(?)が認める歴史解釈以外は「歪曲」として刑事処罰できちゃう法案が次々に韓国の国会で発議されています。
昨年12月にも5・18(光州民主化運動)歴史歪曲処罰法が国会を通過しています。

そして最近新たに日帝を「賛美・鼓舞」すると処罰される法案が発議されました。旭日旗を使うのももちろん駄目で、最大懲役10年が科せられるというものです。
歴史歪曲を通り越して思想教科の匂いがしないでもありません。流石に韓国国内からも「やり過ぎ」の声があがっているようです。


京郷新聞の記事からです。

旭日旗使うと懲役10年?歴史歪曲防止法、違憲


(前略)

17日、国会によるとキム・ヨンミン民主党議員が14日に代表発議した歴史歪曲防止法案には憲法に明示された3・1運動と4・19抗争を継承し、歴史歪曲行為および日本帝国主義を賛美・鼓舞する行為を防止する内容が盛り込まれている。また、日程を賛美・鼓舞・宣伝する目的で日程を象徴する旭日旗などの軍旗や造形物を使用する行為も禁止する。この法案発議にはキム議員をはじめ、同等所属のキム・ナングク、イ・ジェジョン、チャン・ギョンテ、ハン・ジュンホ議員ら12名の国会議員が参加した。

法案に寄ると、歴史歪曲と称賛の可否は「真実の歴史のための審理委員会」を設置して判定する。歴史学者など9名の専門家で構成された委員会は歴史歪曲行為と日帝称賛行為に対して是正命令権限をもつことになる。是正命令に不服がある場合は異議申し立て、または裁判所に訴えを提起することができる。

(中略)

学会と法曹会では歴史を是非の問題と見て刑事処罰を前提に特定表現の使用などを禁止することは憲法上の過剰禁止の原則に反すると批判する声が多い。オープンネットのソン・ジウォン弁護士は 「思想が自由に開陳され、討論を通じて生き残るメカニズムとして築こうとするのが民主主義だが、国家の力で抑圧・強制することは思想市場が成熟しない副作用を招くことになる」 と述べた。

アン・ジョンジュン・ソウル市立大史学科教授も「自らの信念や理念を主張する行為に対して国家が介入し、法的処罰が出来るようにする法は悪用される恐れがある」とし 「法ではなく社会構成員たちが健康な議論と討論を通じて解決しなければならない問題」 と述べた。

国家安保法に批判的な民主党議員が日帝賛美・鼓舞、旭日旗などを規制する行為が矛盾しているという指摘も出た。イム・ジヒョン西江大学のトランスナショナル人文学研究所長は「法案の『称賛・鼓舞』条項は事実上、国家安保法のメンタリティー(考え方)」だとし、「歴史解釈が違うということを認めず、自身が歴史的正解を提示するということだが、(この法案を作った彼らが)歴史を眺めて理解する認識論的枠組みはあまりにも『パク・チョンヒ的』で『パク・クネ的』」と述べた。

(後略)

京郷新聞「욱일기 쓰면 징역 10년? 역사왜곡방지법 위헌일까 아닐까(旭日旗使うと懲役10年?歴史歪曲防止法、違憲か)」より一部抜粋


歴史には「事実」はあっても「真実」なんてものは無いと思うんですけどねぇ。
まともに議論になったら勝てないから法案化する、とも考えられますね。

「パク・チョンヒ(朴正煕)的」で「パク・クネ(朴槿恵)的」というのは、「軍事政権的で独善・独断的」という意味だろうと思います。お世辞にも民主主義的発想とは言えない、ということでしょう。