徴用訴訟、韓国政府の代位弁済案がまた取り上げられた話

(自称)元・徴用工への韓国政府代位弁済案がまた持ち上がっているそうです。(以前はこちらこちら

韓国政府が代位弁済した後、こっそり求償権を放棄するならアリかもしれませんが...。こっそり、じゃないと韓国民は納得しないでしょうし、求償権を行使するなら日本側は受け入れないでしょう。それじゃあ結局終わらないので。

もし韓国政府が代位弁済後に求償権を放棄すれば、実質は韓国政府が補償した(日韓請求権協定=◯)ことになりますが、見かけの上では韓国司法が尊重された、とすることが出来ます。日本企業に実害はなく、日本さえ求償権放棄について黙っていてくれれば、韓国政府は国民に「やってやったぜ」と言えるわけで、韓国的には及第点でしょう。

ただ日本企業には金銭的実害がなくとも韓国の司法判断により有罪とされているわけなので、なにかあればまた「戦犯企業」呼ばわりされて不買対象になることに変わりはないんでしょうけどね。

 

韓国日報の記事からです。

「徴用訴訟代位弁済」「第2の金大中-小渕宣言」など、韓日関係改善を注文


6日、駐日本大使館に対する国会外交統一委員会の国政監査で、1965年の韓日国交正常化以来最悪の両国関係の改善を求める与野党議員の提案が相次いだ。 韓日間の最大懸案の一つである強制徴用被害者に対する賠償は、韓国政府が「代位弁済」する方式で解決しようという案が再び提起され、韓日関係で画期的な転機と評価される1998年の金大中-小渕宣言に続く「第2の宣言」が出なければならないという提案もあった。


この日、ソウルの国会と東京の大使館を画像で繋いで開催された外通委国政監査は、外交分野の専門性を持つ議員が多数を占めているだけに一方的な「日本叩き」ではなく、経済的利益など韓国の長期的国益のために関係改善に乗り出すべきだとの意見が多かった。 ただし、これらの主張は駐日大使館ができることではないため、議員らはカン·チャンイル大使に「政府に積極的に建議せよ」と注文するしかなかった。


イ·サンミン共に民主党議員は、強制徴用被害者に三菱など日本企業が賠償すべきだという2018年の大法院判決を尊重しながらも、日本との関係改善を可能にする方法として「代位弁済」案を韓国政府がより積極的に検討すべきだと主張した。 代位弁済とは、債務者ではない他の人が代わりに弁済し、弁済をした者は求償権を取得して債権が引き継がれることを意味する。 日本政府が日本企業の賠償に激しく反対しているため、韓国政府が被害者に代わりに賠償をし、求償権を持つ方式で解決しようという案だ。


イ·テギュ国民の党議員は、強制徴用や日本軍慰安婦訴訟など、韓日の懸案が両国関係を妨げている現実とともに、両国首脳間の画期的な妥結の必要性を指摘した。 続いて「今のように両国関係が困難な時こそ『第2の金大中-小渕宣言』が出るべき時」とし「日本政府が変わることだけを期待するのではなく、韓国が先にこうした決断を下す必要もある」と述べた。


(後略)


韓国日報「'징용 소송 대위변제' '제2 김대중-오부치 선언' 등 한일관계 개선 주문(「徴用訴訟代位弁済」「第2の金大中-小渕宣言」など、韓日関係改善を注文)」より一部抜粋

記事の登場人物を見るに、まだ韓国側だけで話されている内容のようですが、現実的な落とし所がそこくらいしか見つけられなかったんでしょうね。最初に代位弁済の話が出たのは2019年12月、例の「ムン・ヒサン案」です。2年経って結局ここに戻ってきた、と。

ただし、「ムン・ヒサン案」では代位弁済したとしても「日本企業の責任は消滅しない」、「求償権は(代位弁済した)財団に残る」としていました。ここは注意が必要です。最低でも代位弁済後は韓国が求償権を放棄するよう確約が無いとダメです。(もちろん、口約束ではなく)

「第2の小渕-金宣言」とかいうラッピングでなんとなく「良い話」な雰囲気エンドとかどーでもいいです。

とにかく二度と蒸し返せないように、今後一切の責任を韓国政府が負う、すべて国内問題として韓国政府が主体的に解決にあたる、としっかりかっちりした契約条項が必要です。