自営業者の延滞率ノンバンク3%・脆弱自営業者11%、金融負債保有世帯の4割が何らかのリスク世帯という話

韓国銀行が金融安定状況の報告書を発表しました。

以下で自営業者の延滞率についての記事を引用します。
また、記事の引用はしませんが同じ報告書内に、金融負債高リスク世帯のデータも入っていますので、記事から読み取れる内容だけを載せておきます。

 



韓国経済TVの記事からです。

「こんな状況で何が商売だ」...自営業者「異常兆候」


(前略)

韓国銀行が27日午前に発表した「金融安定状況」報告書によると、昨年末基準で自営業者貸出延滞率は1.67%と集計された。

自営業者の延滞借主が2022年下半期以後、着実に増加したことにより貸出延滞率もCOVID-19以前の長期平均水準(2012~2019年平均1.68%)に近づいた状況だ。

特にノンバンク(3.43%)と脆弱自営業者(11.16%)を中心に延滞率が高いことが分かった。

(中略)

2021~2022年には貸出金利上昇にも政府のCOVID-19被害自営業者元利金償還猶予、パンデミック終了後のサービス業の速い回復などの影響で低い延滞率を維持したが、サービス業景気不振が持続することにより延滞率が上昇した。

自営業者の平均所得は2022年末の4,131万ウォンから昨年末は4,157万ウォンに小幅増加したが、依然としてCOVID-19以前の2019年末水準(4,242万ウォン)を回復できなかった。

延滞自営業者の平均所得は2020年末の3,983万ウォンから昨年末は3,736万ウォンに減り、平均貸出は2億500万ウォンから2億2900万ウォンに増えた。

一方、多重債務者の中で低所得・低信用である借主、すなわち脆弱自営業者の借主は昨年末基準で42万7千人で、全体自営業者の13.7%を占めたと集計された。

(後略)



韓国経済TV「"이 판국에 무슨 장사냐"…자영업자 '이상조짐'(「こんな状況で何が商売だ」...自営業者「異常兆候」)」より一部抜粋

韓国の全金融負債保有世帯を対象にしたデータによると、去年の3月の基準で約38万6千世帯が高リスクに分類されています。これは全体の金融負債保有世帯の3.2%にあたります。この世帯が保有した金融負債は計72兆3000億ウォンで、全体金融負債の4.9%に達します。

高リスク世帯とは金融負債世帯の中で総負債元利金償還率( DSR ) が40%を超え、資産に対する負債比率( DTA ) も100%を超える場合を指します。(DSRとは、利子を含め年間の負債返済に当てる金額が年間所得の何%に当たるかの比率。DTAは資産と負債の比率。100%を超えるということは、全資産を返済に充てても完済できないことを意味する)

高リスク世帯は償還能力・金融負債ともに基準を超えてしまっている状態ですが、このどちらか片方だけが基準を超えている世帯で見ると、リスク世帯数は356万6000世帯に膨らみます。約9倍、全金融負債世帯の29.7%にあたります。
これらの保有する金融負債額は584兆3000億ウォンで約8倍になります。これは全体負債額の39.7%にあたります。

つまり、金融負債を抱えている世帯のうち、およそ4割がDSR40%を超えるか、負債総額が資産総額を超えているかの、どちらかの状態ということです。