韓国総選挙の出口調査、今回も外れが多かった中で健闘したJTBCの話

韓国の出口調査は当てになりません。
日本の選挙でも出口調査を元に「当確」が発表されたりします。開票率0%でも普通に「当確」になっていたりしますが、その感覚で見ていると信じられないくらい外れます。というか、それやっちゃうと大事故になるくらい外れます。

色々と原因は指摘されているのですけれど、よく言われるものに「正直に答えないから」というものがあります。信じがたい話ですが、例えば今回のように事前に「野党優勢」と伝えられると、実際には与党に投票していても「野党に投票した」と出口調査で答える人が居たり、回答そのものを拒否したりするようなのです。
出口調査でそれをやられると、統計学の基本である「無作為なデータ抽出」が出来なくなってしまいます。結果、データ分析が正しく行えなくなります。

そんな当てにならない韓国の出口調査、総選挙は「出口調査の墓」なんて言われたりするそうですが、今回JTBCが結構精度の高い予測を出したことで話題になっていました。こちらは「出口調査」ではなく、世論調査とメタ調査を使った「予測調査」だそうです。

 



アジア経済の記事からです。

JTBC予測調査はどのようにして地上波3社の出口調査より正確だったのか


(前略)

12日、中央選挙管理委員会によると今回の総選挙で国民の力と比例政党の国民と未来は計108席共に民主党と比例政党の共に民主連合は計175席を確保した。これは放送3社の出口調査の予想値とは違った。地上波3社の予測結果を総合すれば国民の力・国民の未来は85~105席民主党・民主連合は178~197席を得ると予想していた。

(中略)

JTBCは今回、地上波3社が予測調査を発表した直後、国民の力と国民の未来が87~111席、民主党と民主連合が158~193席を得ると予測したが、実際の総選挙結果は予測範囲内でなされた。

JTBCの予測調査を担当したメタボイスのパク・ゴンヨン代表はこれと関連して「2020年総選挙、2022年大統領選挙など最近の選挙結果4つの傾向を総合した後公表された世論調査を反映し、それでも分かりにくいところに対しては世論調査を行った」とし「出口調査は過去データが参考になるのに対しメタ分析をしたもの」と説明した。パク代表は「今回の選挙は特に野党がうまくいくという見通しが出て保守的な有権者の場合、回答をあまりしない可能性もあるが、出口調査の場合、このような部分に対する補正がうまくいかなかった可能性もある」と話した。

(後略)



アジア経済「JTBC 예측조사는 어떻게 지상파3사 출구조사보다 정확했을까(JTBC予測調査はどのようにして地上波3社の出口調査より正確だったのか)」より一部抜粋

日本でも各新聞社が世論調査を元に独自に議席数を予測しますが、それより出口調査の獲得予想議席数の方が精度が高いので、完全に日本と逆の現象が起きています。

ところで、「出口調査の精度が低い」に目がいきがちですけど、その背景…「野党がうまくいくという見通しが出て保守的な有権者の場合、回答をあまりしない可能性」の方がどうかと思います。
大勢と異なる意見の場合、はっきりモノが言えない空気感があるってことでしょ。その方が問題というか、息苦しそうです。