2023年、韓国国内への純流入移住者12万人という話

6月に英国の投資移民コンサルティング会社が公開した報告書で、韓国の富裕層の国外脱出が年々増加している、との趣旨の報道をお伝えしました(こちら)。

今回は富裕層ではなく一般層の話です。
昨年の人口移動統計によると、国外から韓国内に流入した人数と、国外に流出した人数との差分取ると、純流入人数がおよそ12万人多い、というものです。そのうち、およそ3割が就職目的での入国となっています。
基準は「90日以上、居住地を移した」ことなので、短期留学やちょっとした研修なども含まれてしまいます。

 



朝鮮日報の記事からです。

昨年、外国人の就職が増えると、韓国入国が出国より12万人多い...6年ぶり最大


(前略)

統計庁が11日に発表した「2023年国際人口移動統計」によると、昨年韓国に入国した人は計69万8000人で、1年前より15.2%増加した。統計庁は入国または出国して90日以上住居地を移した人を国際移動者と規定する。

昨年、韓国人が海外から国内に21万9000人入ってきて、1年前より13.2%増加し、外国人は48万人で16.2%増えた。外国人入国者は2022年(41万3000人)に続き2ヶ月連続で40万人を越えたもので、2018年の49万5000人以後6年ぶりに最大規模だ。

昨年出国した人は57万7000人で、1年前より11.4%増えた。韓国人入国者*1が25万8000人で、外国人が31万9000人を記録した。入国者が出国者より大幅に増え、国内に純流入した人口が12万1000人で、1年前(8万8000人)より3万3000人増加した。

(中略)

韓国に入国した外国人は、就職(36.1%)が目的の場合が最も多かった。就職入国者数は17万3000人で、1年前より3万5000人増加した規模だ。統計庁関係者は「在外同胞就職や雇用許可制規模拡大で就職目的入国が増加した」と説明した。短期留学と一般研修(17.3%)、永住・結婚移民(12.1%)目的の入国がその後に続いた。

国籍別では中国(13万2000人)、ベトナム(7万1000人)、タイ(3万5000人)など上位3カ国の入国者が全体外国人入国者の49.6%で半分を占めた。

(後略)



朝鮮日報「작년 외국인 취업 늘자, 국내 입국이 출국보다 12만명 많아...6년 만 최대(昨年、外国人の就職が増えると、韓国入国が出国より12万人多い...6年ぶり最大)」より一部抜粋

一般的に言って「就職目的」の入国は「出稼ぎ労働」である可能性が高いです。

国内の経済状況が良く、内需が順調に成長しているのなら良いのですけど、韓国の状況は決して順調とは言えません。「景気が良いから出稼ぎ労働者が集まる」のではなく、「無理な最低賃金引上げ断行により出稼ぎ労働者が集まる」構図になっています。

色々と見方はあるでしょうが、これは素直に喜べないものがあるように思います。
記事の書き方はフラットなので、好意的に見ているのかどうかは分かりません。しかし、少子化対策(人口減少対策)として移民政策を好意的に見る人たちからすれば、良いニュースに聞こえるかもしれません。
けれども、出稼ぎ労働者は比較的低賃金労働者です。少子化の原因が家庭の経済状況(だけ)にあるのであれば、移民も子供はもうけませんよね。

そうした移民の数が増えれば自然と声も大きくなります。そのうち、移民にも「少子化対策予算を」と、本末転倒な事態になりかねません。


*1:原文「내국인 입국자(内国人入国者)」となっているが、出国者人数についての話をしているところなので、「내국인 출국자(内国人出国者)」の間違いだと思われる。