ユンさんの弾劾案が(予定通り?)2回目で可決されました。賛成が204票だったそうなので与党からの造反票は12票ですね。まあ、ユンさんの「開き直り徹底抗戦」宣言を目の当たりにすれば仕方のないことでしょう。
弾劾案は可決されましたが、これで即・弾劾というわけではありません。次は憲法裁判所の出番です。憲法裁判所は180日(半年)以内に結論を出すことになっています。それで弾劾となった場合、60日以内に大統領選挙が行われます。
政治的空白を短くするために出来るだけ早く結論が出るに越したことはないのですけど、韓国の憲法裁判所の裁判官は現在、定員9名のうち6名しか在任していません。弾劾案は前提として「7人以上」の参加で「6人以上の賛成」が必要となります。
そこで、新たに裁判官3名の人事聴聞会を大急ぎで開いて今月中に任命するという話が出ています。
この日程が押せば押すほど審理に影響する可能性があります。
もうひとつ、昔取った杵柄じゃないですけど、ユンさんが法廷闘争に積極的に打って出た場合、最長180日+60日の240日、実に8ヵ月近くもの間、韓国政治は停滞することになります。
ファイナンシャルニュースの記事からです。
ユン弾劾に政府、外交安保の安定的な管理に集中する模様
非常戒厳事態の影響でユン・ソンニョル大統領弾劾訴追案が14日、国会で可決された。
ユン大統領の職務停止で首脳外交も今後数ヵ月間空白状況を迎えることになり、ドナルド・トランプ米大統領当選者の就任直後の韓米同盟対応にも支障は避けられなくなった。
(中略)
ハン・ドクス首相が大統領権限代行を務めることになるが、首脳外交は容易ではなさそうだ。
ハン首相にも弾劾リスクがまだ残っており、国家リーダーシップに空白が生じたという点で、相手国との会談日程を決めることさえ難しいという指摘だ。
このため、政府はひとまず現状維持に集中する可能性が高いという観測だ。外交部などを中心に韓米同盟を堅固にし、国際社会の信頼度を維持することに集中するという。
(中略)
米国の新政権の政策の輪郭が構築される前に韓米首脳会談で韓国の立場が米国の政策に反映されるようにすることに集中する段階だが、現在としては実務陣の接触など、状況把握だけに満足するしかない状況だという指摘だ。
(中略)
韓米関係のほかにも来年国交正常化60周年を控えた韓日関係、来年11月の慶州アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に活路を開こうとしていた韓中関係、いずれも新たな局面を迎える可能性があり、政府としては直ちに現状維持に力を注ぐものとみられる。
(後略)
ファイナンシャルニュース「尹 탄핵에 정부, 외교안보 안정적 관리에 집중할 듯[탄핵안 가결](ユン弾劾に政府、外交安保の安定的な管理に集中する模様)」より一部抜粋
日本は下手に関わらずに一定の距離を保って状況把握と観察に徹することです。