【朝鮮日報社説】「それほどではないと思っていたら「対北監視能力が激減」という事実に」の話

朝鮮日報の社説から「【社説】「それほどではないと思っていたら「対北監視能力が激減」という事実に」です。
北朝鮮への監視・偵察能力が1年前の軍事合意から大きく低下した、という内容です。


【社説】それほどではないと思っていたら「対北監視能力が激減」という事実に


朝鮮日報 2019.09.20 03:18

1年前の9・19南北軍事合意で拡大された飛行禁止区域のために、最前方軍団に配置された私たちの無人機の対北標的識別能力が44%低下した と合同参謀本部が韓国党議員に報告した。合意以前は軍団級無人機が北の長射程砲など713個の標的を識別したが、今は399個だけ見える というのだ。一部地域では識別率が84%も急減した。軍団級無人機の探知距離が15〜20km水準であるのに軍事合意で無人機の飛行禁止距離を軍事境界線を基準に10〜15kmに設定したからだ。探知距離が5〜7kmである社団級無人機は無用の長物となった。北が長射程砲を撃ったとしても相当数は検出・対応ができない可能性が大きくなった。

北軍事合意直後、国防部は「有人偵察機と米軍も偵察資産で空白を埋めることができる」とした。しかし、この有人偵察機は既存の標的のうち10%以上を見逃した米軍の偵察機も識別率が4%ポイント落ちた。有人飛行禁止区域の拡大(20〜40km)で偵察区域が後方に押されたためだ。後方から離れた見るため高度を上げると雲に標的が重なるとか画質が薄暗くなる場合が多いという。今、北は平壌〜元山ラインの南に100万の兵力と火力の大部分を配置している。私たちの首都圏を狙った長射程砲だけで340門だ。北はろくな偵察資産がなかった。軍事合意で北は自分たちの弱点を相殺させて対南脅威はそのまま維持できるようになった。

北は今年だけで新型ミサイル挑発を10回敢行した。2回は軍事境界線付近で発射した。「韓国に厳重な警告」という金正恩の言葉通り、私たちを狙ったものだ。それでも国防部は「北は軍事合意の内容に一件も違反していない」とした。軍が北のスポークスマンになった。特に「北韓イスカンダル」ミサイルは迎撃が難しく、事前検出が重要である。米国務省東アジア・太平洋担当次官補は昨日も「北は未だ核兵器を生産しているものと推定する」とした。このような状況で韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)まで破棄した。今後、米軍偵察情報が滞り無く提供されるかも疑問だ。攻撃用の武器は減らすにしても、監視・偵察能力は拡大することが軍備統制の初歩的原則である。この基本原則を破った安保自害が災いになれば、この政権の誰が責任を負うのか。

朝鮮日報2019.09.20社説「[사설] 그토록 아니라더니 '對北 감시 능력 급감' 사실로(【社説】それほどではないと思っていたら「対北監視能力が激減」という事実に)より


1950年6月25日に越境した北朝鮮軍は、およそ3日でソウルを陥落させています。
忘れてしまったんでしょうか?


国防部が「軍事合意に違反していない」と言った件ですが、詳しくは「合意精神に抵触したレベルのもので、合意違反と見るのは難しい」という主張です。

流石に無理があります。
意図的に繰り返し合意精神に抵触する行為を行うって、それは「合意を守る気がない」と同じに見えますけど。

1日早く19日に発表された文化日報の社説朝鮮日報と内容がよく似ているのですが、朝鮮日報より批判の調子は強く、「9・19軍事合意を破棄しなければならない」としています。
国防部の発言に対しても「軍事の基本さえ知らない詭弁である」と批判しています。