アンチ・サムスンな鴻海「裏切り者サムスンを倒す」という話

フォックスコンの創業者がサムスンを「裏切り者」と呼び、「5年以内に倒す」と言ったという記事がありました。
フォックスコンというのはシャープを買収した台湾の鴻海(ホンハイ)のことです。シャープ買収時の報道で創業者であり会長でもある郭台銘(テリー・ゴウ)さんの顔を見たことある人も多いと思います。

この人が(記事曰く)「嫌韓」に陥ったそうです...が、記事の中に「いつの発言」なのか明記されていないので、また言ったのか、過去の発言を引っ張ってきたのかは分かりません。(アンチ・サムスン発言は結構前からなので「5年以内」の起点がどこかは不明)


アジア経済の記事からです。

裏切り者サムスンを倒すのが目標」..嫌韓に陥った世界最大の製造代行[ニュース人サイド]


「私の人生の目標は裏切り者のサムスン電子を倒すこと」

アップルのiPhoneを委託生産する世界最大の製造代行フォックスコンの創業者、郭台銘の言葉だ。
この他にも郭台銘は「GalaxyではなくiPhoneを購入せよ」「韓国人と違い、日本人は裏切らない」「日本企業と手を組んで5年以内にサムスン電子を破る」などの発言が相次いでいる。

アップルのiPhoneAmazon Kindleなど世界の家電製品の40%程を生産しているフォックスコンがどうして韓国企業と敵対的な関係に置かれることになったのだろうか。

実際、彼はサムスン電子に裏切られたことがある。2010年、サムスンフォックスコンLCD生産系列会社のチーメイ(Chimei)とLGディスプレイなど6社を欧州連合EU)に価格談合の疑いで告発したことがある。そのためフォックスコンは課徴金3億ユーロを支払わなければならなかった。ただ、サムスン電子は自主申告により課徴金の全額免除を受けた。
この事件後、郭台銘は公開の席上でサムスン電子に対し遠慮のない発言を続けた。

(中略:郭台銘さんの生い立ちや鴻海創業の歴史などを紹介)

このようなフォックスコンが韓国企業に対して否定的な発言をするのは単に過去の悪縁から出た感情的な発言だけではないというのが衆論だ。委託生産業者から脱し、独自ブランドを備えた総合電子業者へと生まれ変わるのが目標のフォックスコンにとって、サムスン電子は強力なライバルだからだ。フォックスコンが日本のシャープを買収したのもこのような脈絡からだ。東芝半導体事業である東芝メモリー買収のために30兆ウォンに達する投資に踏み切るなど、韓国が握っている半導体産業にまで進出しようという野心を隠さずにいる。結局、この交渉は霧散したがフォックスコンの淀みのない歩みは依然として進行中だ。

アジア経済「"배신자 삼성 무너뜨리는게 목표"..혐한에 빠진 세계 최대 제조대행 [뉴스人사이드](裏切り者サムスンを倒すのが目標」..嫌韓に陥った世界最大の製造代行[ニュース人サイド])」より一部抜粋


サムスンが談合を告発したのは囚人のジレンマってやつですね。サムスン自身が他の談合相手を信用していなかったんでしょう。
もしくは初めから罠にかけるつもりで談合そのものをサムスンが持ちかけたのかもしれません。(もしそうであればここまで怒るのも納得できるような...)

ところでこの記事の要旨は

フォックスコンは自社ブランドを持つことを目標としており、強力なライバルたるサムスンが邪魔である」

です。つまり、サムスン自体に問題があったわけではなく、あくまで「フォックスコンの利益のため」という見方ですね。またシャープ買収の目的も「自社ブランドのための布石」と解釈されています。

ですがフォックスコンは自社ブランドの話が取り沙汰されるたびに株主総会などで「自社ブランドは持たずODMに注力する」と説明を行ってた経緯があります。自社ブランドを持たないことを強みとしてきた企業なので、記事の解釈には私はちょっと首を捻りたいです。

韓国(企業含む)に否定的な人をひと括りに「嫌韓」とし、その理由を韓国への「嫉妬」としてしまう...いつもの見方に思えるんですよ。
そういった要素もあるかもしれませんが、そこは本質ではなく枝葉だと思うんですよねぇ。